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『容疑者 室井慎次』柳葉敏郎インタビュー

取材・文・写真:FLiXムービーサイト

5月に公開され興行収入40億を突破した『交渉人 真下正義』に続いての「踊る大捜査線」シリーズスピンオフ企画第2弾の『容疑者 室井慎次』は、公開前から大きな話題を呼び、夏休み期待度ナンバーワンの作品である。この映画の魅力は、なんといっても「踊る大捜査線」シリーズで最も人気があるといわれているキャラクター、室井慎次が主人公として登場するところである。シリーズが始まって以来、この「室井慎次」という男を8年間演じつづけてきた柳葉敏郎が、今では自分の人生に欠かすことは出来ないという「室井慎次」という存在への熱い思いを語った。

■青島や和久の存在

Q:今回監督が本広監督からこのシリーズの脚本を担当されていた君塚監督にかわりましたが、監督としての君塚監督はいかがでしたか。

君塚監督は一人の人間のバックグランドや生き様をしっかり作り上げてくださる方なので、ちょっとした疑問でもすぐ相談していました。そして監督は、僕の疑問に対して確実にヒントをくれたので、安心した気持ちで出来ましたね。

Q:作品に出演されてのご感想をお願いします。

ただ、一言、感謝です。この作品の脚本を初めて読んだ時、うれしかったけど、とても不安でした。今まで脇役だった人間が中心になったときの表現の仕方に戸惑いがあったんです。
そしてそれを解消するためにお願いしたのは、この作品を作る上で、「湾岸署」の存在は捨てきれないということ。
「彼は、湾岸署で関わった人に刺激を受けた人間なので、オリジナルの『踊る大捜査線』を無視した室井というのは出来ません。どういう形であれ、湾岸署の青島や和久さんの存在をこの映画で示していただきたい」と。はじめの脚本ではその部分が少ししか描かれていなかったので。これじゃあ室井はとても信念を貫き通せませんと監督に言いました。それを認めてもらえたことはとても大きかったです。

■一途に女性を思いたい

Q:今回は、室井に隠された過去の恋愛の話も登場しますね。

はい。観てもらえれば分かると思いますが、室井って普通の男なんですよ。本来、キャリアの人間には現場の人間の事はわからない。というか分かろうとすらしないし、気持ちを理解することなんてとても出来ないと思います。でも室井には分かる。理解できる……ってことはつまり室井は普通の人間なんです。

Q:ああやって一途に思う男性って普通はなかなかいないですよね。

いや一途に思わせてください、女性の方々。これは柳葉の意見ですが、それは女性にも責任がある。男性にそこまで思わせる努力をしないと。

Q:実生活でも奥様に対する一途な思いはありますか。

あります。彼女とは、結婚する前から運命を感じていました。こんなこと言いたくないなあ(笑)。
……結婚して、自分が落ち着かなくてどうやって彼女を支えていこうって悩んでるときに彼女が「大丈夫よ。なんにもなくなってもふたりでやってけばなんでもできるよ」って言ってくれたんです。すごいでしょ。こんなこと言ってもらえたら、その人のことは絶対裏切れないですよね。だから皆さんも言ってみてください。こういうことを(笑)。

■熱い思いはいつも同じ

Q:柳葉さんの演じる役に共通していることは、どの役もみな「信念を貫き通す熱い思い」を持っていること。その気持ちは、ご本人にもあるように思いますが、柳葉さんの持つ信念はどこからきているんですか。

人間って結局は自分のために生きなきゃいけないって言いますよね。でもだからといって自分のためだけにいろいろやっていたら無理が生じる気がするんです。だからいつも誰かのために、何かのために行動する事が、結果として自分のためになるはずだって思いながらいままでやってきました。そして、室井自身も、作品の中ですこしずつそういうことに気づき始めているんじゃないかと思います。

Q:室井と柳葉のシンクロ率はどのくらいですか。

残念ながらシンクロはしていません。でも、あの黒いコートを着ると100%室井になれます(笑)。それで、コートを脱ぐと、100%柳葉。だから今ここに室井はいないんです。僕がこうして室井の気持ちを話せているのは、あいつの親友として、自分にとっては欠かせない親友として彼のことを話せるからなんです。
俺がこの人の部下ならついてかないですよ(笑)。でも親友だったら、最高にいい奴です。

■人間として納得の出来る役を

Q:人間として納得できる役ではないと、出来ないというのは本当ですか。

独身の時に不倫をする役をした時、同級生が電話してきて「お前ああいうのはやめてくれ」っていわれたんです。その気持ち僕にも分かるところがあって、それ以来、不倫をする男の役はしていません。不倫は文化でもなんでもないですからね。あんなもん文化なんていった日にゃあ! ですよ。

子供が生まれてからは、子供に対して無責任な仕事は出来ない気持ちになりました。犯人役は出来ます。人を傷つけるまでに至るには必ず何か原因がある。そういう憎しみは愛があってこそ生まれると思うので、役に対して責任を持って演じています。

Q:柳葉さんが好きなシーンはどこですか。

今はこの作品が完成した事への感謝の気持ちでいっぱいでとても客観的には観れていないんですが……。
印象に残っているのは、当初、台本で頂いたときに感じなかったものを撮影の時に初めて感じた瞬間があったんです。それは新城(筧利夫)が室井にある通達をするシーンなんですが、脚本を読んだ時はいつもの新城がいつもの室井に事務的に渡すシーンだと思っていたんです。でも、いざ撮影に入って筧君が新城として登場したとき、彼の瞳の奥に新城の室井を思う気持ちが見えてしまったんです。新城の気持ちが痛いほど伝わってきて、そうだったのか……と。役者として経験したことがない出来事だったので、とても新鮮でした。だからあのシーンで僕は芝居してないんです。ほんとうに感動的な瞬間でした。

■「踊る大捜査線」シリーズを批判していた人たち

Q:この映画をどんな人に見てもらいたいですか。

「踊る大捜査線」シリーズを支えてくださっているファンの方々を含め、たくさんの人に見てもらいたいんですが、特に見てもらいたいのは、逆にこの「踊る大捜査線」シリーズを批判してきた方たちですね。「あれは映画じゃない」って言う人がいるでしょう。そういう人に見てもらいたいです。ぜひ見てもらいたいですね。それで「どーだ!」って言いたいです。なにか、批判するところがあるんだったら言ってくださいよって。ありますか?……ってすみません、言い過ぎたかも(笑)

『容疑者 室井慎次』は8月27日より全国東宝系にて公開。

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