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ゴジラvsコング (2021):映画短評

ゴジラvsコング (2021)

2021年7月2日公開 114分

ゴジラvsコング
(C) 2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

ライター9人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

中山 治美

また香港なのか・・・

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

『パシフィック・リム』(2013)、『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014)に続いて決戦の場は香港。中国資本が入ったハリウッド大作のお決まりのパターンになりつつある。単に香港がフォトジェニックな街だから……という理由だけではあるまい。先ごろデジタル・リマスターされた台湾のSF映画『関公VS.エイリアン』(1976)は、当初は台湾の西門が舞台となる予定だったが行政側が難色を示して香港となった経緯がある。当時の台湾は厳戒令下。フィクションとはいえ街の破壊は反逆行為と受け取られかねないと回避したのだろう。今も昔も香港は、何をしても許される街なのか。バトルの向こうに現実を見る。

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くれい響

怖いモノ知らずな監督の“怪獣愛”がダダ漏れ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作『デスノート』に、本作ときて、次作は『フェイス/オフ』リメイクが噂されるなど、怖いモノ知らずなアダム・ウィンガード監督の“怪獣愛”がダダ漏れ。妙に煌びやかさなライティングが上海に見えなくもない香港でのナイトバトルなど、ファンが観たいものは十分詰め込んでいる。“彼ら”と人間がどのように共存していくか、というテーマ性もありながら、モンスターバース過去作に比べると、コメディ要素も強め。ジャンキーXLの劇伴や板野サーカスのオマージュなど、語りたくなることは山ほどあるが、何も背景が語られないまま、芹沢博士の息子として颯爽と登場し、いきなり白目剥く小栗旬の雄姿だけでも観る価値アリ!

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山縣みどり

日本が誇る(?)ゴジラは、米国的には外様キャラ?

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

ゴジラのリブート第3弾だが、コングに主演の座を奪われた感じ。コングがサイズも知性も急成長していて、びっくり。一方のゴジラはリブート版では人類に敵意を抱いていなかったはずなのに、今回は香港を破壊したりと攻撃的。キャラ変が激しすぎて、理解に苦しむ。コングを際立たせるためとしか思えず、前作でゴジラに救われた少女マディソンの思いも空回り。残念だ。アメリカ人がコングを贔屓にするのはわかるけど、ゴジラ誕生の概念を無視したオリジン・ストーリーはいかがなものか? ゴジラってアメリカ人にとっては結局、外様キャラってわけ? もちろん特撮やハードなバトルは見応えありだし、あれこれ突っ込みながら見るのは楽しい。

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相馬 学

怪獣映画の純度、ここに極まる!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 モンスターバース過去3作に比べるとガチの怪獣映画となった印象が強い。“キング”と呼ばれるビッグ2が激突するのだから、そこにフォーカスするのは当然。

 海中で、市街地で、とにかく両雄がバトるのだが、単に暴れるのではなく、格闘技のように張り手が決まったりするのが面白い。そういう意味では怪獣を使ったアクション映画。

 前作の人間キャラではヒロイン、マディソンが今回も頑張っており、サスペンスを盛り立てるが、前2作でテーマに迫るセリフを語っていた渡辺謙のような存在が欠けたために人間ドラマは軽い。ユニバースのファンとしてはその点に寂しさを覚えもするが、ここは怪獣映画の純度の高まりを評価したい。

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なかざわひでゆき

観客が見たいものをたっぷり見せるサービス精神は満点

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 怪獣王ゴジラが再び地上で破壊活動を行うようになったことから、人類はゴジラの宿敵コングを使ってその原因を調査するも、やがて巨大IT企業の邪悪な陰謀が浮かび上がる…というお話だが、基本的にストーリーはあってないも同然。余計な人間ドラマなどを最小限にとどめ、巨大怪獣同士の壮絶バトルや地底アドベンチャーなどのスペクタクルな描写に注力する。そのおかげで、小栗旬のキャラが芹沢博士の息子であることすら劇中では一切触れられず、登場人物がストーリーを動かすだけの駒になってしまった感はあるものの、とにかく観客が見たいものをたっぷり見せるというアダム・ウィンガード監督の演出はサービス精神満点だ。

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村松 健太郎

見たいものが見れる!!

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

モンスターバースと言いつつも毎作品ごとに微妙にゴジラの立ち位置・性格付けが変わってしまっていったり、いくら何でもご都合主義過ぎる展開も気にはなりますが…。
そうは言ってもタイトルには間違いなし、ゴジラとコングが正面からガンガンとやってくれる映画は本当に景気のいいものになっています。
また、ロストワールドモノとして進んでいく物語は意外な展開で楽しめました。
クライマックスまで、とにかく力業でハイテンションのまま雪崩れ込みます。夏映画にぴったりな超大作。

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平沢 薫

怪獣映画は怪獣の魅力だけで成立し得る

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 まさに怪獣映画。怪獣を魅力的に見せることだけを目的に創られた、怪獣を見るための映画になのだ。この映画を見ると、この頃のハリウッド製巨大モンスター映画で描かれた人間ドラマが、実は不要だったことがよく分かる。怪獣たちの性質の変化は、日本の怪獣映画の変遷を意識したオマージュだろう。
 怪獣をたっぷり見せるための仕掛けが満載。舞台は、タイプの異なるものを多数用意。彼らの勇姿をあらゆる角度から捉えるため、カメラが縦横無尽によく動く。手で触れるほど近くで彼らを体感するため、飛行物に搭乗して彼らに接近した人間の主観映像を多用。怪獣映画は怪獣の魅力だけで成立し得るということを痛感させてくれる。

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猿渡 由紀

期待のバトルシーンは裏切らない

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

この映画に人々が求めるのはゴジラとコングの対決。それをしっかりわかっている今作において、人間は二の次。本当の意味で存在意義があるのはコングとコミュニケーションを取ることができる少女くらいで、多様で才能あるキャストが無駄遣いされている気がするのは否めない。しかし肝心のバトルが豪快で痛快なので、そんなことはどうでも良くなるのだ。飛行機を掴んだり高層ビルの間をのしのし歩いたりするいかにもコングらしい動きや、ゴジラの超アップショットには、心が躍る。ふたりが対面して睨み合うシーンも迫力満点。難しいことを排除し、悪びれなく娯楽に徹した王道ポップコーン映画。

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斉藤 博昭

荒唐無稽なノリは加速しつつ、観せるべきものは徹底的に魅せる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

これまでの物語、説明ナシで始まるので、冒頭からハイテンションの怒涛感。ゴジラとコングの遭遇にもう少しタメが欲しいところだが、そんな横槍を無視するように豪快に突き進む。設定からして、人間目線で観ればコング側に共感しやすい流れなので、ややゴジラ贔屓目の応援で対決を眺めたい。
過剰なイルミも美しい香港のバトルはアングル、編集も的確で怪獣プロレスを満喫。格闘で魅せる作品の目標は達成され、2トップ以外の脇役のデザインにも萌えるので、トンデモなSF的設定も強引に納得させる。
小栗旬の出演はネタ的に日本にアピールするが、もはや日本人俳優どうこうは観ながら頭をかすめない。それだけ溶け込んでる、ってことかも。

この短評にはネタバレを含んでいます
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