ミイラ取りがミイラになる滑稽さ

2021年4月29日 くれい響 stay ★★★★★ ★★★★★

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招かれざる訪問者であったはずの“お役人”が、衣食住の順番に、山奥の古民家で暮す住民たちのペースに巻き込まれていく。住民たちの関係性や深夜に消える展開、立入禁止な2階の存在など、常に不穏な空気が流れるなか、今年公開作が続く石川瑠華の小悪魔的魅力が見え隠れ。とはいえ、決してホラーやサスペンスな展開にはならず、ミイラ取りがミイラになっていく滑稽さが、どこか微笑ましかったりも……。オチも含め、まるで演劇のようでもあるが、藤田直哉監督による新人離れした堂々たる演出や、室内の空間をダイナミックに捉えたシネマスコープはじつに映画的、という不思議な作品である。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』『藍に響け』『裏アカ』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、「TV LIFE」にて東出昌大さん&柄本時生さん、水原希子さん&さとうほなみさん、森川葵さん&秋田汐梨さん&萩原みのりさん、松本まりかさん、「EVIL A MAG」にてB.O.L.Tさん、「CREA WEB」にて目次立樹さんなどのインタビュー記事も掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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