シネマトゥデイ

あずみ記者会見


  取材・文/渡邊ひかる


現在単行本が28巻まで発売され、計800万部以上を売り上げている小山ゆうの同名人気コミックをもとに、戦乱の世で刺客として生きる美少女の活躍と悲哀を描いたアクション時代劇『あずみ』。ダイナミックかつ壮絶な殺陣シーンやヒロインのあずみを演じる人気アイドル・上戸彩の好演が話題の同作がついに完成し、北村龍平監督、上戸をはじめ、敵役のオダギリジョー、あずみの師匠役・原田芳雄らスタッフ、キャスト10名が記者会見を行った。

山本又一朗プロデューサー:『あずみ』は映画化したいと数年間思い続けていたにもかかわらず、なかなか実現できなかった作品です。ですが、北村龍平監督との出会いによって企画が本格的にスタートし、素晴らしいキャストを得て完成しました。私共はこの映画を日本公開のみで終わらせるつもりはありません。そんな熱い意気込みを作品から感じ取っていただければと思います。


小山ゆう:映画化に際してはすべて山本プロデューサーにお任せしてきましたし、完成に至るまでの苦労も見たり聞いたりしてきました。ですから、この日を迎えられたことを大変うれしく思っておりますし、監督をはじめスタッフ、キャストの皆さんにお礼を言いたい気持ちでいっぱいです。


北村龍平監督:小山ゆうさんは僕に多大なる影響を与えてきた方で、まさか自分が『あずみ』を映画化できるとは思っていませんでした。

しかも、僕にとっては伝説的な人物である山本プロデューサーや原田芳雄さん、そして間違いなくこれから伝説を作っていくであろう若いキャストたちと一緒に映画を作れたことをうれしく思っています。上戸彩さんの起用に関してはなかなか山本プロデューサーが首を縦に振ってくれなかったんですが、僕は1年近くもの間、あずみを演じられるのは彼女しかいないと言い続けてきました。

そして、ある時『3年B組金八先生』を見た山本プロデューサーが、いきなり「彼女しかいないよ!」と言い始めたんです(笑)。そこからは怒涛の勢いで企画が進みました。今回の撮影で、僕が口癖のように言っていたのは「只事じゃない映画を撮りたいんだ」ということです。それを実現させてくれたスタッフ、キャスト、プロデュース・チームに感謝しています。


上戸彩:今日の朝、完成したものを見たんですが、自分でも感動して何回か泣いてしまいました。監督と初めて会った時には怖い人だなと思ったんですが、現場はすごく明るくて、楽しい撮影になりました。

自分としては反省点もいっぱいあるんですけど、いい映画だと思いますので、いろんな人に宣伝してください。


オダギリジョー:僕は4月1日に完成版を見させていただいたんですが、2時間半という長さを感じさせないスピード感に圧倒されました。

僕の役は結構奇妙な役なので、やっている時は面白かったんですが、実際に見てみると「もうちょっと(奇妙に)やっておけばよかったかな」とも思いました。でも、監督に「これ以上やるな、これ以上やるな」と言われていたので、あれでよかったのかなとも思います。僕としては、もうちょっとやりたかった……かなと(笑)。


岡本綾:私は10人の刺客仲間たちと一緒の撮影がほとんどなくて、「漫画で描かれているような斬新な殺陣のシーンを監督はどのように撮っているんだろう?」とずっと思っていました。ですから、一昨日初めて映像で見た時に「北村監督はすごいなぁ」と心から尊敬しました。私が演じる“やえ”はすごく女の子らしい役なんですが、そういった役もこれからどんどん演じていきたいし、あずみのような鋭い役もやってみたい。この作品は、女優としての自分の進むべき道が見えた作品でもあります。


成宮寛貴:こんな素晴らしい作品に出演できて、僕はラッキーだったなと思います。そして、“うきは”役に抜擢してくれた監督に感謝しています。僕も最初に監督に会った時には怖い方だなと思ったんですが、それは違って、すごく熱のある監督だとわかりました

