シネマトゥデイ


第75回米アカデミー賞授賞式が、23日(日本時間24日午前10時30分)からハリウッドのコダック・シアターで行われ、『シカゴ』が作品賞を含む最多6部門を受賞した。宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』も最優秀長編アニメ映画賞を受賞した。受賞が危ぶまれていたロマン・ポランスキーも見事『戦場のピアニスト』で監督賞に選ばれた。
Kevin Sullivan/KRT

一時は開催が危ぶまれた第75回アカデミー賞
 不安定な世界情勢の中、一時は開催が危ぶまれた第75回アカデミー賞授賞式だが、3月21日に米アカデミー協会は開催を決定し、厳重な警備の元(写真上)予定通り3月23日(日本時間:24日午前)ハリウッドのコダックシアターで開催された。例年になく欠席者の目立った授賞式だった。特に『過去のない男』で外国語映画賞にノミネートされていたアキ・カウリスマキ監督などはアメリカのイラク攻撃に抗議し欠席。プレゼンターとして招待されていたウィル・スミスやケイト・ブランシェットもこの時期に祭典のようなものには出ることができないと欠席。『千と千尋の神隠し』のスタジオジブリ鈴木プロデューサーも同様の理由で欠席した。

過激な反戦スピーチも飛び交う
 そんな中、受賞者のスピーチは反戦を訴える内容も多く特に最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞したマイケル・ムーア監督はブッシュ大統領を名指しで批判した。『戦場のピアニスト』で最優秀主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディは『戦場のピアニスト』は生き抜くことをテーマにした作品であり、現在クウェートにいる友人にも生き抜いて戻ってくるよう訴えたのも印象的だった。

意外(?)な授賞者たち
 また、今回の受賞者、作品は大方の前予想から外れる意外性を感じさせるものも多かった。最優秀長編アニメーション賞を受賞した『千と千尋の神隠し』は、もちろんアメリカでの評価は高かったのだが、ディズニーが『トレジャー・プラネット』と『リロ&スティッチ』の宣伝に力を注いでいるため受賞はないのでは・・・と囁かれていた。また、最優秀歌曲賞を受賞した『8Mile』のエミネムも歌詞に汚い言葉が多いためアカデミー賞のプロデューサーが彼のアカデミー賞出席を懸念していたという噂もあった。一番意外だったのは、国外逃亡中扱いのロマン・ポンキーは犯罪者扱いで、受賞はありえないだろうと言うのが大方の予想だったのに反し、『戦場のピアニスト』で見事最優秀監督賞を受賞した。

第75回アカデミー賞ノミネートはこちら

 最優秀作品賞 『シカゴ』

ロブ・マーシャル(プロデューサー) :「ここまで来るのは長い道のりでした。キャストやスタッフは信じられないような想像力を持っていて私をここまで導いてくれました。ありがとう」


ストーリー: 1920年代のシカゴ。平凡な日常をくり返すロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)の憧れは美しいスターのヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)だった。ある日、2人の運命の歯車が狂いだす。ロキシーとヴェルマはそれぞれ別の殺人事件の容疑者として逮捕されてしまうのだ。

■スタッフ■監督: ロブ・マーシャル/ 脚本: ビル・コンドン /原案: ボブ・フォッシー
■キャスト■レニー・ゼルウィガー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/リチャード・ギア
日本公開: 4月19日(丸の内プラゼール他全国松竹系)配給: ギャガ・ヒューマックス共同配給

 最優秀監督賞 ロマン・ポランスキー『戦場のピアニスト』

(C)FOCUS FEATURES. CR: GUY FERRANDIS.

ロマン・ポランスキー:授賞式欠席


ストーリー: 1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。

■スタッフ■監督・製作: ロマン・ポランスキー/製作: アラン・サルド / ロベール・ベンムッサ
脚本: ロナルド・ハーウッド
■キャスト■エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/フランク・フィンレイ
日本公開:2月15日(日劇1他全国東宝洋画系) 配給: アミューズピクチャーズ

 最優秀男優賞 エイドリアン・ブロディ『戦場のピアニスト』

(C)GUY FERRANDIS/H&K. CR: GUY FERRANDIS/H&K .

エイドリアン・ブロディ:「名前を呼ばれた時も自分のことだとは思えなかったよ。なんだか自分でも納得出来ていないんだ。このようなチャンスを与えてくれたポランスキーには本当に感謝するよ。この映画は実話に基づいていて、シュピルマンが戦争の中を生き延びたからこそ実現した話なんだ。この映画でも表現しているけど、戦争は非人道的だ。神を信じていようが、アラーを信じていようが一刻も早く今の戦争が解決することを祈っているよ。今クウェートで戦っている僕の友よ、生きて帰って来てくれ」

ストーリー: 1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。

■スタッフ■監督・製作: ロマン・ポランスキー/製作: アラン・サルド / ロベール・ベンムッサ
脚本: ロナルド・ハーウッド
■キャスト■エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/フランク・フィンレイ
日本公開:2月15日(日劇1他全国東宝洋画系) 配給: アミューズピクチャーズ

 最優秀女優賞 ニコール・キッドマン『めぐりあう時間たち』

(C)PARAMOUNT PICTURES / MIRAMAX FILM CORP. CR: CLIVE COOTE.

