ゲームのテイスト×歴史問題のテーマの、なんとも斬新な味わい

2021年7月29日 斉藤 博昭 返校 言葉が消えた日 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
返校 言葉が消えた日

戒厳令下の反体制派への弾圧という、もろにテーマは社会派。しかしそこが際立っているようで、弾圧というシビアな状況が、見えないモンスターのようにじわじわ心を蝕み、ホラー的ムードを増長。一言で表現しづらい不思議な作品になっている。VR作品で才能を認められた監督だけあって、ゲームを体感させる絵作りも独創的。
短い出番の人物が、やけに不気味な言動をとったり、目を覆うショッキングな瞬間も用意されるなか、教師と生徒のピュアな信頼の絆が静かに貫かれ、そのコントラストも、これまた妙味。
1960年代の「暗黒時代」が、現在の香港を考えると、また繰り返されるかも…と、台湾の人々の危機感が伝わり、そこが最も怖いかも。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:昨年に続いてトロント国際映画祭はオンラインで参加。導入はエイリアンものの「Encounter」、国民的人気TVジャーナリストをレア・セドゥが熱演する「France」、「ダンケルク」の若手俳優たちが愛欲ドロドロを演じる「Benediction」などが記憶に。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]