撮影前に監督に言われたのは「俺は生半可な映画を撮るつもりはないから、中途半端な気持ちの奴は帰ってくれ!」ということです。ですから、僕たちは必至に『あずみ』と向き合ってきました。これからも、こういう素晴らしい作品に参加できるような俳優になっていきたいと思っています。


金子貴俊:僕は普段オカマによく間違われるので、アクション映画は縁のないものだと思っていました(会場笑)。ですが、監督の「俺がお前をカッコよく撮ってやる!」という言葉が僕にやる気と夢を与えてくれましたし、そのおかげでつらい稽古にもついていくことができました。

一昨日映画を初めて見て、最初の5分で早くも泣いてしまいました。この作品で“新しい金子貴俊”というものが表現されているんじゃないかと思いますので、そういうところも是非見ていただければと思います。


石垣佑磨:僕は今朝完成版を見てきたばかりの状態ですので、興奮がまだ冷めません。僕は北村監督が大好きで、『VERSUS/ヴァーサス』を見てハマりました。僕は『あずみ』に参加したことで、役者としての自分を改めて考え直すことができました。

これからの目標は北村監督の映画にもっと出ること、そして日本の映画をもっと面白くしていくことです。監督! この度は僕を使っていただいてありがとうございました!


原田芳雄:私より30~40歳も年下の方ばかりの現場で、毎日いじめられていました(会場笑)。現場に行くのがつらくてつらくて……毎日酸欠状態でした。「もう明日はダメかな?」「もう明日はダメかな?」と思い続けていましたが、何とか怪我もなく撮影を終えることができました。最後の方は十字架に貼り付けられて、オダギリさんにつつかれて、散々な目に遭いました(笑)。本当に完成してよかったと思います。

Q:上戸さん。アクション・シーンはほぼスタントなしとのことですが、大変でしたか?


上戸:自分でアクションをすることを前提に原作を読み、「どこまで自分でやるんだろう?」と不安に思っていました。とはいえ、「スタントを使ってくれるんだろうなぁ」と甘く考えていたんです。そしたら、監督が「(スタントでなく)本人で!」「本人で!」と言ってばかりで、現場に控えていてくれたスタントの方が途中からはあずみの格好もしてくれなくなっちゃいました。アクションの1カット目からおでこを切っちゃうし、1ヶ月以上消えない大きなアザもできるし、いまだに消えない傷もいっぱいあるんですが、いい思い出だなと自己満足しています。


Q:原田さん。若い方々に囲まれての撮影はいかがでしたか?


原田:スポーツ選手と一緒で、若い人は反応の速さがいいですよね。アドリブ的なアクションにもものすごい速さで反応しますし、芝居のスピードに関してもそうです。僕の方がついていくのに必死でした(笑)。


Q:オダギリさん。最上美女丸という異様なキャラクターについて、オダギリさんの方から監督にいろいろ提案されたそうですね?


オダギリ:原作の美女丸にすごく興味を惹かれていたんですが、いいキャラクターなのに5話分くらいで死んじゃうんですよ。なので、映画で美女丸がフィーチャーされる時に、見た人が「わっ! キモチ悪っ」と思えるようなインパクトを与えたいと思ったんです。実は、僕は美女丸の衣裳やメイクはもっとキワキワな感じを予想していました。けれど、監督はあっさりした方向を望んでいたので、「あれっ、結構普通?」と思っていたんです。だから、本番直前になってから、監督に内緒でメイクを加えてもらったり。やったもん勝ちなんで(笑)。それを見た監督はちょっと止まってましたね。「ウン」としか言いようがなかったみたい。


北村監督:ジョーは勝手なんですよ。だから、実はあんまり相手にしてなかったんですけど(笑)。でも、それはお互い様で、僕も意味もなく美女丸にバラを持たせたりしましたから。美女丸っていう役は特に遊べるキャラクターだったので、いろいろ話し合いました。ただ、基本的にはカッコいい男にしたかったんです。


Q:岡本さん。ほとんど男性ばかりの現場ですが、苦労されたことはありますか?


岡本:私はこれまで同世代の男の子と共演することがあまりなかったので、楽しかったです。いつもウェルカムな雰囲気の現場だったので、「ただいま!」って現場に行くような感じでした。


Q:成宮さん。撮影前に合同トレーニング期間があったそうですね?


