第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション56作品紹介

第73回カンヌ国際映画祭

カンヌ国際映画祭
新型コロナウイルスの影響でコンペティションの代わりとなる「カンヌ2020」に!- SOPA Images / Getty Images

 世界三大映画祭として知られるカンヌ国際映画祭。毎年レッドカーペットに登場するスターたちの華やかな顔ぶれが期待されていたが、今年は新型コロナウイルスの影響で映画祭の通常開催を断念。部門の区別をせずにオフィシャルセレクション「カンヌ2020」として56作品が発表された。日本からは本映画祭常連の河瀬直美監督『朝が来る』をはじめ、深田晃司監督『本気のしるし』、アニメ作品として、宮崎吾朗監督が手掛けたスタジオジブリ初の全編3DCGによる『アーヤと魔女』の3本が選出。まったくジャンルの異なる邦画3作品にカンヌがお墨付きを与えたことからも、日本映画の多様性や実力の高さが十分に世界で通用することを示している。(文・平野敦子)

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『朝が来る』河瀬直美監督

朝が来る
カンヌ常連の河瀬直美監督作『朝が来る』より - (C) 2020『朝が来る』Film Partners

殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がメガホンを取り、直木賞作家・辻村深月の小説を映画化したヒューマンドラマ。特別養子縁組で男の子を迎えた夫婦と、わが子を手放す決心をした14歳の少女の人生を描き出す。『八日目の蝉』(2011)などの永作博美と、『嵐電』(2019)などの井浦新が夫婦役を演じ、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2017)などの蒔田彩珠が若い母親を演じている。『萌の朱雀』(1997)で第50回カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞して以来、カンヌ映画祭への公式出品はこれ8度目となる河瀬監督。栄えある「カンヌ2020」に選出された56作品の中でも、本映画祭の常連として河瀬監督が重要な役割を果たす。

『本気のしるし』深田晃司監督

本気のしるし
ドラマを再編集した劇場版『本気のしるし』より - (C) 星里もちる・小学館/メ~テレ

淵に立つ』(2016)、『よこがお』(2019)などの深田晃司が監督を務め、星里もちるの同名漫画を映画化。ごく平凡な会社員が一人の女性と出会ったのをきっかけに、転落の人生を歩むことになる様子を映し出す。『レディ・プレイヤー1』(2018)などの森崎ウィンが主人公を演じ、ヒロインを『彌勒 MIROKU』(2013)などの土村芳が演じている。宇野祥平石橋けい福永朱梨忍成修吾北村有起哉ら個性派キャストが共演。漫画からスタートし、ドラマ、そして劇場版と華々しい変化を遂げた本作の実力が本映画祭でも高く評価された。『淵に立つ』でも第69回本映画祭「ある視点」部門審査委員賞を受賞した監督の飛躍に期待がかかる。

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『アーヤと魔女』宮崎吾朗監督

アーヤと魔女
今年冬にNHK総合テレビで放送が決定! - (c) 2020 NHK, NEP, Studio Ghibli

ハウルの動く城』(2004)などの原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童文学を宮崎駿監督が気に入り長編アニメ化を企画。息子の宮崎吾朗が監督を担当する。自分が魔女の娘だと知らずに成長した少女アーヤが、ある日突然見知らぬ家で、意地悪な魔女と暮らすことになる物語をつむぐ。スタジオジブリが初めて全編3DCGの長編作品を手掛け、賢くてどこか憎めない少女の成長をさわやかに描写する。1960年に本映画祭からアニメーション部門が独立し、設立されたアヌシー国際アニメーション映画祭で、宮崎駿監督の『紅の豚』(1992)が最優秀作品賞を受賞するなど、なにかとフランスと縁があるスタジオジブリ作品の今後に心が躍る。

オフィシャルセレクションに選出されたラインナップは以下の通り。

常連(過去に選出されたことのある監督)

ウェス・アンダーソン監督 『ザ・フレンチ・ディスパッチ(原題) / The French Dispatch』(アメリカ)

フランソワ・オゾン監督 『サマー・オブ85(英題) / Summer of 85』(フランス)

河瀬直美監督 『朝が来る』(日本)

スティーヴ・マックィーン監督 『ラヴァーズ・ロック(原題) / Lovers Rock』(アメリカ)

スティーヴ・マックィーン監督 『マングローヴ(原題) / Mangrove』(アメリカ)

トマス・ヴィンターベア監督 『アナザー・ラウンド(英題) / Another Round』(デンマーク)

マイウェン監督 『ディー・エヌ・エイ(英題) / Dna』(フランス / アルジェリア)

ジョナサン・ノシター監督 『ラスト・ワーズ(原題) / Last Words』(アメリカ)

イム・サンス監督 『ヘヴン:トウ・ザ・ランド・オブ・ハピネス(英題) / Heaven: to the Land of Happiness』(韓国)

フェルナンド・トルエバ監督 『フォーゴットン・ウィール・ビー(英題) / Forgotten We'll Be』(スペイン)

ヨン・サンホ監督 『ペニンシュラ(英題) / Peninsula』(韓国)

シャルナス・バルタス監督 『イン・ザ・ダスク(原題) / In The Dusk』(リトアニア)

