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シャン・チー/テン・リングスの伝説 (2021):映画短評

シャン・チー/テン・リングスの伝説 (2021)

2021年9月3日公開 132分

シャン・チー/テン・リングスの伝説
(C) Marvel Studios 2021

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

相馬 学

MCUが中華風桃源郷と化す!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 MCUの新作として見れば、確かに『アイアンマン』などのリンクに嬉しくなる。しかし見進めると、物語そのものにのめりこむのがマーベルクオリティ。

 武侠映画が次第に伝奇映画へと変貌。そんな中華アクション的な展開は、明らかにこれまでのMCUにはなかったノリ。ワイヤーワークと肉弾アクション、チャン・イーモウの『HERO』を思わせる“水”の幻想シーン、ディズニーらしい極彩色の桃源郷の描写の融合。その斬新さが光る。

 若手アクターたちの頑張りは魅力的だが、アジア活劇を見慣れた身には、カンフー映画のグランドマスターというべきT・レオン&M・ヨーの優美な立ち回りに“最強”を感じざるをえない。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

トニたんしか勝たん!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

冒頭から、『レッドクリフ』の周瑜のような凛々しい姿を魅せたかと思いきや、哀愁を秘めた表情や水も滴るいい男な描写など、役柄同様、年齢不詳なトニ―・レオンのイケオジっぷりが無双状態。一方、シャン・チー役のシム・リウも部屋の壁に『カンフーハッスル』(後半ではユン・ワーも登場!)や『ウォリアーズ』のポスターを貼ってるボンクラ息子っぷりを発揮し、オークワフィナとの息の合った絡みも楽しい。本作が遺作になってしまったブラッドリー・ジェームス・アランによるジャッキー仕込みのアクションやツイ・ハーク監督作のようなケレン味溢れる終盤など、MCU初心者や香港映画ファンも楽しめる一本といえるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

胸はずむサプライズがたっぷり詰まってる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 もとは1970年代のブルース・リーの世界的ブームを背景に生まれたカンフー・アクション・ヒーローは、どのように描いたら、21世紀のマーベルのアメコミヒーローたちと肩を並べる存在になるのか。その1点に注力し、それに成功したのが本作。カンフー・アクション単体ではなく、そこに疾走するバス、ビルの外壁など別の要素を掛け合わせる。さらにサプライズな展開も続々。そのうえでストーリーにはMCU史上初の視点を導入し、ヒーローの物語は"善と悪の戦い"ではなくでも成立することを証明してみせる。この部分こそ、これまでアメコミ映画とは無縁だったデスティン・ダニエル・クレットン監督ならではの快挙に違いない。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

マーベル映画を観てる感覚、かなりのパートで消えてた…

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

マーベルの新ヒーロー映画として、ここまで新鮮なテイストは初めてかも。主人公の人種だけでなく、他の作品とのリンクが限りなく少なめなので、久々に単体として素直に入り込めるのが、その要因?

アクション映画として興奮させるのは、とくに前半、サンフランシスコの連節バス、マカオのビルの足場でのシーン。ハイテンポでダイナミックながら、しっかり動きがわかり、なおかつ独創的。演出と編集が最高レベルで合体する。

「指輪物語」「ナルニア」あたりのファンタジックさと、アジアン的神話性の融合は、既視感もありつつ、絢爛たる美しさを堪能できる。トニー・レオンがなぜこの役を受けたか確認したかったが、そこは最後まで謎……。

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村松 健太郎

マーベル新章は武侠映画!?

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

これまでの貯金でできていたMCUフェーズ4作品。しかし、この『シャン・チー』からは文字通りの新章突入。今まで顔出しはもちろん名前も出てこなかったヒーローの物語が新たに始まります。
メインキャストをアジア系で固めるというなかなかの冒険の布陣。主役のシム・リウはこれからまだまだ成長の必要性を感じますが、身体能力の高さは感じました。
一方ヒロインのオークワフィナは抜群の安定感があって、頼もしさを感じます。
頼もしさという点でいえばトニー・レオンとミシェル・ヨーのベテラン組。ドラマパートもアクションパートも見せ方がわかっています。
マーベルという枠組みで作られた武侠映画という趣の一本です。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

冒頭のアクションシーンはとりわけ痛快でユニーク

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

クライマックスや途中のアクションシーンもすばらしいが、一番楽しいのは最初に出てくるサンフランシスコでのシーン。動く車でのアクションは過去にたくさんあるものの、これは飛び抜けてユニークかつ迫力もユーモアもたっぷり。あそこだけでもまた見たいと思ってしまう。主役に無名のシム・リウを起用したのは、観客も一緒に彼の本性を発見していけるという意味で効果的だった。それに、彼とオークワフィナの相性は抜群!昔に比べてハリウッドも字幕を使うようにはなってきたといえ、オープニングから中国語、英語になるのは数分経ってからというのをこの規模の娯楽作でやってみせたところにも、アジア系の文化に対する誠意が感じられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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