シネマトゥデイ

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映画短評

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  • ハドソン川の奇跡
    これだけ盛り込んでイーストウッド監督作、最短の96分
    ★★★★

    前作『アメリカン・スナイパー』に続き、イーストウッド監督が“アメリカの英雄”について問う本作。事故の一部始終はもちろん、一躍国民的英雄になった一方、調査委員会の理不尽な追及もあり、家族に会えない機長の苦悩や葛藤、将来の不安など、見応えある人間ドラマ。さらに、コンピューターのシミュレーションにクギづけになるクライマックスまで、たっぷり盛り込みながら、全監督作中、最短の96分という尺に驚かされる。困難に立ち向かうキャプテンを演じさせれば、右に出る者はいないトム・ハンクスのブレない演技も、トッド・コマーニキの脚色も見事。ハンクスの盟友、ロバート・ゼメキスによる『フライト』と観比べるのも一興だ。

  • イエスタデイ
    北欧童貞男子の『抱きしめたい』
    ★★★★

    「シー・ラヴズ・ユー」で開幕する本作はビートルズ関連の映画の中で史上最も微笑ましい一本かも。ノルウェーの男子高校生4人組が主人公で、リアルタイムでの影響の受け方が素朴で泣けるのだ。『サージェント・ペパーズ』のジャケを手にして急激な変化に驚くなど、情報伝達の速度も“当時の小国”ならでは。

    『その男ゾルバ』を観るシーンで『グミチョコ』『桐島』的な童貞映画の黄金(基本)形が顕わとなり、女子好みの大人っぽい音楽としてレナード・コーエンが配される。思えばブリティッシュ・インヴェイジョンを扱っている点で第一次(60年代)版の『シング・ストリート』とも言えるのだった。音楽監督はa-haのM・フルホルメン!

  • ラスト・ウィッチ・ハンター
    定番設定に"なるほど!"なヒネリあり
    ★★★★★

     中世の魔女ハンターが現代でも密かに活動しているという設定は定番だが、工夫は色々。魔女が植物・昆虫・天候を使い、ハンターは鉄と火を使う。ストーリーにもヒネリがあって、なるほどそこはそこにつながるのか、と思わせる瞬間が一度ではなく、「プリースト」のコリー・グッドマンの脚本が、2010年の映画化されていない優れた脚本リスト"ブラックリスト"に選ばれたのも納得。
     ビジュアル面では、"植物"がポイント。現代を生きる魔女の末裔たちはエコロジストで、多様な植物を育てて、商売に使ったりする。大都会のビルの谷間にふと現れる小さな庭に魔術が仕掛けられていて、膨大な時間を超えて、中世と一気に結びついたりもする。

  • 地獄に堕ちた野郎ども
    綺麗事では終われない!オリジナルパンクの切ない真実
    ★★★★

     ダムドは英パンク・シーンで最初にレコードを発表し、現在も活動を続けているバンド。その長い歴史を追うとともに、デビュー作にして名盤『地獄に堕ちた野郎ども』を作ったメンバー4人にフォーカスする。

     現在も在籍するオリジナル・メンバー2人の活動と併せ、辞めた2人の発言も挟まれるが、そこから浮かび上がる(金銭面を含めた)対立の無常観に言葉を失う。不動のラインナップと思えた4人が今後、二度と同じステージに立つことがない、その事実が切ない。

     ファン心理的な感傷はともかく、軋轢に深く切り込んだ、作り手のドキュメンタリー作家としての勇気は評価されるべき。深刻なだけでなくユーモラスである点もイイ。

  • 真田十勇士
    オープニングはやはり、実写で撮るべきだった…
    ★★★★★

    公開ギリギリまでCG処理をしていた、大坂冬の陣、夏の陣。確かにスケール感はあるが、すべてはここに集約されてしまったような気がする。とにかく肝となるはずの十勇士の人物描写など、ドラマパートがしっかり描かれていない。感情移入できなく、戦地で命を落とし、『仁義なき戦い』風にテロップが出ようが、胸に迫るものがない。そう考えると、挑戦的で悪くないと思ったオープニングのアニメは、やはり実写で撮るべきだったと思ってしまう。“動ける”はずの大島優子も生かせず仕舞い。とにかく“通常の”堤幸彦作品同様、薄っぺらさが目立ってしょうがない。そんななか、昨今の松坂桃季のカメレオン俳優っぷりは面白いので、★おまけ。