成宮:柔軟体操をしてから炎天下の中で意識がもうろうとするまで走らされ、それからマット運動などをし、映画に使われるアクションのほとんどをその2ヶ月間に実践しました。

皆、他の仕事の合間を縫いながら取り組んだんです。最初は皆コーラなどを持参していたんですが、それが途中からは水に変わり、最後にはポカリスエットなど、すぐに水分を吸収できるものになっていきましたね。

そのトレーニング期間が監督に役を決めてもらうためのオーディションでもあったので、誰にも負けたくないという思いで、夜中に1人で殺陣の練習をしたりもしました。すれ違い様にバサッと人を斬る練習とか。変態だと思われるだろうなぁと思いながら(笑)。

Q:金子さん。テレビなどでお見受けするキャラクターとは違った役ですが、役作りは苦労されましたか?
金子:撮影の合間につい女の子座りをしちゃうんで、「あっ! いけない、いけない」と。基本的に緊張するとオカマっぽくなってしまうので、なるべく緊張しないように心掛けました。監督からは耳にタコができるくらい「男らしく! 男らしく!」と言われ続けていましたね。一番苦労したのは、男らしさの学び方です。男らしさを学ぼうとして他の男の子たちをずっと見ていたんですけど、僕があまり見ているとヘンに思われてしまうので(笑)。


Q:石垣さん。北村監督の作品に出演することを熱望されていたそうですが、オーディションに受かった時はどんな気持ちでしたか?


石垣:やったあ! と。オーディションでは、監督と『VERSUS/ヴァーサス』の話で盛り上がっちゃって、山本プロデューサーから「オーディションだから芝居して」と言われるくらいでした。現場でも、とにかく関わっていないと気が済まなくて、あずみが“200人斬り”をするクライマックスの場面にも(斬られる役の)エキストラで出演したいって監督に言ったんです。却下されましたけど(笑)。


Q:続編が期待できる終わり方ですね。


山本プロデューサー:3本くらい作りたいなという思惑が最初からありましたし、今は「行くぞ!」という勢いです。皆さんのご支援を受けて、2作、3作と作ることができればいいですね。


Q:上戸さん。カッコいい男の子たちに囲まれての撮影ですが、誰が一番タイプでしたか?


上戸:えーっ、タイプ? 難しい質問ですね。石垣くんとは地元が同じで、普段からとてもヤンキーな石垣くんを見ているので、とりあえず彼ではないんですけど……(石垣くんコケる)。タイプはですね……いないなぁ(困)。でも、皆いい人で、成宮くんはご飯を食べに行く時に必ず誘ってくれるし……行かなかったんですけど(会場笑)。金子くんも面白くて、洋服をもらったり。皆面白くていい人たちです。
Q:北村監督。上戸さん起用の理由をお聞かせください。


北村監督:これだけ支持されているキャラクターを演じられる女の子ということで、あずみ選びには慎重になりました。僕が最初に彼女を見たのは甲子園のポスターだったんですけど、「すごくいい目をしてる女の子だな」と思ったんです。天真爛漫な中にも人を斬る痛み、悲しみを表現できるのは彼女しかいないと思いましたね。カワイコちゃんがキリッとしてるだけじゃだめなんです。撮り終えた今、やっぱりあずみは上戸彩以外にはありえなかったなと思いますし、期待に1万%応えてくれたと感じています。


Q:上戸さん。撮影中に悔しかったこと、ムカついたことはありましたか?


上戸:ムカつきはしないんですけど(笑)、撮影するのが怖いシーンばかりだったので、パニくって泣きそうな時はありましたね。でも、一番初めに監督から「10回くらいは泣かせるからな」と言われていたので、「絶対泣かない!」と決めて我慢していました。ただ、怪我した時はびっくりして自然と涙が出たし、ワイヤーアクションの時は腰が抜けちゃって涙がポロポロ止まらなかったし……いじめの撮影でしたね(会場笑)。

4月3日(木) 帝国ホテルにて

 

 

 

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