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ラース・フォン・トリアー監督の新作は、映画『リング』『仄暗い水の底から』の影響あり!?【第47回ニューヨーク映画祭】

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衛星中継で受け答えするラース・フォン・トリアー監督
衛星中継で受け答えするラース・フォン・トリアー監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 第47回ニューヨーク映画祭の試写会で、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督の新作映画『Antichrist』(原題)が上映され、その後に行われた衛星中継の記者会見で、監督が質問に答えてくれた。本作は子どもを亡くしたとある夫婦(ウィレム・デフォーシャルロット・ゲンズブール)が巡る狂気のドラマ。

 本作を制作する前はうつ状態だったというラース監督。「これまでの作品と比べて、ストーリーの構成が違うかもしれないね。刺激が強いし、エキゾチック。映画制作中の僕は常にハッピーなんだけど、本作はうつを抜け出すために制作したとも言えるね。こうやってニューヨークの記者に会えるのはすごくうれしいよ! ニューヨークで成功すれば、世界中どこでも成功できるからね!」とフランク・シナトラの名曲「ニューヨーク・ニューヨーク」のフレーズを引き合いに出して、喜びを語る。

 影響を受けたホラー映画についてラース監督は「映画『サイコ』なんかをよく観るけど、怖さで印象に残っているわけではないんだ。むしろ、スタイルやムードで覚えているんだよ。ホラー映画には、色々変わったことのできる余地があると思うんだ。たとえば映画『シャイニング』なんかも怖さを感じなかったけど、個性的な要素があるからこそ、観ているときに感情移入できるんだ。日本の映画『リング』『仄暗い水の底から』もすごく好きだね。ホラーとしてではなく、違った文化の映画として観ているからだと思うけど」とのことだ。

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 またエンドクレジットにある、ロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督に捧げるという意図は「タルコフスキー監督は重要人物なんだ。映画学校に通っているときに映画『鏡』を観たときは、数日頭から離れなかったしね。それ以来、彼の手法を盗んできたと思うね。だから盗み過ぎて捕まる前に、彼の名をクレジットで捧げる形になったのさ!」と語る。

 音楽の使い方が、デヴィッド・リンチ監督の作品に似たテイストであることについては「映画『ツイン・ピークス』には、すごく影響を受けたよ。あの作品のすべてを理解しているわけじゃないけど、またそこがいいんだよね! 映画『マルホランド・ドライブ』も好きさ」と影響を受けたことを認めていた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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