リュカ・ベルヴォー監督 『ホーム・フロント(英題) / Home Front』(ベルギー)

深田晃司監督 『本気のしるし』(日本)

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初選出監督

ダニエル・アルビド監督 『パッション・シンプル(原題) / Passion Simple』(レバノン)

マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督 『ア・グッド・マン(原題) / A Good Man』(フランス)

エマニュエル・ムレ監督 『レ・ショス・コン・ジ、レ・ショス・コン・フェ(原題) / Les Choses Qu’on Dit, Les Choses Qu’on Fait』(フランス)

アイテン・アミン監督 『スアド(原題) / Souad』(エジプト)

ベン・シャーロック監督 『リンボ(原題) / Limbo』(イギリス)

ファリッド・ベントミ監督 『レッド・ソイル(英題) / Red Soil』(フランス)

マグヌス・フォン・ホーン監督 『スウェット(原題) / Sweat』(スウェーデン)

リュドヴィック・ブケルマゾラン・ブケルマ監督 『テディ(原題) / Teddy』(フランス)

カメン・カレフ監督 『フェブラリー(原題) / February』(ブルガリア)

フランシス・リー監督 『アンモナイト(原題) / Anmonite』(イギリス)

エリー・ワジェマン監督 『アン・メディスン・デュ・ニュイ(原題) / Un Medecin De Nuit』(フランス)

オスカー・レーラー監督 『アンファン・テラブル(原題) / Enfant Terrible』(ドイツ)

パスカル・パランテ監督 『ナディア、バタフライ(原題) / Nadia, Butterfly』(カナダ)

ニール・バーグマン監督 『ヒアー・ウィー・アー(原題) / Here We Are』(イスラエル)

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オムニバス映画

アン・ホイジョニー・トーツイ・ハークサモ・ハン・キンポーユエン・ウーピンパトリック・タム監督 『セプテット:ザ・ストーリー・オブ・ホンコン(原題) / Septet:The Story Of Hong Kong』

初長編監督作品

ヴィゴ・モーテンセン監督 『フォーリング(原題) / Falling』(アメリカ)

ニンジャ・ティベルグ監督 『プレジャー(原題) / Pleasure』(スウェーデン)

シャルレーヌ・ファビエ監督 『スラローム(原題) / Slalom』(フランス)

ジョアン・パウロ・ミランダ・マリア監督 『メモリー・ハウス(英題) / Memory House』(ブラジル)

ジミー・ケイルズ監督 『ブロークン・キーズ(原題) / Broken Keys』(レバノン)

サミール・ゲスミ監督 『イブラヒム(英題) / Ibrahim』(フランス)

デア・クルムベガスヴィリ監督 『ビギニング(原題) / Beginning』(ジョージア)

ファニー・リヤタールジェレミー・トゥルイル監督 『ガガリン(原題) / Gagarine』(フランス)

スザンヌ・リンドン監督 『16プランタン(原題) / 16 Printemps』(フランス)

ピーター・ドゥロウンティス監督 『バウリアン(原題) / Vaurien』(フランス)

ニコラ・モーリー監督 『ギャルソン・シフォン(原題) / Garcon Chiffon』(フランス)

ノラ・マーティロスヤン監督 『シュッド・ザ・ウインド・ドロップ(英題) / Should The Wind Drop』(アルメニア)

パスクアル・シスト監督 『ジョン・アンド・ザ・ホール(原題) / John And The Hoke』(アメリカ)

ウェイ・シュジュン監督 『ストライディング・イントゥー・ザ・ウインド(原題) / Striding Into The Wind』(中国)

ダニエル・ローゼンバーグ監督 『ザ・デシ・オブ・シネマ・アンド・マイ・ファーザー・トゥー(原題) / The Death Of Cinema And My Father Too』(イスラエル)

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ドキュメンタリー映画

ディルド・ハマディ監督 『ダウンストリーム・トゥー・キンシャサ(英題) / Downstream To Kinshasa』(コンゴ民主共和国)

マイケル・デュウィックグレゴリー・カーショウ監督 『ザ・トリュフ・ハンターズ(原題) / The Truffle Hunters』(アメリカ)

ザビエル・ドゥ・ローザンヌ監督 『9ジュール・ア・ラッカ(原題) / 9 Jours A Raqqa』(フランス)

コメディー映画

キャロライン・ヴィグナル監督 『アントワネット・ドン・リ・セベンヌ(原題) / Antoinette Dans Les Cevennes』(フランス)

ブリュノ・ポダリデス監督 『レ・ドゥ・アルフレッド(原題) / Les Deux Alfred』(フランス)

エマニュエル・クールコル監督 『ザ・ビッグ・ヒット(英題) / The big hit』(フランス)

ロラン・ラフィット監督 『ロヒジン・ドゥ・モンデ(原題) / L’origibe Du Monde』(フランス)

ローラン・ティラール監督 『ラ・ディスクール(原題) / Le Discours』(フランス)

アニメーション映画

宮崎吾朗監督 『アーヤと魔女』(日本)

ヨナス・ポエール・ラスムッセン監督 『フリー(原題) / Flee』(デンマーク)

オーレル監督 『ジョゼ(原題) / Josep』(フランス)

ピート・ドクター監督 『ソウルフル・ワールド』(アメリカ)

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