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クルエラ (2021):映画短評

クルエラ (2021)

2021年5月27日公開 134分

クルエラ
(C) 2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.2

くれい響

『ジョーカー』も蹴散らす、オトナディズニー決定版!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『アイ,トーニャ』のクレイグ・ギレスピー監督、待望の新作だが、明らかにドロンジョ様の元ネタで、アンナ・カリーナも入ったエマ・ストーン演じるクルエラの魅力も相まって、今年ベスト級の仕上がり! ヴィラン誕生秘話や憧れの存在などについては、『ジョーカー』ありきかもしれないが、「オリヴァー・ツイスト」な冒頭から、“デザイナー版『プラダを着た悪魔』”を経て、ヴィヴィアン・ウエストウッドな風雲児と化してのバトル展開など、よくぞここまで広げてくれた!の歓喜状態。いかにもすぎるマーク・ストロングやポール・ウォルター・ハウザーの使い方やら、ラストまで素晴らしすぎる選曲やら、とにかく楽しい!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

インスパイアの源を推測するのも楽しいオリジン・ストーリー 

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

『101匹わんちゃん』の悪役クルエラに焦点を当てるという発想がユニーク。誕生から名を成すまでをクルエラ自身が語りおろす構成で、彼女の過去やダルメシアンとの愛憎関係が明かされる。クルエラが好むスタイルは、V・ウェストウッドやA・マックイーンっぽい! ゴシップ誌名も聞き覚えがあるし、エキセントリックな大御所との関係には『スターウォーズ』的発想も見て取れ、脚本家がさまざまな作品から影響を受けているのは明らか。映画ファンにとっては原点を探る楽しみもありそう。ある意味、二役を演じたE・ストーンは非常に魅力的で、E・トンプソンの迫力に負けていない。ノリのいいサントラもgood!

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

『マレフィセント』には欠けていた悪の本能が、いい感じで噴出

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヴィラン(悪役キャラ)誕生の物語には、経験で邪悪な性質を身につけるパターンが多いけれど、このクルエラは極端で、子供時代から屈折と怒りが備わっている印象。変に感情移入させない設定が、むしろヴィラン映画としての快感を誘う。ただし演出自体は、70年代パンクのファッションに、ポップな楽曲を絡めた、明るく、楽しくを強調。そこらへんがディズニーらしいが、変に感動の結末へ導かれた『マレフィセント』と違って、クルエラが最後まで過激に突っ走る感じが清々しい。主人公の悪を和らげるべく、別方向の底意地悪さを楽しそうに見つめるあたりに、前作でトーニャ・ハーディグと鬼母を描いたギレスピー監督のセンスがダダ漏れしている。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

ビジュアルと音楽に刺激されっぱなし

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

主役はふたりのエマ(ストーンとトンプソン)だけれども、同じくらい大活躍するのがビジュアル。2度のオスカーに輝く大ベテランの衣装デザイナー、ジェニー・ビーヴァンは、今作で、キャラクターの衣装のほかにふたつのブランド(ストーン演じるクルエラのブランドと、トンプソン演じるバロネスのブランド)のコレクションを作り上げたのだからすごい。とりわけクルエラのデザインは常識を打ち破る革新的なもので、毎回あっと言わせる。観賞中から「サウンドトラック、絶対欲しい」と思わせる音楽も、クルエラの反抗的で野心的な精神を絶妙に表現。てんこ盛りながらストーリーは早いペースで進むし、犬もかわいい。

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相馬 学

ポップでスタイリッシュな女性版『ジョーカー』

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ディズニー・ヴィラン物語でも『マレフィセント』とは異なり、悪人を悪人として描くことに終始する。そういう点では『ジョーカー』に近い。

 ディズニー作品だからジョーカーのようにアナーキーではないが、生の情熱やトラウマ、アイデンティティ崩壊が盛り込まれたドラマは見る者の興味を引く。『アイ、トーニャ~』のギレスピー監督らしく、悪女モノではなく、ひとりの人間がある地点にたどり着くまでのドラマとして、きっちり完結するのが妙味。

 1970年代のロンドンが舞台だが、パンクというよりオシャレでスウィンギンな雰囲気。使用曲も60年代のナンバーが多く、クルエラをポップなキャラとして見せる上で効果を発揮する。

この短評にはネタバレを含んでいます
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