シネマトゥデイ

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わたしのヨン様をもとめて? それとも仕事で新境地を開くため? はっきりした理由は本人にも謎のまま、直感だけを信じ、いきなり韓国へ留学した安田佑子のエッセイ連載開始です!

<その7>話題作ガチンコ対決


▼ガチンコ!イ・ビョンホンの銃VSチェ・ミンシクの拳

 人生で初めて、日本ではない場所でお花見をしました。韓国では桜の木の下で宴会をするお花見はポピュラーではないようで、屋台で食べ物を頬張りながら散歩したり写真を撮ったり。桜の季節に合わせてピンクの服を着ている人を目にすると、日本人と通じるところがあるなーと思います。

 さて、3月までは米アカデミー賞ノミネート&受賞作品がメインに上映されていた韓国ですが、この春の話題作と言えば、韓国映画『甘い人生』と『拳が泣く』。個人的にはタイトルも甲乙つけがたく好きですね。ともにスター俳優&人気監督がタッグを組んだ2作品で、さらにどちらも4月1日に同時公開。人気の軍配がどちらにあがるのか注目されていました。

イ・ビョンホン主演『甘い人生』。監督のファンだったため脚本を見ずに出演を決めたというイ・ビョンホンは一流ホテルのマネージャー、ソヌ役。
チェ・ミンシク(左)&リュ・スンボム主演『拳が泣く』

▼それぞれどんな作品かというと・・・


『甘い人生』
(以下(甘)。日本でも4月23日から公開中)
裏社会とも深いつながりを持つソヌはボスの愛人ヒス(シン・ミナ)の 見張りを頼まれる。
裏社会を描いた男くさいノワール・アクション。
なぜその男はボスを裏切ってまでその女を助けたのか・・?


主演…ご存知ビョン様ことイ・ビョンホン(ドラマ「美しき日々」「オール・イン 運命の愛」映画『恋愛中毒』『バンジージャンプする』)。

監督…キム・ジウン『反則王』『箪笥(たんす)』

check !…「美しき日々」で兄妹だったイ・ビョンホンとシン・ミナがこの映画ではヒーローとヒロイン。人気歌手グループSHINHWA(シンファ)のエリックがこの作品で映画デビュー。静かなシーンとアクションシーンのめりはりがスタイリッシュ。

『拳が泣く』
(以下(拳)。日本公開未定)
殴られ屋とは街で殴られてお金を稼ぐ仕事。自分のため、息子のためにもここから抜け出したい。
39歳、職業=殴られ屋。そして19歳、現在=少年院生
負け犬二匹の人生の賭け=ボクシング新人王になること

主演
…韓国で演技派として国民的支持を受けているチェ・ミンシク(『オールド・ボーイ』『シュリ』)、個性派若手俳優のリュ・スンボム(『ダイ・バッド ~死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか~』←日本でもDVDが3月に発売)

監督…リュ・スンワン(主演のリュ・スンボムの実兄。この二人、顔全然似てません・・。短編映画界で頭角を現し、『ダイ・バッド~』では企画、脚本、監督、出演、武術監督とをこなした。『拳が~』では脚本も担当。)

check !…殴られ屋は日本人ボクサー晴留屋明(はれるや・あきら)氏、少年院生は韓国人ボクサー、ソ・チョル氏がそれぞれモデルになっていて、二人の実際の人生を一つのストーリーにした作品。主演二人の試合シーンも見もの。

・・・というように話題も見所も豊富なこの2作品。両作品とも公開後も主演陣らが舞台挨拶で全国をまわり観客動員に勢を出していました。
上映条件で見ると、(甘)は韓国では18歳以上鑑賞可(拳)は15歳以上が鑑賞可。てことは幅広い層が見られる(拳)がリード?やはり大御所チェ・ミンシクのパンチ炸裂か?!
でもでも劇場数は(甘)がソウル74館全国340館、(拳)はソウル71館、全国318館を確保。ってことは(甘)がちょっとリード? ビョン様のぶっ放す銃パワーか?!

▼拳は銃を制す?!


韓国の「映画館入場券統合ネットワーク」のHPによると;
初日の観客動員数(ソウルのみ)…(拳)24,193人(甘)24,937人
・・と、744人差で(甘)の勝利。ところが全国で見てみると、
初日の観客動員数(全国)・・・(拳)64,599人(甘)63,681人、と僅差で(拳)の勝ち!
うわー。まじガチンコです・・。
そして最近までの累積を見てみると・・・?
初日‐4月22日までの累積観客動員数(ソウル)・・・(拳)412,126人(甘)349,884人
初日‐4月22日までの累積観客動員数(全国)…(拳)1,070,796人(甘)863,573人
動員数だけで見ればチェ・ミンシクの強烈パンチにより(拳)が勝利し、この春イチをキープ中です^^

『甘い人生』の地下鉄の円柱型広告。電動でゆっくり回ります。
スタントなしの試合シーン。特殊メイクを使わなかったので怪我をしているところはではなく本物の傷だとか。

▼この春イチの『拳が泣く』の主人公たちの人生は全く甘くない。

 (甘)がスタイリッシュでクールな作品ならば(拳)はスタイリッシュとは正反対にある、現実の生活を目の当たりにさせられる作品。どちらも暴力的なシーンも多いので、見ていて痛快でもあり、ほんとに見てて痛いです・・・^^;
 (甘)は映像、空気感が私は好きでした。イ・ビョンホンの表情演技もよいし。見終わってからもたまにふっと思い出す映像があります。
じゃなぜ(拳)が支持されたかについて考えてみると、(甘)は裏社会を描いている男の視点の映画なので、劇場に駆けつけるビョン様ファンの女性たちよりは若い男性陣に支持される映画だったのかな。なのでDVDが発売されたら人気高くなるんじゃないかと思います。
 それに対して(拳)は、ボクシングという男くさいスポーツを通してはいるけれど「人生はやり直せるのか」「負け犬を待っている家族達」がテーマになっているので、老若男女に受け入れられたのではないかと思います。さらに構成にもひとひねりあって、ボクシングの試合には当然あるべきの「敵と味方」の関係がこの作品にはないところが魅力の一つ。若手リュ・スンボムの演技にもひきこまれました。ちなみに私は日本から遊びに来た友人と見ましたが、韓国語がまったくわからない友人(しかも途中ちょっと寝てやがった)でも最後ぽろぽろと泣いていました^^;

4月3日に新村(シンチョン)の映画館で行われた 舞台挨拶。リュ・スンワン監督(左)、監督の実弟のリュ・スンボム(中)、大御所チェ・ミンシク(右)。
一般のお客さんもデジカメと携帯のカメラで写真取りまくり。
主演の二人が登場した時は会場から黄色い声が。黄色い声度数はチェ・ミンシクがやや高めだった。でもたった5分たらずのあっという間の舞台挨拶だった。


カラーが違う作品なので私としてはどちらも観ていただきたい作品です。二本共、決して場当たり的に作った映画ではないということがにじみ出ていて、(1)「観て後悔した」度(2)「半額でいいだろ」度(3)「ビデオかDVDで十分」度はともにゼロ。皆さんの中で是非ガチンコさせてみてください^^
■安田佑子プロフィール■

仙台の局アナからフリーに転向し上京。TV,ラジオ、ナレーションの仕事を経て映画祭の司会や映画ライターの端の端の端っくれとして奮闘中。2004年9月よりソウル在住。東京を月に1−2度往復する生活をスタートさせたばかり。右脳が決めた無謀な決断に左脳は迷惑こうむり中。
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