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ジョージ・クルーニー、年齢からは逃げられない 孤独な老人役で伝えるメッセージ

『ミッドナイト・スカイ』のジョージ・クルーニー 少女との旅はどんな結末を迎えるのか
『ミッドナイト・スカイ』のジョージ・クルーニー 少女との旅はどんな結末を迎えるのか

 Netflixで配信中のオリジナル映画『ミッドナイト・スカイ』で監督・製作・主演を務めたジョージ・クルーニーが、本作で演じた孤独な老科学者の役づくりや、Netflixとのタッグ、そしてパンデミックのなかにある現代に向けて本作が投げかけるメッセージを語った。

【動画】ジョージ・クルーニーの氷上サバイバル!本編映像

 本作でジョージが演じるのは、滅亡の危機にある地球で、北極の基地にたった一人で残り続ける科学者オーガスティン。ある時、基地に残された謎の少女を発見し、奇妙な共同生活を始めたオーガスティンは、長い探査任務を終えて地球へ戻ろうとする宇宙船乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)らの通信をキャッチ。クルーたちに地球の惨状を伝えようと、極寒の地で奔走する。

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 作家リリー・ブルックス=ダルトンの著書「世界の終わりの天文台」を原作に、極限状態のサバイバルと並行して、一人の男の内面に迫る詩的なSF大作。宇宙空間では危険な船外活動が、地球では極寒の地におけるサバイバルが展開するが、撮影もハードだったようだ。

 見ているだけで凍える北極のシーンは、アイスランドで撮影された。ジョージは「南極とか北極には行けなかったからね(笑)。行ける範囲で一番近かったのがアイスランドだった。10月の時点で零下30~40度近くあったから、十分に寒かったよ」と笑顔で振り返る。「おかげで(映画の)スケール感を表現することができた。この映画は小さくて親密な物語だけど、その背景に広がるパレットは壮大なんだ。それを見せる為には、アイスランドの情景と天候の全てが必要だった」

 ジョージふんするオーガスティンは、過去に起因する罪悪感を抱えて生きる、孤独な初老男性。時折みせる疲れ果てた表情は、ジョージのイメージとはかけ離れているが、本人は「そこまでかけ離れてはいないよ。僕も年を取ってきているからね」と苦笑。「僕ももうすぐ60歳だよ。そういうもの(年齢)はどんどんやってきてしまうもの。打つ手立ては何もないんだ」と語る。

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 「僕が演じるキャラクターは、後悔の念でいっぱいなんだ。年を取ると、何かを償いたくても償えないし、取り戻すこともできないもの。その状態は人を機能不全に陥らせる。この物語が好きなのは、そうした贖罪を深く必要としている男が、それを見つけるところだ。今は、みんなが(コロナ禍で)感情的に枯渇している。だからこそ、映画には希望がなければいけないと思った。人類の努力は価値あるものなんだとね。それがこの物語の美しさだ。希望はあると、誰もが思い出させることが大切だと思ったんだ」

 これまで「大抵は小さい映画を作ってきた」というジョージにとって、人の内面に迫る作品でありながら、大規模な撮影に挑むチャンスをくれたNetflixとのタッグは、貴重なものだったという。本来は大きなスクリーンで鑑賞することを想定していた本作だが、ジョージは「今は学校や教会に行っちゃダメなのに、『僕の映画は映画館で観てね』とは言えないよ。だから、僕たちとしてはNetflixと組んでこの作品を作れたことは、本当に本当に運に恵まれていたと思っているよ」と語った。

 本作を手掛けるにあたってジョージにインスピレーションを与えたのが、滅亡する世界を淡々と描いたスタンリー・クレイマー監督の名作SF『渚にて』(1959)。「これは現代版『渚にて』だなって思ったんだ」というジョージは、同時に『ミッドナイト・スカイ』に込めたメッセージをこう語る。「『渚にて』では誰も勝たない。愛を見つけても、もう遅すぎる。自分の運命を見つけても、もう遅すぎるんだ。でも『ミッドナイト・スカイ』には希望がある。生きるに足るだけの、戦うに足るだけのものはある、と言っているんだ。気候変動であれ、核であれ、パンデミックであれ、すべては人の手で引き起こされた。つまり、人類が回避することもできるものだ。僕らは、僕ら以外の誰をも責めることはできない。そういう意味でこれは、警鐘を鳴らす物語でもあるんだ」。(編集部・入倉功一)

Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』はNetflixで独占配信中

氷に閉ざされた世界で、危機一髪の脱出劇!Netflix映画「ミッドナイト・スカイ」本編映像 » 動画の詳細
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