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『ロボッツ』西田敏行 単独インタビュー

取材・文・写真: FLiXムービーサイト

『釣りバカ日誌』シリーズを始めとして、映画、テレビなどで日本を代表する俳優の西田敏行が、『がんばれ!! タブチくん!!』シリーズ以来25年ぶりに声優を務めた。ハリウッド産フルCGアニメの本作は、夢を追いかけるロボットの冒険物語で、西田は皆から尊敬される偉大な発明家ロボットの声を担当。なお、西田が『ロボッツ』に関してインタビューに応じるのは今回が最初で最後となる可能性が高いため、貴重なインタビューとなった。

■楽観主義者

Q:約25年ぶりに声優としてお仕事をされたわけですが、今回ハリウッドから出演依頼があったいきさつを教えてください。

ハリウッド版で担当した声優さんに近かったから声をかけていただいんだと思います。まさか若い主人公の役ではないですよね(笑)。

Q:ご自身と演じられた"ビッグウェルド博士"との共通点はありますか?

そうですね。彼はとても人望の厚いロボットなので、その点は見習わなくてはいけないなと思いました。でも劇中挫折を経験した彼が、「絶対大丈夫だ!」と自分を信じる思いには、同じ楽観主義者として共感しました。

■自分の叶えた夢は「俳優になったこと」

Q:この作品には「夢は願えばかならず叶う」という思いが込められていますが、西田さんがあきらめずに叶えた夢とはなんですか?

1つだけありますね。俳優になったことです。小学校5年生くらいのときに俳優になろうと思ったんですけど、田舎の少年だったので銀幕の世界はあまりに遠すぎてリアリティがなかったんです。しかも周りの友だちは「学校を卒業したら実家の農業を継ぐんだ」と言っていたので、1人だけ浮いていましたね(笑)。それでも自分の思いをあきらめることができずにやってみました。両親も「どうなるかわからないけど、やらしてみるか」と思ってくれたのでラッキーでしたね。よく同級生や友人たちに「子供のときの夢を叶えたのはおまえだけだよな。幸せなことだよ!」と言われています。

■映画が30円で6本立ての時代に父親と観た映画

Q:俳優になろうと思ったきっかけはどんなことだったのですか?

僕自身が映画を好きだったのはもちろんですが、父親が大の映画好きだったんです。そのおかげで、土曜日になると父親の自転車に乗っけられて2人で映画館に行っていました。映画が30円で6本立ての時代だったので、洋画、邦画を問わず何でも観ました。当時映画は娯楽の象徴として、観ることが1つの決まり事のような感覚だったんですよ。

■夢とは物質的なことでは決してない

Q:夢は叶うものであり、持ち続けるものでもありますが、西田さんが現在叶えたいと思われている夢はありますか?

具体的に何とは言えないんですが、『ロボッツ』のように平和な世界が訪れることを願って、日々与えられた役を演じています。きれい事に聞こえるかもしれませんが、夢とは高級車に乗ったりブランド品を身につけたりすることではないと思います。その点、僕が演じたビッグウェルドの理想は、"正しい夢"として現代に生きる子供と大人の両方にすばらしいメッセージを伝えていますよね。

■命には限りがある

Q:日本語吹き替え版を演じるにあたって、特別に工夫された点はありますか?

そうですね……ビッグウェルドさんは、どことなく"つるん"っとしてますよね? なのでその"つるん感"が出せればいいなと思ってテンポよくリアクションを取るように心がけました(笑)あと彼の丸くてほわんとした感じは僕じゃなきゃ出せないんじゃないかな(笑) そう考えるとフェンダー役は僕にはできそうにもないな、山寺君がぴったりですよね。

Q:では最後に今現在夢を追いかけている人や、あきらめそうになっている人に一言応援のメッセージをお願いします。

僕は3年前に心筋梗塞という病気にかかりまして、命には限りがあることを実感しました。皆さんも自分の命の大切さと使い方をしっかり考え、人生をおもしろがって生きていってほしいです。そういう意味ではこの映画はいい刺激になると思います。夢は見ることができるだけですばらしいことなので、絶対にあきらめないで!

独特の温かい雰囲気と優しいまなざしに加え、自身の信念を熱く語る姿はまさに偉大なビッグウェルドそのものだった。キャスティングされた理由も、ハリウッド側が要求した“風格”“包容力”“存在感”“説得力”のすべてを満たす唯一の存在だったからにほかならない。また、叶えた夢について「俳優になったこと!」と即答できる彼だからこそ、最後の「あきらめないで!」という言葉がしっかりと胸に響くのだろう。そしてこの映画を通すことで、そのメッセージの持つパワーがより一層強くなることを期待したい。

『ロボッツ』は7月30日より日劇3ほかにて公開。

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