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マット・デイモン

1月22日(水) 帝国ホテルにて
取材・文 竹内詠味子

新作のスパイ・アクション、『ボーン・アイデンティティ』の公開を控え、主演のマット・デイモンがプロモーションのため来日した。彼が演じるのは、一切の記憶を失いながら、肉体だけが驚くべき戦闘能力を覚えていた男、ジェイソン・ボーン。これまでのスパイ映画とは一味違った、新世代の感覚が注目だ。今回が初めての来日となるマット・デイモンは、大勢のマスコミの前でも笑顔を絶やさず、さわやかな記者会見となった。


デイモン(以下MD):こんにちは。初めての日本で、とても興奮しているんだ。日本には、自分が誇りに思う作品を持って来たいと思っていたんだ。この映画を楽しんでもらえればうれしいよ。


Q:今回、ジェイソン・ボーンの役を演じて、どのようなことを学びましたか?また、この役を引き受けた理由を教えて下さい。


MD:俳優として、記憶を失った人間を演じるのはひとつの挑戦だったんだ。記憶を失っていても、立ち方や歩き方などは覚えてて、鍛えられた肉体を持っている、という片鱗を見せなくてはならなかったんでね。それは非常に学ぶことの多い経験だったよ。特にこの映画は、最初はいい人間だと思っていた主人公が、次第に暴かれていくストーリー展開が、とても面白いと思ったし。これまでアクション映画に出演しなかったのは、どれもありきたりに思えたからなんだ。だけど今回は、シナリオがとてもよく出来ていて、インディーズ出身のダグ・リーマン監督なら、ほかとは違う映画を作るという予感があったんだ。


Q:役を選ぶとき、『オーシャンズ11』のような大作とインディーズ作品とでは、どちらが好きですか?


MD:自分をどちらかに限りたくなんだ。『オーシャンズ11』の後、ガス・ヴァン・サント監督と一緒に、『ジェリー』という小さな作品を作りをしたんだけど、シナリオも無く、即興的な映画だった。ジャンルや予算に関わらず、シナリオに心を打たれるかどうか、そして監督で判断するんだ。毎日、朝起きてオフィスに行く、というサラリーマン的な俳優にはなりたくないと思ってるからね。


Q:今回の撮影で、最も大変だったシーンはどこですか?


MD:アパートでのファイト・シーンです。武道やフィリピンのカリ、ボクシングでトレーニングしましたが、あのシーンはとても複雑で、6週間かけてリハーサルをしたんだ。相手はフランスのプロのキックボクサーで、僕はただの俳優だから、綿密なトレーニングを重ねたんだ。最初はゆっくり、次第にスピードを上げ、最後にはフルスピードでアクションをしていったんだ。この映画のスタント・コーディネーターは、『グラディエーター』などを担当した人。普通のハリウッド映画では、パンチをするとき18インチ離して打っても、カメラが正しい位置にいれば本当に打っているように見えるんだけど、彼にはギリギリに打つように言われたんだ。相手の人に「もし当たったら、1発につきシャンペン1本」と約束したら、1日目に1ケース贈ることになってしまったんだ。


Q:役作りでボクシングのトレーニングをしたそうですが、撮影後も続けていますか?


MD:ボクシングは続けているよ。トレーナーがロスに住んでいて、僕はニューヨークに住んでいるから、ロスに行くときは彼とボクシングをするんだ。ニューヨークでは、長距離を走ってるよ。映画俳優のいい点は、仕事で学んだことが身についてくること。ボクシングはそのひとつで、とても気に入って続けているよ。


Q:また、カーチェイスのシーンも迫力があります。このシーンでは何かエピソードがありますか?


MD:6~7年前に、ロバート・デ・ニーロが出演した『RONIN』に素晴らしいカーチェイスのシーンがあって、リーマン監督はあの時と同じフランスのチームに頼んだんだよ。カーチェイスといっても、007のように高級車にロケットを積んだようなものではなくて、一番小さくてぼろぼろの車だけどね。ジェイソン・ボーンが、小さな車の利点を活かし、頭を使って切り抜けていく。ベスト・チームを呼んで、娯楽性とともに人間性のあるアクションを作り上げたんだ。


Q:撮影はヨーロッパの各都市で行われていますが、印象に残る場所は?


MD:どの都市もすばらしかったけれど、撮影の面で言えば、プラハがやりやすかった。映画の撮影隊が来れば、ビジネスになるから、とても協力的でした。でも、パリはすでに観光客で潤って、ビジネスは必要ないから、6週間も前から撮影許可を取って、細かい状況を提出しなくてはならなかったんだ。でも、美しさではパリにかなう場所はないと思ったね。


Q:フランカ・ポテンテの出演には、何か意見を出したのですか?共演の感想は?


MD:フランカは素晴らしい女優だ。僕もキャスティングに口を出す権利はあるのだけれど、監督が選べば僕は「はい」と言うだけ(笑)。舞台がヨーロッパなので、アメリカの女性が登場するよりもヨーロッパの女性のほうが自然だと思った。また、この映画にはリアリズムというのが重要で、例えば007に出てくるようなモデルのような女性ではなく、フランカは、美人な上に存在感や生活感、知性もあり、この映画にふさわしい人だと思ったよ。


Q:この作品には続編の話はあるのですか?もしあれば、また出演をするつもりですか?


MD:続編はまだ決まっていないんだよ。この映画はとても気に入ったし、ジェイソンのキャラクターも気に入っている。ディテールがとてもリアルだからね。アメリカの映画では、銃を捨てたら、もっと大きな銃を取って撃ちまくるのが普通だけど、この映画では、ジェイソンはカーチェイスの前に銃を捨てて地図を手にする。これは実は理に適った行動で、非常にリアルだと思ったよ。そういった線が活かされている続編ならば、やる気はあるよ。観客はとても賢いので、本当に価値のある素材かどうか分かっているはずだし、その点をよく見極めたいと思っているよ。


Q:現在、脚本は書いているのですか?また、今後製作や監督の仕事をする予定はありますか?


MD:書くことに興味があるんだ。映画だけでなくいろいろな分野にも挑戦している。ここ数年間では、ロンドンの舞台に出演した。いつもベン(アフレック)と、またシナリオを書こう、と言っいる。2人とも忙しくて、なかなか実現しないけど、この数年のうちには、本当に2人で書きたいと思っています。監督は、もちろんいつか挑戦したいな。第一作でほかの人の脚本を台無しにしたくはないから、自分の脚本で。プロデュースにも興味はあるよ。今、ミラマックスではウェブサイトにシナリオを投稿するプロジェクトがあって、新しい才能を育ているんだ。僕もそこで、シナリオを読んでるんだ。


Q:ちなみに、ケビン・スミス監督の作品には、今後永遠にカメオ出演するつもりですか?


MD:そうだね(笑)。それから、ベンとジェニファー・ロペスの映画『ジャージー・ガール』にも、カメオで出ているよ!

 

 

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