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ジョシュ・ハートネット独占インタビュー

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ジョシュ・ハートネット インタビュー
『O』
製作年: 2001年
製作国: アメリカ
日本公開: 12月22日 (ネマスクエアとうきゅう他全国)
上映時間: 1時間35分
配給: ギャガ・ヒューマックス

シェークスピア悲劇の代表作「オセロー」の舞台を現代アメリカの高校に移しかえて青春時代の痛み、歪み、過ちを刺激的に描き出した問題作。
ティーン・アイドルから注目度ナンバー1スターへ

 『パール・ハーバー』は期待通りの成功を収めなかったが、主役の一人を演じた ジョシュ・ハートネットが、この作品によって一躍スターの仲間入りを果たした のは明らかだ。 今後も新作が続々と控えるハートネットだが、彼自身は今の成功を冷静に見つめ ているようで、何かに溺れて自分を見失うことはないと断言する。  そんな彼が『パール・ハーバー』以前に出演した3作品が公開される。「オセ ロ」の現代版『O』、家族の再生ドラマ『シャンプー台のむこうに』、そして疾 走感あふれる15分の短編『メンバー』。まだヒョロとした印象のハートネット が、等身大の演技で若者の苦悩を見事に表現している。ブレイク前の彼を知らな いファンには、絶好の機会となるだろう。

『パール・ハーバー』後、いい映画をやるチャンスが以前より増えたかもしれない。

最新作『ブラック・ホーク・ダウン』プレミアにて

『パール・ハーバー』を成功と呼ぶか、失敗と呼ぶかは、人によって意見が分か れる。製作費150億円をかけたとされる超大作は、製作したディズニーをはじ め、業界全体が“第2の『タイタニック』”になるかと期待していた。しかし、 公開直後に各紙に出た批評家の意見は、そのほとんどがネガティヴなもの。興行 的にも、9月半ば現在までで、全米でかろうじて200億円ほどを確保するにと どまった。海外からの収益を考えると決して赤字ではないのだが、公開前の話題 性があまりにも高かったことが災いして、この作品を大成功と見る人は少ない。

それでも、主演の1人、ジョシュ・ハートネットが、この映画から得た恩恵は 大きかった。『パラサイト』『愛、ここにありて』『ヴァージン・スーサイズ』 など次々と話題作に出演したハートネットは、すでに10代の女の子のハートをし っかりつかんでいたものの、『パール・ハーバー』で初めて映画業界以外の大人 たちにもその名を知られるようになるのである。しかし、新作『O』について語 るため、ロサンゼルス近郊のマリナ・デル・レイにあるリッツカールトンホテル に訪れたハートネットは、『パール・ハーバー』が彼の人生に与えた影響につい ては、あまり大げさに語りたがらない。  

「『パール・ハーバー』が全米公開される前後、僕は『ブラックホーク・ダウン』の撮影でモロッコにいたんだ。だから、メディアの大騒ぎとはほとんど関係なく過ごすことができた。僕の置かれている状態は、確かにあの映画の前と後と では、同じではないし、いい映画をやるチャンスも以前より増えたかもしれな い。でも、その前から僕はわりといい機会に恵まれてきたからね」

あまりの悲劇に、圧倒されてしまった。とても悲しいこと事件だったね

『パール・ハーバー』で有名になった若手スターが次回作ではどう出るか、多く が注目するのは当然だが、実は『O』は『パール・ハーバー』よりも先に撮影された作品だ。本来、昨年夏に公開されるはずだったのがここまで延びたのは、ア メリカを震感させたコロンバイン高校での悲劇が、ちょうど公開の直前に起こっ たためとされる。公開を待つだけの完成作が突然延期になったのは、監督のティ ム・ブレイク・ネルソンはもちろん、当時は無名だった新人スターのハートネッ トやジュリア・スタイルズにとっても残念だったに違いない。

「あの事件を聞いた時には、自分の映画のことなんて1ミリも考えなかったさ。 あまりの悲劇に、圧倒されてしまった。とても悲しいこと事件だったね」

監督のティムと、このキャラクターがあんな悲劇を起こす動機は何だったのかを 話し合った  

高校という場所で高校生同士が殺し合うことになるこの映画を、とりわけあの 事件に結び付けることを、ハートネットは好まない。もともと『O』はシェイク スピアの「オセロ」を現代の高校という舞台に置き換えたもので、ストーリーの 基本はかなり原作に忠実なのだ。

「リハーサルは、原作の『オセロ』のセリフでもやったんだ。そして監督のティ ムと、このキャラクターがあんな悲劇を起こす動機は何だったのかを話し合っ た。原作には動機までは書かれていないからね。それが俳優という仕事の面白い ところなのさ。素晴らしい素材がある。でも、この男をどう演じるかは、俳優自 身の解釈にかかっているんだ。この映画は、社会的メッセージ送ろうとするもの ではない。もしも何かメッセージがあるとしたら、相手は高校生ではなく、むし ろ彼らの両親たちに向けてのものかもしれない。自分の子供には常に愛情と注意 を向けていなくてはいけないという警告を発する意味でね」

悪への誘惑は、もちろんいつでも、どこにでもある

『O』プレミアにて共演ジュリア・スタイルズと

『O』が全米公開されるほんの数週間前に、『パール・ハーバー』の共演スタ ー、ベン・アフレックが、アルコール中毒を認め自主的にリハビリ施設に入っ た。アフレックとはオフスクリーンでも気があっていたとされるハートネットだ が、この一件に関しては口が固い。同じ時期にマライア・キャリーが精神的にダ ウンして入院したのをはじめ、他にも数名の有名人がしばらく世間から自分を隔 離している。

「今年の夏は、気の重い夏だった。僕の知り合いの多くが、辛い経験をしたか ら。ベンにいま何が起こっているのか、僕にはわからない。わかるのは、ひとり の男が大変なことを相手に闘っているということだけ。僕がとやかく言える問題 ではないし、言うつもりもないよ」

アフレックは大きな期待をかけられた『パール・ハーバー』という大作の主役 を担うことに、相当のプレッシャーを感じていたという周囲の意見もある。今 後、俳優としてより成長していくにつれて、ハートネットも、成功の裏側にある 辛さを体験する時が来るのかもしれない。それでも彼は、何かに溺れて自分を見 失ってしまうことはないと断言する。

「悪への誘惑は、もちろんいつでも、どこにでもある。でも僕には僕のことを本 気で気にかけてくれる大切な家族や昔からの友人がいる。彼らがきっと、僕が悪 いことに溺れてしまうのを許さないよ。他の俳優が何に手をつけてもそれは勝 手。ただ、自分がやっていることを自分でコントロールできている、そういう範 囲の中でやるべきだとは信じるね」

 

 

(猿渡由紀)

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