ニコール・キッドマン:「ありがとう……本当になんて言っていいのかしら…言葉が出ないの。どうしよう…(涙)。なぜ、こんな時期にアカデミー賞なの? って思ってらっしゃる方もいるかもしれないけど、芸術はとても重要なことなの。私は自分が出来ることを、自分を信じて自分の仕事をしていきたいわ。今、世の中は色々な問題があるけど、どうぞ神の御加護がありますように……」

ストーリー: 時を超えて三つのパーティが開催されようとしていた。一つは1923年イギリスのサセックス、執筆中のヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)によって。もう一つは1949年ロサンゼルスで、妊婦のローラ(ジュリアン・ムーア)が夫のために。最後は、2001年ニューヨーク、エイズで死に行く友人の作家ために編集者のクラリッサ(メリル・ストリープ)が……。共通点は小説の「ダロウェイ夫人」だった。。

■スタッフ■監督: スティーヴン・ダルドリー/原作: マイケル・カニングハム/脚色: デイヴッド・ヘア
■キャスト■ニコール・キッドマン/ジュリアン・ムーア/メリル・ストリープ
日本公開:5月17日(丸の内ピカデリー2他全国松竹・東急系) 配給: アスミック・エース エンタテインメント

 最優秀助演男優賞 クリス・クーパー『アダプテーション』(原題)

(C)COLUMBIA PICTURES. CR: BEN KALLER.

クリス・クーパー:「僕のいままでの仕事の中で一番素晴らしい仕事だった。まるで素晴らしいジャズミュージックを奏でているようだったよ。今、世界は色々とあるけど心から平和を祈るよ」

ストーリー: 幻の蘭をクローン栽培しようと考える蘭コレクターと彼を追う女性ルポライター、そしてその2人の物語で映画を考える脚本家のおかしな人間ドラマ。

■スタッフ■監督:スパイク・ジョーンズ/原作:スーザン・オーリアン/脚本:チャーリー・カウフマン
■キャスト■ニコラス・ケイジ/メリル・ストリープ/クリス・クーパー
日本公開:未定 配給:アスミック・エース

 最優秀助演女優賞 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ『シカゴ』

(C)MIRAMAX. CR: DAVID JAMES.

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ:「本当に嬉しいの! どうしたらいい? 感動しちゃったわ……! 素晴らしい女優さん方と一緒にノミネートされて、とても光栄に思っているわ。私の息子のディロン! 家でテレビを観てる? それから私の愛する夫とこの喜びを共有したいわ! ありがとう」

ストーリー: 1920年代のシカゴ。平凡な日常をくり返すロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)の憧れは美しいスターのヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)だった。ある日、2人の運命の歯車が狂いだす。ロキシーとヴェルマはそれぞれ別の殺人事件の容疑者として逮捕されてしまうのだ。

■スタッフ■監督: ロブ・マーシャル/ 脚本: ビル・コンドン /原案: ボブ・フォッシー
■キャスト■レニー・ゼルウィガー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/リチャード・ギア
日本公開: 4月19日(丸の内プラゼール他全国松竹系)配給: ギャガ・ヒューマックス共同配給

 最優秀脚本賞  『トーク・トゥ・ハー』

(C)SONY PICTURES CLASSIC. CR: PETER LINDBERGH.

ペドロ・アルモドバル:「平和のため、民主主義のため、国の正当性をかけて戦っている人にこの賞を捧げます」

ストーリー: 看護士のベニグノ(ハビエル・カラマ)は、昏睡状態のアリシア(レオノール・ワトリング)を4年間親身に世話し、語りかけてきた。一方、競技中の事故で昏睡に陥った女闘牛士の恋人マルコ(ダリオ・グランディネッティ)は悲嘆にくれるばかり。互いに似た境遇の2人は、やがて厚い友情を育んでいく。

■スタッフ■監督・脚本: ペドロ・アルモドバル /製作総指揮: アグスティン・アルモドバル
■キャスト■レオノール・ワトリング/ハビエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ
日本公開:5月(テアトルタイムズスクエア他)配給: ギャガ・コミュニケーションズ


最優秀脚色賞 『戦場のピアニスト』

最優秀編集賞 『シカゴ』

 最優秀撮影賞 『ロード・トゥ・パーディション』

 最優秀作曲賞 『フリーダ』

 最優秀歌曲賞 『8Mile』

 最優秀音響編集賞 『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』

最優秀音響賞 『シカゴ』

最優秀視覚効果賞 『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』

最優秀衣裳デザイン賞 『シカゴ』

最優秀メイクアップ賞 『フリーダ』

最優秀美術賞 『シカゴ』

最優秀短編ドキュメンタリー賞 『ツイン・タワーズ』

最優秀短編実写映画賞 『ディス・チャーミング・マン』

最優秀長編アニメーション賞 『千と千尋の神隠し』

最優秀短編アニメーション賞 『チャブチャブス』

最優秀外国語映画賞 『名もなきアフリカの地で』

名誉賞 ピーター・オトゥール
 最優秀長編ドキュメンタリー賞 『ボウリング・フォー・コロンバイン』

マイケル・ムーア:「僕はノンフィクションが好きです。でも今時代は違う。ニセモノの情報が溢れている。ニセの選挙でニセの大統領が選ばれました。ブッシュ! 戦争をやめろ! 戦争反対!」

ストーリー: 「なぜコロンバイン事件が起きたのか?」、「なぜ銃犯罪が多発するのか?」、「こんなアメリカに誰がした?」ジャーナリスト、マイケル・ムーアが、核心を突く究極の疑問をロック歌手からライフル協会会長、大統領にまで投げつける!

■スタッフ■監督・脚本: マイケル・ムーア /製作総指揮: ウォルフラム・ティッチー
■キャスト■マイケル・ムーア/チャールトン・ヘストン/マリリン・マンソン
日本公開:公開中(恵比寿ガーデンシネマ他全国)配給: ギャガ・コミュニケーションズ

 

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