シネマトゥデイ

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宮崎あおい、浅野忠信
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』宮崎あおいと浅野忠信単独インタビュー

取材・文・写真:FLIXムービーサイト

青山真治監督の最新作『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』がいよいよ公開される。青山監督のデビュー作『Helpless』以来の出演となり本作では自然界の音を集めて暮らすミュージシャンを好演している浅野忠信、暴力温泉芸者としてカリスマ的な人気を誇るミュージシャン中原昌也、この2人の奏でる音楽が、自殺病のウィルスを抑制するとされるのだ。そしてヒロインは『NANA−ナナ−』のハチ役でブレイクした宮崎あおい。作品のキーパーソンを演じる2人に『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を語ってもらった。

■大ファンだった中原昌也との共演

Q:完成した作品をご覧になった感想はいかがでしたか?

浅野:(宮崎に)いかがでしたか?

宮崎:先に言ってください(笑)!

浅野:おれかあ……なんか中原さんの演技を見ているときにどんな風に映るんだろうってすっごく気になってたんですよ。それが映画になると意外にまともに映っていてびっくりしました。中原さんって実際はすごく面白い人なんで、現場にいると僕も中原さんにつられてリラックスしている自分がいたりしたんです。それで、どんなんなるんだろうって思って映画観たら、「あ、ちゃんとしてる」って(笑)。それにすごくびっくりしましたね。

宮崎:わたしは初めて観たとき監督の頭の中はどうなってるんだろうって思いました。頭の中をのぞいてみたくなりました。

Q:宮崎さんはレミング病という病気にかかる少女の役でした。架空の病を演じるのは大変ではなかったですか?

宮崎:逆に架空だったからこそ、すごく自由にやらせてもらっていたというのはありますね。『EUREKA』のときもそうだったんですけど、役について監督とたくさん話すことがあまりなかった気がします。二度目ということでプレッシャーというか、頑張らなきゃっていう気持ちはありましたけど、スタッフに『EUREKA』から知っている方がたくさんいらしたので、久しぶりにみんなに会えたことがうれしくて安心して演じることができました。

■男性コンビ

Q:浅野さんは『東京ゾンビ』では哀川翔さん、缶コーヒーのCMでは寺島進さんと男性とのコンビが続いていますが、2015年に世界を救うかもしれない音楽をつくるという中原さんとのコンビはいかがでしたか?

浅野:あ。確かにそうですよね。それ言われるまで気付きませんでした(笑)。中原さんは個人的にもともとミュージシャンとしてすごくファンだったんです。ライブにもよくお邪魔させていただいてたんで。でも、まさか共演することはないと思ってたんで本当にびっくりしました。初めてこの映画の話を聞いたときはうれしかったです。

Q:ライブシーンは圧巻でしたね。

浅野:草原に大きなスピーカーを思っていって演奏する状態を整えてもらって、見えないところに機材コントロール用の機械をたくさん置いてたんですよ。撮影するカメラも二十何台とすごい量を使ったんで、非常に面白い撮影でしたね。演奏した音も、実際の音源を使っているのでいろんな意味でチャレンジだった思います。演奏していてもすごく心地よかったですね。ああいう環境の中で、演奏するチャンスはなかなかないので、貴重な経験でした。

Q:宮崎さんは、そのスピーカーに囲まれて、まさに生演奏を聞かれたと思いますが、いかがでしたか?

宮崎:わたしは普段ライブに行かないので、ああいう風に大きなスピーカーでガンガン音を聞くことがなくて。音楽がすごく体に響くなかで音の中心にわたしはいて……なんだろう不思議な気分ですね。不思議な音がたくさん聞こえてくるし、とっても変な気分でした。

■10年後の日本

Q:この映画は近未来の2015年が舞台になっていますが、10年後はどんな日本になっていると思いますか。

宮崎:すくなくとも、レミング病は流行っていてほしくないです(笑)。

浅野:そうですね。2015年ってあと10年後ですごく近い未来なんですよね。平和で、幸せな世の中になっていてほしいですよね、やっぱり。自分の子供たちももう大人になっていると思いますし。戦争とかそういう争いがない世界になってほしいですね。

Q:中原さんと自然の音を拾ってるシーンは浅野さんも楽しそうでしたね。

浅野:そこはたぶん、撮影初日とかだったんですけど楽屋に行ったら、中原さんが「浅野くん、どうしようか!」っていうんですよ(笑)。いや、どうしようかって言われてもなにがですか……って言っていたら「いや、この映画どうしよう」って言って。そういう発想って、自分の中で忘れてたんですよね。当たり前のように、現場に入って撮影して終わってっていう繰り返しだったんで。そういう発想がすごくフレッシュだったんですよね。それで、「そうですよね!」ってなって。なんか面白いほうがいいよねって2人で話し合って、じゃあずっとニコニコしてましょうって決めたんです。それで比較的笑ってるんですよね。

Q:いろいろな“音”が登場しますが、どの“音”がいちばん気に入っていますか?

浅野:ほんとに、実験的にいろいろな音をつくったんですけどそのなかで洗濯機のホースをつかったおもしろい楽器とかが出てくるんですよ。それは美術の方が作ってくれたんですけど、あの音とかけっこう面白いですね。

■『NANA』のハチ役とはまったく違う雰囲気

Q:宮崎さんは『NANA』のハチ役とはまったく違う雰囲気でしたが、役の切り替えはできましたか?

宮崎:そうですね。わたしはあまり引きずるタイプではないので、切り替えは大丈夫でした。でも、自分のキャラクターはハチではないですね(笑)。かといって、この作品のハナも極端なので、その中間くらいってことで……。

Q:この作品の魅力を教えてください

浅野:僕が演じたミズイは自分がこれまで挑戦したことのなかった一風変わったミュージシャンだと思います。ライブシーンがとにかくすごいので、ぜひ劇場に足を運んで"音"を楽しんでいただきたいですね。

宮崎:ほんとうに今まで観たことのないような作品だと思います。たくさんの方に観てもらいたいです。

スタジオに入ってくるだけでその場の雰囲気が一気に変わるような独特のオーラを持つ浅野忠信と男性スタッフ全員がため息をついてしまうほどの美少女、宮崎あおい。ニコニコと話す宮崎を、優しそうに見守っている浅野の姿がとても印象的だった。ゆったりとした口調で静かに語る2人はなんとなく似ていて、そんな不思議な2人が今回の青山作品をさらに魅力的なものにしているのが分かった。本人も語ったとおり映画界のカリスマ浅野忠信のライブシーンは劇場でしかその迫力を味わえないはず!

1月28日よりシネセゾン渋谷、テアトル新宿にて公開。

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