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『SPY×FAMILY』ボンド役・松田健一郎、低迷期に運命的な出会い

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』よりアーニャ(声:種崎敦美)、ボンド(声:松田健一郎)、ヨル(声:早見沙織)
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』よりアーニャ(声:種崎敦美)、ボンド(声:松田健一郎)、ヨル(声:早見沙織) - (C) 2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C) 遠藤達哉/集英社

 人気テレビアニメ『SPY×FAMILY』で、主人公が結成するフォージャー家の一員である犬のボンドを演じている松田健一郎。犬の鳴き声を感情豊かに表現し、思わず頬の緩むような愛らしいキャラクターとなっている。ナレーションとしても本シリーズに参加している松田だが、出演が決まるまでは「オーディションに落ちまくって、だいぶいじけていて(苦笑)。もう潮時かな……と思っていた時期」だったという。現在、初の映画化作品となる『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が公開中の松田が本シリーズで得たかけがえのない経験や、役づくりの裏側などを語った。

【画像】江口拓也、早見沙織、松田健一郎らが3番勝負!

悩んでいた時期に出会った『SPY×FAMILY』

 遠藤達哉の漫画をアニメ化し、超一流のスパイである〈黄昏〉ことロイド・フォージャー(江口拓也)が、超能力少女のアーニャ(種崎敦美※崎は「たつさき」が正式)、殺し屋のヨル(早見沙織)、予知能力のある犬のボンドと仮初めの家族となり、トラブルの数々を解決していく姿を活写する本シリーズ。テレビアニメのSeason 1は、2022年4月にスタート。今年の10月からはSeason 2が放送となり、結束力と絆を深めるフォージャー家が視聴者を魅了した。

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 松田は初めにナレーションとしてSeason 1の第1話から参加した。出演までの道のりを振り返り、「その当時の僕は、オーディションに落ちまくっていて。レギュラーも終わってしまって、もう潮時かな……なんていじけていた時期」と苦笑い。「そんな頃に事務所から電話がかかってきて、“SPY×FAMILYのナレーションに決まりました”と。すでに原作コミックが話題になっていたので、僕もいつかアニメ化もするんだろうなと思っていました。“SPY×FAMILYって、あのSPY×FAMILY!? 参加できちゃうの!?”と、ものすごくうれしかったです。僕自身にとっても大きな出来事になったような気がしています」と特別な感激があったという。

 さらに「最初はナレーションのみというお話だったんですが、トレーラー(予告編)を録りにいったらスタッフの方から“松田さん、実はこの作品に白い犬が出てくるんです。それも松田さんにお願いしたいと思っています”と言っていただいて。“よろしくお願いします!”と二つ返事でした」と第13話からはボンド役としても参加。「それまでは僕がボンドを演じるということは世間に秘密にしていなければいけなかったのでソワソワしていましたね。“秘密を持っている”というフォージャー家の姿を、地で行っているような感じでした」と楽しそうに話す。

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ボンドの声は“おじさん”寄りに

 ボンドは、軍事研究の実験体として劣悪な環境に閉じ込められていた犬で、アーニャと運命的な出会いを果たしたことでフォージャー家に迎えられた。ボンドのセリフは「ボフ」という犬の鳴き声がベースでありながら、そこには実に多彩な感情やアイデアが込められている。

 登場回のアフレコに行く前は「大型犬の動画を観て鳴き声を研究して、リアル寄りの犬の鳴き声を練習していた」そうだが、「実際に現場に行ってみると“リアルではなく、もうちょっと人間のおじさんっぽく”というディレクションをいただいて。ボンド自身もおじさん犬なので、おじさんっぽく『ボフ』を言うことでボンドが出来上がっていきました」と役づくりを回想。

 さらに「台本に書かれていることを守りながら、自分なりの『ボフ』を入れてみることもあります。本シリーズの現場は、いろいろなことを試させてもらえる環境で。自由に演じさせていただけて、役者としては非常にありがたいです」と感謝しながら、「(Season 1・第21話で)アーニャが大切にしているペンギンのぬいぐるみに嫉妬したボンドが『アーニャとった』という場面では、思い切って人間っぽくセリフを発してみたこところOKをいただけて(笑)。“これがOKならば、いろいろ試していいんだ”という発見がありました。(Season 2・第27話で)ボンドが『万事休す』というシーンも、スタジオで笑いが起きていました」と伸び伸びと演じられる環境も、表情豊かなボンドが生まれる一因のようだ。

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 「ボフ」にあらゆる感情を込めることには、「“うれしいよー!”という時には『ボフーン!』となりますし、“悲しいな……”という時には『ボフッフ……』となったりする。人間を演じる時と同じで、感情を作って音として出すだけです」と実演を交えながら、「“こういう感情の時は、こういうボフかな”と家で練習してみることもあります」と研究にも余念がない。

ボンドとアーニャは最高のバディ

この後、アーニャが大変な事態に……

 フォージャー家を演じる声優陣とも息の合った掛け合いを見せている。松田は「江口くんは、さっきまでロイドとして話していたかと思うと、スッと〈黄昏〉として心の声を発したりと、〈黄昏〉モードとロイドモードの切り替えがすごい。ヨルやアーニャに優しい言葉をかける時には、どちらでもない本当の彼の姿が見えるようなセリフ回しになったり、江口くんのキャラクターの解釈は本当にすばらしいと思います。ヨルを演じる早見さんは、ふわっとした雰囲気を保ちつつ、実は〈いばら姫〉という最強の存在であることをきちんとお芝居に反映している。たまにアフレコで早見さんを見ていると、ヨルっぽいなと感じる瞬間があるんです。またヨルが酔っ払った時のお芝居も絶妙ですよね」と彼らの演技を大絶賛。

 「種崎さんが演じるアーニャを見ていると、“よくこんなに面白いことを思いつくものだな”といつも驚きます。収録中も笑いをこらえるのが大変なほど。アドリブを求められることもよくありますが、それに対しても種崎さんはものすごく面白いお芝居で返される。本当にすごいです」と続け、大いに刺激を受けているようだ。

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 そして「ボンドの未来予知の力を活かせるのはアーニャしかいない。アーニャとボンドはお互いをフォローし合える存在であり、最高のバディ。きょうだいのような存在でもあると思います」と分析する松田。初めて全員での家族旅行へと出かけたフォージャー家が、世界の命運を左右するハプニングに巻き込まれていく姿を描く劇場版でも、アーニャ&ボンドの名コンビぶりが炸裂する。

 松田は「劇場版ではボンドも一緒に旅行に連れて行ってもらえました。終始ボンドはアーニャの隣でうれしそうにしています。はしゃぐアーニャに付き添って、ボンドも一緒に遊んだりしているので“ボンド、幸せそうだな”と。アーニャのために必死に戦う場面もあります」とにっこり。「劇場版は、原作の遠藤先生が監修に入られているので『SPY×FAMILY』らしさがたっぷりと盛り込まれています。フォージャー家は皆思い込みで突っ走るのが特徴で(笑)、劇場版でも彼らが突っ走った結果として事件が大きくなっていったり、それが家族の絆を深める要因にもなっていく」と話しながら、「クライマックスでは空中戦も描かれます。『SPY×FAMILY』らしさがありつつ、劇場版らしいスペクタクルを感じられる作品になっていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです」とアピールしていた。(取材・文:成田おり枝)

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