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インヘリタンス (2020):映画短評

インヘリタンス (2020)

2021年6月11日公開 111分

インヘリタンス
(C) 2020. 1483, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
なかざわひでゆき

特権階級という名の原罪にまつわるダーク・ミステリー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 政財界に大きな影響力を持つ特権階級の父親に反発し、弱者を救済する人権派の地方検事となった名門一族の令嬢が、急逝した父親からとんでもない「負の遺産」を相続する。それは、地下室に30年間も監禁されていた怪しげな謎の男。父親の悪事を隠蔽するため自由を奪われたと主張する男だが、果たしてそれは本当なのか?基本的な設定に少なからず無理があるため、いろいろとツッコミどころ満載な話ではあるものの、社会正義を志していたはずのヒロインが、いざとなると我が身や家族の保身に信念が揺らぎ、結局は自分も特権階級の一員に過ぎなのではないか、父親と同類の人間ではないかという疑問に葛藤していく心理描写は面白い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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