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『search/サーチ』監督、SNSとスリラーの融合に自信

本作で長編映画監督デビューを果たしたアニーシュ・チャガンティ監督
本作で長編映画監督デビューを果たしたアニーシュ・チャガンティ監督

 物語が全編パソコンの画面上で展開するスリラー映画『search/サーチ』でメガホンを取ったアニーシュ・チャガンティ監督が取材に応じ、自身のSNSに対する考えを交じえながら製作秘話を明かした。

【動画】映画『search/サーチ』予告編

 本作は、突如失踪した女子高生を探すため、彼女の父親がFacebook、InstagramといったSNSを頼りに捜索を試みるさまを描くサスペンススリラー。捜査が進むにつれて、活発だったはずの娘の意外な一面が明らかになっていく。

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 米Google社でプロモーション事業に従事していたチャガンティ監督は、製作会社から「PC画面上で展開する映画を作らないか?」という提案を共同脚本のセブ・オハニアンと共に受けたものの、短編作品にこだわりを持っていたため、長いこと「NO」と断り続けていたと明かす。しかしある日、映画のオープニングとなるモンタージュ映像のアイデアを思いついた監督は、「これならいい作品が撮れる」と手応えを感じたという。「“スクリーン・ライフ”(PC画面上で展開する作品)はこれが初めではないけど、映画的な体験ができる作品としてはこれが初になるだろうと感じました。そういった思いがこみ上げて、『YES』の返事に変わっていきました」

 劇中で取り上げられるのは、インターネットやSNSに潜むネガティヴな側面だ。監督は「事件や不幸が起きると、まるで自分ごとのように書き込むことがよく起こります」とSNSの実態を分析し、莫大な情報がリアルタイムで流れていくSNSの仕組みに、“スリラー”というジャンルが適しているのではと思い浮かんだという。

 「この(スリラーという)ジャンルは、たくさんの情報があって初めて謎解きが始まります。そうしたジャンルの特徴と本作のコンセプトは良い形で融合するだろうと思いましたし、両者の強みをブレンドできるのではないかと考えました」

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アニーシュ・チャガンティ監督
撮影現場で指示を出すチャガンティ監督

 PC画面を使った謎解きを観客に体験してもらおうと、映画はGoPro(小型のヘルメットカメラ)やドローン、iPhoneなどを用いて撮影されており、特にiPhoneの映像は本編の20%ほどを占める。主演のジョン・チョーも「普通のカメラで撮らない?」と時折ジョークを混ぜて監督に提案していたという。

 「スリラーとして成功させるために、(謎解きの)ヒントをたくさんちりばめるようにしました」と語るチャガンティ監督。「観客が謎解きの一員となっているような作品づくりを僕らは目指しました。こうした細かい部分まで作りこまれているのが、本作の魅力と言えますね」と自信をのぞかせた。(編集部・倉本拓弥)

映画『search/サーチ』は10月26日より全国公開

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