カラフルな色調を黒く塗りつぶす

2021年6月5日 くれい響 はるヲうるひと ★★★★★ ★★★★★

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はるヲうるひと

1970~80年代に最盛期だった三重県の離島がモデルだけに、導入部こそ、時代錯誤を感じるかもしれないが、戯曲の映画化だけに、その閉塞的な世界観に引き込まれる。脚本協力・城定秀夫による愛らしい人物描写も挟みながら、物語は展開されるが、いつもの面白いおっさんじゃなく、負のオーラを放ちながら、カラフルな色調を一気に黒く塗りつぶす仕掛け人・佐藤二朗の存在感は想像以上だ。一方、受けの芝居のみの山田孝之にはどこかモノ足りなさを感じつつ、安定な坂井真紀が作品を引っ張っている感もアリ。同じ風俗ネタの戯曲原作である『タイトル、拒絶』に近い感触もあり、こちらも舞台版と観比べたくなる。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』『藍に響け』『裏アカ』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、「シネマトゥデイ」にて菅田将暉さん&Fukaseさん、「TV LIFE」にて高杉真宙さん、池田エライザさん、水野勝さん、高岡早紀さん、「MOVIE WALKER」にて森川葵さん&秋田汐梨さん&萩原みのりさん、「EVIL A MAG」にてB.O.L.Tさん、「CREA WEB」にて和田琢磨さんなどのインタビュー記事も掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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