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『リンダ リンダ リンダ』ペ・ドゥナ単独インタビュー

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『リンダ リンダ リンダ』ペ・ドゥナ単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:FLiXムービーサイト

『ほえる犬は噛まない』『子猫をお願い』そして『復讐者に憐れみを』と、演じる役ごとに違う顔を見せてくれる韓国の個性派女優、ペ・ドゥナが日本映画に初主演した。監督は『ばかのハコ船』や『リアリズムの宿』の新鋭、山下敦弘。監督に「ぜひ!」と誘われ出演した彼女は、キュートで天然の韓国人留学生、ソンを生き生きと演じ、天性のコメディエンヌぶりを大いに発揮してみせた。ラストの学園祭のシーンでは、ブルーハーツの曲を完璧な日本語でシャウトする姿も披露した彼女に、日韓の映画撮影の現場での違いなどいろいろな話を聞いてみた。

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日本の映画も観る

Q:日本の映画に出演するということは予想されていたのでしょうか。

いいえ、それはないですね(笑)。

Q:では、オファーを受けたときの感想について聞かせてください。

そうですね、ただ本当にうれしかったです。それは日本の映画に出られるという喜びよりも、監督が私の出演した『ほえる犬は噛まない』という映画の演技を観て出演を依頼してくれたということが、とてもうれしかったんですね。韓国で製作された映画が他の国の方がたにも認められて、その結果このようなお仕事の依頼をいただけたというので、私自身非常に誇らしくて満ち足りた気持ちになりました。 

Q:日本の映画やテレビはよくご覧になりますか?

映画は以前数本観たことがありますが、テレビは見たことがなかったですね。

Q:どのような映画をご覧になったんですか?

『Love Letter』や『秘密』『ウォーターボーイズ』、それに『ジョゼと虎と魚たち』などです。

ひらがなは読める

Q:リンダ リンダ リンダ』は韓国で公開の予定はあるのですか?

うーん、予定はあるようなのですが、今のところ未定ですね(笑)。

Q:今回は日本語のセリフと歌の両方を覚えなくてはならなかったので、かなり大変だったのでは?

私は日本語もひらがななら読めますし、もともと韓国でも漢字を使うので、多少会話を聞きとることはできるのですが、会話をすることは無理ですね。今回はセリフが少なかったこともありますし、留学生の役だったのでネイティブのように流暢(りゅうちょう)に話す必要はなかったので助かったなぁ……と思っています(笑)。あと歌は歌詞を覚えるのがとても難しくて苦労しました。歌というのも感情表現の一つだと思いますので、やはり歌詞の内容がわからないとなかなか歌っても心がこもらないものなんですね。だから曲の内容を理解するのが大変でした。実は韓国では私は台詞を覚えるのが得意な女優というので有名なんですよ。もともと暗記するのは得意な方なので、今回もあまりNGはありませんでした。

パンツ見えてる!

Q:アドリブも多かったと聞きましたが、好きな台詞とかはありますか? 個人的には「パンツ見えてる!」というセリフが好きなのですが……。

私も「パンツ見えてる!」というセリフはけっこう好きですね(笑)。あとは「全然面白くないよ」という台詞なども好きですね(どのような状況で使われるかは、映画を観てのお楽しみ!)。

Q:とてもキュートで面白い役でしたが、あれは素の自分に近いのでしょうか?

そうです。あれはまさに私の高校生時代の姿そのものですね!

Q:制服姿もキマっていましたが、久々に制服を着た感想は。

ほめていただいてありがとうございます。私もあの制服を着ることによってすんなりと高校生のころの自分になれて、撮影中はすっかり身も心も高校時代に戻ったような気がしていました。違和感は全然なかったんです。なんだかすっかり女子高生の気持ちになって、つかの間いい夢を見ていたような気もしているんですよ。

韓国ではみんなで食事するのが習慣

Q:撮影中一番楽しかったことと一番辛かったことを教えてください。

楽しかったのは共演した女の子たちと芝居の練習をしながら色々なおしゃべりをして、いい友だちになれたことですね。辛かったのはやはり言葉の問題です。どうしても自分の伝えたいことが全部は伝えられなかったり、今どんな雰囲気なのかというのがなかなかつかめないことがあるんですよね。言葉の限界があるのものですから、そういうときは自分自身に腹が立ったりとか、もどかしさを感じたりしましたね。

Q:韓国と日本では撮影の現場はだいぶ違いますか?

いいえ、あまり違いはありません。ご飯を食べるときの雰囲気以外はほとんど同じでしたよ。韓国では各自でお弁当を食べるということはまずないんですよ。だいたい近所の食堂を借り切ってみんなでワイワイご飯を食べますので(笑)。私はなるべく他の共演者の方たちと一緒にご飯を食べるよう努力していたんですが、日本ではお弁当を食べる場合も各自それぞれ食べるんですよね。最初はびっくりしました。韓国では一緒にご飯を食べるということによってより親しくなったり、情がわくという風に考えているんですね。だから仲良くなるために一緒にご飯を食べるということをよくします。

歌手デビューはまったくのデタラメ

Q:今回この映画のプロモーションでCDデビューもされるそうですが。

あー! 韓国で私が日本で歌手デビューするという記事が出てしまったんですよね。私としてはまったくそういうつもりはなくて、今回はこの映画に出演した女優として、他のメンバーと一緒に企画ものという形でバンドをやるということなんですよ。それはもちろん映画の宣伝活動としてやるのであって、別に私は歌手になりたいという気持ちもまったくないし、自分でも歌がうまいとか思ったことはありませんしね(笑)。でも学校でプロモーションビデオを撮ったときはほかのメンバーたちと一緒でとても楽しかったです。


本作ではまったく違和感なく高校生として溶け込んでいるペ・ドゥナ。元モデルだけあってスタイルの良さも抜群だが、彼女の姿勢の良さと立ち居振る舞いの美しさに驚く。そして何よりも話しながらくるくるとよく動く大きな瞳と、その表情の豊かさに魅了される。まだまだスッピンでも通用する肌の透明さは同性としてうらやましい限りだ。彼女の天然の魅力がたっぷりと詰まった、おかしくてほんわりと温かい青春映画は必見だ。

『リンダ リンダ リンダ』は7月23日シネセゾン渋谷ほか全国公開。

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