25年ぶり「笑の大学」開幕直前！内野聖陽＆瀬戸康史、丁々発止のバトル
25年ぶりの再演となる三谷幸喜作・演出の舞台「笑の大学」のフォトコールが7日、PARCO劇場で行われ、三谷と出演者の内野聖陽、瀬戸康史が開幕に向けコメントを寄せた。
1996年に西村雅彦と近藤芳正の出演、山田和也の演出により青山円形劇場で初演、1998年にPARCO劇場でアンコール公演が行われてから25年ぶりの再演となる「笑の大学」。物語の舞台は、戦時色が濃厚になる昭和15年。警視庁検閲係・向坂睦男（さきさか・むつお）に内野聖陽、劇団「笑の大学」座付作家・椿一（つばき・はじめ）に瀬戸康史がふんし、警視庁の取調室で2人の舌戦が展開する。非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。
「ロミオとジュリエット」のパロディ戯曲「悲劇 ジュリオとロミエット」の検閲を受ける椿に、向坂は「設定を日本に置き換え、登場人物もすべて日本人にすること」と要求。椿は「ロミオとジュリエット」を「金色夜叉」の貫一とお宮に置き換えて再度検閲を受け、向坂は「お国のため お国のため お国のため」というセリフを追加するよう要求する……といった攻防戦が繰り広げられる。
7日間の物語のうち、この日行われた40分間のフォトコールでは5日目と6日目を公開。「向坂の家で保護していたカラス・武蔵に逃げられた奥さんのため、椿はジュウシマツの雛をプレゼントする」「椿は貫一とお宮のキスを邪魔する役で台本に警官を登場させるが、向坂はその登場の仕方に必然性を感じないため納得がいかない。向坂は、警官が泥棒を追っていることにしてはどうかと提案する」「実際に貫一とお宮を2人で演じてみる向坂と椿。向坂の提案によって台本がより面白くなっていき、椿は向坂の中にある笑いの才能に気が付く」などの場面。
作・演出の三谷は「『笑の大学』は僕にとって思い入れのある作品です。登場する劇作家は僕の理想像。そんな『笑の大学』が25年ぶりに再演。感無量です」と感慨をにじませ、「演じる役者さんは、今、僕がもっとも信頼している二人。内野さんは、ああ見えてとても繊細。瀬戸さんは、ああ見えてとても大胆。年齢も個性も全く違う二人が、丁々発止とやりあう2時間弱の演技バトル。一秒たりとも飽きるところがありません。作った本人が言っているのですから、間違いない」と自信を見せる。
向坂役の内野は「稽古をしていくうちに、表に見えてない部分が大切だなぁと感じるようになりました。三谷さんは僕らの芝居を見ながら、今回の二人にしか出せない面白さを探してくださって、僕らに合わせて現場でセリフがどんどん変わっていくのが嬉しく感じました」とコメント。共演の瀬戸に「瀬戸くんとはセリフの掛け合いが日々面白くなり、信頼関係もバッチリできたように思っています」と信頼を寄せている。
椿役の瀬戸も約1か月の稽古期間を振り返り「今まで関わってきたどの作品よりもあっという間」だったと言い、「初共演の内野さんとは、最初はお互い様子を伺いつつ話をしたり、ストレッチしながら台詞を合わせたり。そして稽古を通じて距離を縮めていき、今では、大変な時も楽しい時も共に味わった大切な相棒……だと勝手に思っています（笑)」と内野と関係を築き上げたようだ。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「笑の大学」は、2月8日からの東京公演を皮切りに、新潟、長野、大阪、福岡、宮城、兵庫、沖縄で上演される。公演スケジュールは下記の通り。（編集部・石井百合子）
東京公演：2月8日(水)-3月5日(日)＠PARCO劇場
新潟公演：3月10日(金)-3月12日(日)＠りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館劇場
長野公演：3月17日(金)-3月19日(日)＠まつもと市民芸術館主ホール
大阪公演：3月23日(木)-3月26日(日)＠サンケイホールブリーゼ
福岡公演：3月30日(木)-4月2日(日)＠キャナルシティ劇場
宮城公演：4月6日(木)-4月9日(日)＠仙台電力ホール
兵庫公演：4月13日(木)-4月16 日(日)＠兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
沖縄公演：4月20日(木)-4月21 日(金)＠那覇文化芸術劇場なはーと大劇場
