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『キング・アーサー』円卓の騎士役ヨアン・グリフィズ&監督独占インタビュー

取材:文:渡邉ひかる

ハリウッドを代表するヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマー製作の最新作『キング・アーサー』。西洋史上最大の伝説“アーサー王伝説”を斬新な解釈と共に描いた歴史スペクタクル大作の主要キャストらが来日した。そんな中、アーサー王に忠誠を誓う“円卓の騎士”の1人、ランスロットを演じたヨアン・グリフィズと監督のアントワン・フークアに話を聞くことができた。日本にも熱狂的なファンを持つ美形スター、ヨアン・グリフィズと、『トレーニング デイ』などで高い評価を得た鬼才アントワン・フークア。彼らが作品に込めた思いとは?

<ヨアン・グリフィズ>

■空港でびっくりした

Q:日本にいらしたのは初めてですよね。日本にもあなたの熱狂的なファンがたくさんいることをご存知でしたか?

今回初めて日本に来ることができたのだけれど、成田空港に到着した時、100人を超える大勢の人たちが来ていてね。僕の姿を見た途端に大きな声で叫んでくれたりして(照)、すごくうれしかったよ。あんなに多くの人たちが来てくれると知っていたら、もうちょっと髪を整えて、メイクをして、きちんとした格好で登場したんだけどな。なにせ長時間のフライトの後だったから、ボロボロだったんだよ(笑)。

Q:あなたが演じるランスロットはあまりにも有名なキャラクターですね。

ヨーロッパの誰もが知っている役を演じるのはとてもチャレンジングだったよ。でも、脚本を読んだ時、従来のランスロット像とは違うものを感じたんだ。映画のランスロットはダークな面があって、感情の起伏も激しい。その一方、強くて、地に足がついた人物でもある。彼はまさに生身のソルジャーなんだ。もちろん、周知のランスロット像のエッセンスを失わないようにする努力もしたけれどね。

Q:あなた自身とランスロットは似ていますか?

友人や家族を大切にするところは似ているかな。でも、彼の尊大なところは似ていたくはないと思う。彼ほどヒーローでもないしね(笑)。

■キーラ・ナイトレイとは目で愛を表現

Q:伝説の中のランスロットは妖精の心さえも奪う美男子ですし、『キング・アーサー』の彼もモテモテですよね。そのあたりは?

ハッハッハッハ。「イエス。似ているよ」なんて言ったら、皆から「何を言ってんだよ!」って言われちゃうだろ? でも、僕がモテモテの美男子かどうかはさておき、伝説を知っている人たちは“ランスロット=モテモテの美男子”を当然イメージするよね。だから、彼のそういった部分を演じる際、誰もが持っている従来のイメージを損なわないようには頑張ったつもりだよ。

Q:キーラ・ナイトレイ演じるグウィネヴィアとランスロットの情熱的なロマンスが劇中で描かれていないのが私は少し寂しかったです。

“伝統的な三角関係”が描かれていなくて、僕もがっかりしたよ(笑)。だからと言って、描かれないことによって映画そのものがつまらなくなってしまうことはないと思ったんだ。でも、きっと皆が思うよね。「何で三角関係がないの?」って。上映時間の問題もあるから、こればかりはね。

Q:とはいえ、グウィネヴィアとランスロットの関係は通じ合うものがあるというような描かれ方をしています。

それに気づいてくれたのは、すごくうれしいな。キーラと話し合って、2人の間に“何か”があることを目で表現しようと決めたんだ。どうやら僕たちのささやかな試みは成功したようだね。

■僕、女の子みたいだったんだ

Q:衣装の格好よさがすごく目を引きましたが、当初、ボトムスはパンツではなく、キルトが予定されていたというのは本当ですか?

ハッハッハッハ。実はね、そうなんだ。最初、ガラハッド役のヒュー・ダンシーが衣装合わせをした時、キルトがすごく似合っていて格好よかったのだけれど、僕がキルトをはいたらどうしても女の子のように見えてしまって(笑)。それで、結局、ボトムスは黒のレザーパンツになったんだ。強い騎士に見えるようにね。

Q:あなたが似合わなかったから、皆の衣装が変わったんですか(笑)?

それくらい似合わなかったんだよ(笑)。皆も「これはちょっと……」って顔をしていたしね。特に、馬に乗った時キルトがヒラヒラすると、本当に女の子みたいで……。

Q:なるほど(笑)。乗馬、弓、剣などの訓練期間が撮影前に設けられていたそうですね。

ランスロットは“2本の剣を舞うように操る男”だから、特に剣のトレーニングが大変だったね。“舞うように”だから、ダンスの振付けのような指示もあった。ひと通り動きの型を作り上げてから、戦闘シーンとしてリアルに見えるよう動きをスピードアップさせていくんだ。これには苦労したよ。

Q:乗馬はもともとお得意なんですよね。

そうだね。しかも、撮影中の6か月間は毎日馬に乗っていたようなものだから、その間にもうまくなったと思うよ。

■次回作で着るのはピチピチのボディスーツ

Q:映画の中では雪が舞っていますが、撮影は夏に行われたんですよね。

そうなんだ。しかも、撮影が行われた時のアイルランドはものすごい猛暑で……。毎日青空だったし、太陽に照りつけられていたよ。それに、あの衣装を着ているとすごく暑くてね! 寒そうにしなくてはいけないのが奇妙だったな。

