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わたしのヨン様をもとめて? それとも仕事で新境地を開くため? はっきりした理由は本人にも謎のまま、直感だけを信じ、いきなり韓国へ留学した安田佑子のエッセイ連載開始です!

<その13> 夏バテ知らずな韓国映画 part2
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韓国の2005年「夏イチ」映画は……?-


ソウルの私の部屋から歩いて5分もしないところに映画館があって、そこを通るとたまに張り紙がしてあります。最新作の舞台あいさつのお知らせなんですけど、わりと有名人でも韓国はあ~っっさりチケットが取れるんですよね。

舞台あいさつの形式がちょっと日本とは違うというのもあるかもしれません。日本だと、有名なアナウンサーの方が司会をして、インタビュー形式でフォトタイムもあって、大体15分から30分位? 舞台あいさつの時間がありますよね。でも韓国は映画会社の人がつまらなそうに、「はーい。いらっしゃい。これから監督と主演の○○さんが入場しまーす」と紹介すると監督と俳優が入場。一言ずつあいさつをして……以上。賞味5分ないかも? の短さです。監督と俳優が口ベタだったりした日にゃあ、「今日はありがとうございます……えー……楽しんで下さい」くらいの極短スピーチ×3人=1分半弱(短い……T T )!

ただしその間、観客は携帯電話でも写真撮り放題。通路の一番前まで行って撮ってもよし、の放置っぷりです(もちろん大きい劇場で、メディアがたくさん入ってる時はまた別ですが)。監督と俳優たちは同じ日にこの形式で何か所も劇場を回るようです。やはり韓国は日本と比べ俳優とファンとの距離が近いです^^。歌手のサイン会では、CD買わなくてもサインもらって握手できる場合もあるって言うし……ふふ。韓国っていいと思いません?

▼朝鮮戦争、ちょっとだけトンマッコル村で休んでいきますか……。

今回ご紹介するのは夏バテ知らずな韓国映画・第2弾で、『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』(原題)です。公開して20日間で310万人を動員し、前回ご紹介した『親切なクムジャさん』をも抜いてこの夏イチです。

2002年に初演された同名の演劇作品が映画化されたもので、舞台は朝鮮戦争の真っただ中。それぞれ軍からはぐれてしまった国軍の兵士2人と人民軍の兵士3人。そして連合軍の米兵1人。6人がたどり着いたのはトンマッコル村。ジャガイモととうもろこしを食べて暮らす自給自足の生活の村。純真無垢で戦争とはまったく無縁の村人たちとなぜか共同生活を始めることになってしまった6人の兵士たちのヒューマン・ドラマです。

タイトルを聞いても、ポスターを見ても、いったいどんな話なのかピンとこなかったのが、クチコミパワーであれよあれよと前売り率、動員数も堂々の一位です。

▼演技派俳優が共演する不思議ワールドへようこそ。

トンマッコル村に住み、殺気立った兵士たちを癒していく女の子を演じるのは『オールド・ボーイ』のカン・へギョン。話し方、表情、行動までとにかく不思議で、あえて言えば「面白い妖精^^;」のようです。若手の演技派として知られるカン・へギョンの顔から始まるオープニング数秒で、もう劇場は大笑い。そして国軍、人民軍のリーダーを演じるのは、それぞれシン・ハギュンとチョン・ジェヨン。『ガン&トークス』でも共演した2人は舞台版の「ウェルカム~」にも出演しています。

プライベートでは仲良しの2人ですが、トンマッコル村では緊迫した関係が続きます。シン・ハギュンは『JSA』では北朝鮮の兵士を演じていましたが、今回は国軍兵士役。『マイ・ブラザー』でウォンビンと共演していましたね。

韓国ではこの夏、彼の作品が目白押しで、『ウェルカム~』の他『拍手する時に去れ』でも主演、『親切なクムジャさん』でもカメオ出演と、ノリにノってます。

映画はコメディタッチではありますが、あったかいエピソードあり、ほろりとするエピソードあり、戦争って……と考えさせられるエピソードもありで、老若男女が楽しめる映画です。セリフも映像も面白く、私の韓国語レベルでもかなり爆笑しましたが、他の韓国人たちはその3倍は笑っていました。


▼イノシシが猛進するわ、ポップコーンの雪まで降るわのトンマッコル村。むむ? この雰囲気……? やっぱりそうだったのか!!

映画を見ていると、トンマッコルの村の雰囲気、そう。映像も音楽もなーんかほんわか。ほのぼの。うーん、この雰囲気ってなんだっけ? まるで宮崎アニメを見ている気持ちになるのです。(『ロード・オブ・ザ・リング』のホビットの村もちょっと入ってるけど……)そうしたら、どーりで、でした。音楽監督がなんと。久石譲さんでした^^ とてもファンタジックで癒される音楽でした。あと、映像でいえば、あるシーンで『スウィング・ガールズ』の1場面を思い出す場面もありますヨ。

映画ならではの映像、迫力。韓国映画ならではのストーリー。実力派俳優ならではの演技。久石譲さんならではの音楽。4拍子揃った映画です!


2005年夏イチ映画の『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』。『JSA』が戦後の共同警備区域なら、トンマッコルは戦時中の共闘守護区域。監督は長年CM畑で活躍していたパク・クァンヒョン。


トンマッコルに住む無邪気で純粋な少女イヨルは当初オーディションで新人を起用する予定が難航。そこで浮かび上がったのが美しさだけをウリにしていない実力派若手女優カン・ヘギョン。今年は彼女も『恋愛の目的』『南極日誌』、そして『親切なクムジャさん』(カメオ出演)と出演作が続いている。彼女の演技は常に新鮮で見るたび驚かされる。

朝鮮戦争中でもトンマッコルでは国軍、人民軍、連合軍が力を合わせてジャガイモ堀をする。

冬でもないのになぜ雪が……? 雪の正体はポップコーン。撮影では1t トラック1台分のポップコーンを使ったという。

舞台版では違う役(映画版には子供時代しか出てこない)を演じたチョン・ジェヨン。今回6人の兵士の中でももっとも冷静な人民軍のリーダー、リ・スファ役を快諾。

舞台版でも同じ国軍の兵士、ピョ・ヒョンチョルを演じたシン・ハギュン。何度も共演してきたジェヨンとは、長くて辛い撮影を「撮影後のお酒」で乗り切ったという。

雨の中の美しいシーン。実際は真冬の撮影で、カン・ヘギョンは冷たい雨に4時間打たれ続けたという。

公開して1週目に行われた舞台あいさつには、監督、カン・ヘギョン、そして兵士6人全員が登場。挨拶はやはり一言ずつだったが、賑やかに盛り上がった。写真は左からシン・ハギュン、チョン・ジェヨン、カン・ヘギョン。

■安田佑子プロフィール■

仙台の局アナからフリーに転向し上京。TV,ラジオ、ナレーションの仕事を経て映画祭の司会や映画ライターの端の端の端っくれとして奮闘中。2004年9月よりソウル在住。東京を月に1−2度往復する生活をスタートさせたばかり。右脳が決めた無謀な決断に左脳は迷惑こうむり中。

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