大胆で斬新な世界なのに、この「懐かしい」味わいは、いったい…

2021年6月22日 斉藤 博昭 Arc アーク ★★★★★ ★★★★★

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Arc アーク

遺体保存のためポーズをとらせる方法からして、アングラのパフォーマンスっぽいし(ダンス映画として独創的!)、背景の建築物や衣装も1960〜70年代のSFドラマのムードを醸し出している。スマホやPCのような現代の機器は極力排除され、時間が未来に進むと逆にアナログな機械が強調され、モノクロ画面になる。これって、映画を観るわれわれから、時間の感覚を奪っていくのが目的か? 永遠の命を望み、外見も変わらない主人公の意識を深部で体感させようとする監督の意図なのかも。
原作のコンパクトな物語を、これほど自由な作品にふくらませた努力に拍手。時折、セリフが文学的になるが、人間関係の脚色には現代的チャレンジ精神も。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:4K修復で、あまりに美しい映像になった「ウルトラセブン」。毎週日曜朝はリアルタイムのツッコミを読みながら見るのが楽しすぎ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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