Q:キルトの方が涼しかったかも……。

ハッハッハッハ。イエース! そうだね、その通りだ。

Q:では、『キング・アーサー』のような超大作に出演して得たことを教えてください。

これまでにも『タイタニック』や『ブラックホーク・ダウン』で超大作は経験しているけれど、今回は役の大きさが前2作とは比べものにならないから、参加すること自体がすごく楽しかったよ。それに、時には20台以上のカメラに囲まれたり、大勢の人たちが見ている中で演技しなくてはいけないこともあったけれど、どんな時でも自分に自信を持って気後れせずに力を発揮することの大切さを身につけることができたね。

Q:次回作“Fantastic Four”はアメリカン・コミックの映画化ですが、こちらもかなりの規模の作品になるのでしょうか?

イエス! 『キング・アーサー』ではヒーローを演じたけれど、“Fantastic Four”で僕が演じるのはスーパーヒーローなんだ。今度もキルトは、はかないけれど(笑)、ブルーのピチピチのボディスーツは着るよ。撮影がすごく楽しみなんだ。

<アントワン・フークア監督>

■いままでの「アーサー王伝説」とは別のもの

Q:『キング・アーサー』というビッグ・プロジェクトを手掛けることになった経緯を教えてください。

『七人の侍』など、黒澤明監督の映画を観て育った僕としては、肉体と精神のかっとうを描いた作品が大好きだったし、自分でも作ってみたいと常々思っていたんだ。アーサー王を複雑な人間として描いた脚本も気に入ったしね。

Q:『キング・アーサー』の一番の魅力は伝説を現実に引き寄せた描き方だと思います。もし、これまでにもあったような、ごく一般的なアーサー王伝説の映画化だったら、監督を引き受けましたか?

ノーだね。そんなのつまらないよ。

Q:アーサー王にクライヴ・オーウェンを起用した理由を教えてください。

クライヴはものすごくハンサムだというわけじゃない。でも、人間味のある顔をしているよね。そこが気に入ったんだ。彼ならば、内面の複雑さを表現することができるだろうとも思ったしね。しかも、ある時、彼とディナーの席で一緒になったのだけれど、その時まさに思ったんだ。「あっ! 彼こそがアーサー王だ!」とね。

Q:では、ヨアン・グリフィズをランスロットに起用したのは?

ランスロット役を探すのは本当に苦労したよ。僕が探し求めていたのは、ハンサムで、セックスアピールがあり、なおかつ謙虚で気のいい奴だったんだ。しかも、演技もできなくてはいけない。そんな奴いないだろ(笑)? そんな時、ヨアンがTVドラマに出ているのを観て、「ランスロットを見つけた!」と思った。ランスロットという男はごう慢だけれども、好感度も持ち合わせていなくてはならない。実際のヨアンは僕がこれまで会った人たちの中で一番ジェントルで、一番気持ちの優しい奴なんだ。

Q:先ほど、ヨアンにインタビューをしたのですが、彼は「グウィネヴィアとランスロットのロマンスが描かれていないのにがっかりした」と言っていました(笑)。

そりゃ、相手はキーラ・ナイトレイだからね。がっかりしただろうよ(笑)! でも、本当はもう少し彼らのロマンスを匂わせるシーンもあったんだよ。上映時間の都合でカットしたけれど、DVDには入れられるんじゃないかな。

■キルトの衣装を着たヨアンは本当にラブリー(笑)!

Q:あと、ヨアンは「衣装のキルトが似合わなかった」とも(笑)。

ワハハハハハ。そうなんだよ! キルトをはいたヨアンは本当にラブリーでね。彼って、すごく脚が細いんだ。キルトをヒラヒラさせる彼は女の子みたいだったよ!

Q:私はキルトをはいたヨアンやクライヴを観たかったです。監督の権限で強制してくれればよかったのに……。

ワハハハハハ。クライヴだけには、はかせようかとも思ったけれどね。めちゃくちゃ抵抗されたよ。もし無理矢理はかせたら、ヨアンもクライヴも1日中トレーラーから出てきてくれなかっただろうね!

Q:なるほど(笑)。では、撮影中に大変だったことを教えてください。監督の作品は肉体的にも精神的にも撮り上げるのが大変そうなものが多い気が……。

フフ、鋭い指摘だね。もしかしたら、僕自身、肉体的にも精神的にも追い込むことを求めているのかもしれないな。『キング・アーサー』に関しても、「大変だったことはすべて!」と胸を張って言えるよ(笑)。実は、今、次回作を準備中なのだけれど、撮影に入る前からヘトヘトでね。どうしよう……(笑)。

Q:その次回作とはデンゼル・ワシントンとベニチオ・デル・トロが出演する作品のことですか?

“Tru Blu”というタイトルで、ベトナム戦争を背景にした実話なのだけれど、フランク・ルーカスという麻薬ディーラーの物語なんだ。アメリカ軍と手を組んで、戦死した兵士を入れる棺に麻薬を入れて運んだ男をデンゼルが演じるんだよ。

Q:やはり大変そうな作品ですね(笑)。

だろ? すでにいっぱいいっぱいだよ(笑)。

『キング・アーサー』丸の内ルーブルほか全国で公開中

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