  • 闇金ウシジマくん Part3
    『the Final』に備え、マネーゲームを楽しむべし。
    ★★★★★

    前作『Part2』やドラマ「Season3」に比べ、過激・凶暴性に欠けるのは否定できないが、そこに関しては『the Final』までお預け! というわけで、話題の高報酬アフィリエイトにまつわるマネーゲームを扱った興味深い展開になっており、パン一姿も辞さないカリスマ塾長演じるハマケンの怪演が光る。ただ、クライマックスのパーティへの流れは、『Part2』のデジャヴかと思えるほど。一方の“中年会社員くん編”は、キャバ嬢&不倫というあまりにありがちな展開で、オリラジ藤森のゲスキャラに救われた感アリ。また、若手男優の使い方がめっちゃ巧いシリーズだが、本作では鬼邪高・村山とは別人な山田裕貴に注目すべし!

  • 地獄に堕ちた野郎ども
    評価されそうな時にケツを出しちゃうバンド!
    ★★★★

    面白かったなあ。『極悪レミー』のオーショスキー監督にしては編集・構成がごちゃついてるが、ダムド自体の40年の歴史が混乱・分裂・迷走だらけの規格外なものだから仕方ない。にもかかわらず「ブラックコメディ」「パーティ」「完全にふざけてる」など一貫した個性と、やたら高い音楽性を保持しながら、唯一無二の現役バンドとして活動する今の彼らに肉薄する。

    ピストルズやクラッシュに比べ俺たちは…という“残念”節が繰り返されるが、それこそマニア好みな魅力。数多いロック/パンクドキュの中でも最も「娯楽映画」な気がする。爆笑あり、色々涙あり。77年からずっとライヴ通いしているというおっかけの爺ちゃんが忘れられない。

  • 将軍様、あなたのために映画を撮ります
    閉ざされた独裁国家の闇に恐れおののく快作
    ★★★★

    申相玉監督の著書『闇からの谺』を読んで北朝鮮の映画芸術を向上させるために韓国の監督&女優を拉致した金正日の恐ろしさを感じたが、本作は被害者の体験を映像で見せるのでさらに背筋がゾゾッ。拉致状況や北朝鮮での生活ぶりが当人たちや成長した子供たち、そして彼らを尋問したアメリカ政府関係者らの証言で明らかにするが、再現フィルムとして申監督の作品を使用しているのがユニークだ。また北朝鮮の国民生活の一端も映され、その普通じゃなさに唖然。帰国が叶わない拉致被害者が大勢いるが、新たな最高指導者・金正恩が映る終盤に漂うのは絶望感のみ。この映画を世界中の人々が見て、拉致被害者返還に力添えしてくれると望みたい。

  • 白い帽子の女
    ブランジェリーナ、最後の共演作を見逃すな!
    ★★★★★

    結婚2年を過ぎ、突然に離婚となったブランジェリーナ夫妻がハネムーン中に製作したのがこの映画。問題を抱えた夫婦が心の傷にそれぞれに向き合う姿を描く大人のラブストーリーで印象的なのは、問題を処理する際の男女の差だ。夫が外に発散させるのに対し妻は内に秘め続けるので、男と女の間に横たわる深い川は埋められないかもと不安になる。役者同士のニュアンス演技で夫婦の心理を描く展開やカフェ主が発する哲学的なセリフが60~70年代のヌーベルヴァーグっぽいし、新たなチャレンジはアンジーの監督としての成長の証である。ハリウッドのロイヤルと真で言われた夫妻の最後の共演作なので、見逃してはもったいない。

  • メカニック:ワールドミッション
    J・ステイサムの切れっ切れアクションにうっとり
    ★★★★★

    主演のジェイソンが49歳とは思えぬ切れっ切れアクション演技を連発し、それを見るだけでいい映画。アルカトラズを彷彿させる孤島刑務所での暗殺に始まる主人公ビショップのミッションに製作陣が頭脳を総動員したのは間違いなく、ビル高層階のプールやパニックルームと徐々にハードルが上がる。それぞれの暗殺だけで1本の映画になりそうなのに、淡々とこなすビショップ=ジェイソンがすごすぎる。もうジェソン・ボーンは不要? 不要といえばジェシカ・アルバ演じるヒロインも!? 元特殊部隊員という設定なのにビショップの足手まといなだけ。ビキニで海中を泳ぎ回るシーンのためだけの抜擢だろうが、いらない。

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