シネマトゥデイ

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私的映画宣言 セカンド・シーズン
装いも新たに、「私的映画宣言」セカンドシーズンが始まりました。おなじみのライターに新メンバーも加わって心機一転です。好き勝手いいたい放題言わせていただきますが、みなさん、これから末永くよろしくお願いします。

執筆者近況報告など

初めまして! 今回からこの名物コーナーで意見する大役を仰せつかり、とても緊張しています。好きなジャンルはコメディなど。基本的にミーハーです。高校時代は体重が50キロ前後で顔もジョニデに似ていると騒がれたモンですが、今やマイケル・ムーアの体型に肉迫。そんな不健康な僕ですが、これからよろしくお願いします! 年末はマレーシアのコタキナバルに行ってきました。雨期なので覚悟してたんですけど、すんごいどしゃ降り続きで、しょんぼり。最後はやけになり、豪雨の中、スノーケリング。すごいのは砂浜に普通にオオトカゲがいたこと。水着の人々とオオトカゲ、シュール!
おかげさまで人気の当コーナーでは編集担当でしたが、数年ぶりにライターに復帰。今後ともごひいきのほどよろしくお願いします! 好きな俳優は全てにおいてエド・ハリスと役所広司。いまだ誰からも“心から”賛同を得たことがないので、「私もこの二人がど真ん中」という方、連絡されたし。 ドラマ好きの筆者にとって、今、注目度ナンバーワンは、なんてったって篠原涼子主演「アンフェア」。寺島進に西島秀俊、香川照之と、長らく映画界で頑張ってきた彼らが堂々、出演。何より、寺島さんの売れっ子ぶりがうれしい。私の男を見る目に間違いはなかったと、実感。
 プライドと偏見
   「ブリジット・ジョーンズの日記」の基になった、ジェーン・オースティンの小説「自負と偏見」を美しい田園風景を背景に映画化したラブストー リー。

主演は『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でブレイクしたキーラ・ナイトレイ。監督は本作が長編デビュー作ながら見事にこの名作を 描ききったジョー・ライト。 オール・イギリス・ロケで撮った由緒ある豪邸の数々も要チェック!

製作年:2005年 製作国:アメリカ 日本公開:2006年1月14日 (有楽座 ほか) 上映時間: 2時間7分
     
 
『ベッカムに恋して』以来、キーラ・ナイトレイに恋してきた自分としては、前作『ドミノ』の無意味なヌードなんかよりも、清楚でエレガントなドレス姿の彼女に期待して臨んだ1本だったが、残念ながらあんまり心に響かず。きっと格調高いとうか形式バッタことが苦手な自分の性格のせいで、まどろっこしい英国式庭園風ロマンスが肌に合わなかったんでしょうなぁ。彼女の眉毛がやけに濃い目なのもそのせいなのか? 女性(ばかりの一家)にとって結婚こそが人生のすべてだった時代も考慮すべきですが、「渡る世間は鬼ばかり」の方がよっぽど感情移入できる。橋田ドラマと比較するのもどうかと思うけど(ジュディ・デンチは赤木春恵より迫力アリ)。
 
  韓流ブームとかいってるけど、こんな昔から女が夢見るコイバナは一貫していたのか。身分の違う人に見初められ、周囲が猛反対、でも王子様は飾らない本当の自分を愛してくれるの。これぞ王道! 「キャンディ・キャンディ」を読んだ小学生時代から憧れたわ、こんな話に。女なら誰でも引き込まれる垂涎ストーリーが、これまた女が大好きな豪華絢爛、貴族たちがさんざめく文芸大作になっているのだから、はまらないわけがない。好きなのに素直に認め合わない二人がまた盛り上がるんだ、「東京ラブストーリー」ばりに。もっさりしたジョン・キューザック風男主人公すら、だんだん素敵に思えてくるマジック。こういう恋愛ものはいくつになっても楽しい。
 
  英国が誇る女流作家ジェーン・オースティンの原作の映画化。この手の文芸作を愛する筆者としては、『いつか晴れた日に』やドラマ版『高慢と偏見』を期待したのだが、あまりのうすっぺらさにがっかり。監督にも言いたいことはいっぱいあるが、ちまたでは高評価のキーラ・ナイトレー。はつらつとしたみずみずしさは確かに魅力的。でも、あまりにもあっけらかんと深みのない演技に、心にひびくものはなし。もっとも、『ブリジット・ジョーンズの日記』の元ネタになるぐらいだから内容的にはトレンディ・ドラマ。今どきジェイムズ・アイヴォリーな重苦しい時代劇も流行らないだろうから、現代風に軽~く作っちゃってもそれはそれでよしとするべきか。
 THE 有頂天ホテル
   人気脚本家の三谷幸喜が『ラヂオの時間』『みんなのいえ』に続き、今度は大晦日の高級ホテルで繰り広げられる奇跡のドラマを描いた監督第3作。

役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾など日本映画を代表する23人の豪華キャストが、迷路のようなホテルの中で働く従業員や訳ありの宿泊客を演じる。 登場人物の人生を同時進行形式で絡ませ、伏線を縦横無尽に張りめぐらす三谷脚本の緻密な構成力は、見事としか言いようがない完成度だ。

製作年:2006年 製作国:日本 日本公開:2006年1月14日 (全国東宝洋画系) 上映時間: 2時間16分 配給: 東宝
     
 
「このような傑作群像劇を私は他に知りません!」と三谷作品風の表現をしちゃいますが、早くも今年度ナンバーワンに挙げてしまいたいほどの大傑作!! 僕はマスコミ試写も含めてすでに3回も観てしまいました!! お正月の「古畑任三郎」スペシャル特番しかり、三谷ファンにはたまらない年明けとなったに違いないです。毎回三谷作品に期待しちゃうのは、各登場人物のエピソードがもつれあった結果、物語に生み出される大きな“うねり”ですが、今回は前2作以上のウェーブが画面から伝わってきたような気も。そもそも今回はコメディ映画かどうかも怪しいと、三谷氏に取材した際に照れくさそうに語られていましたが、一般の劇場では随所でひきつけのような笑いが発生してましたぜ! 余裕があれば前作『みんなのいえ』を鑑賞前に観ておくとベターっす。
 
  ワンシーン、ワンカットにこだわり、ストーリーはリアルタイムで進行。こういう手法にこだわる三谷監督はやっぱり舞台の人だ。舞台って前方に話を回す人がいるけど、その後ろの話に関係ない人の動きが面白かったり、気になったりするものだ。ただし、映画でのこの苦労は報われているんだろうか。一人ひとりのキャラはさすがに面白いが、登場人物が多すぎる。一人ひとりの見せ場は大満足なんだけど、ひとつのエピソードが進行するとき、他のエピソードがどうなっているのかが、監督の頭の中ではつながっているのだろうけど、こちらには伝わりにくい。リアルタイムというなら、「24」のように画面を分割で見せてくれた方がわかりやすくて楽しかったと思う。
 
  三谷幸喜にもこの手のシチュエーション・コメディにもさほどの思い入れはないものの、副支配人役の役所広司が最高にお茶目なので私は大満足。しっかりしてるように見えて、元妻の前ではつい大見栄を張ってしまう愛すべき小市民ぶりが本当に上手い。シカのかぶりものをかぶって演説を始めるシーンでは、おかしくも切なくて胸いっぱい! 贔屓目も多分にあるが、ビシっときめたホテルマン姿だってかっこいい。『SAYURI』のNYプレミアでさえいつものしょぼくれ感満載だったのを思い出し、やればできるのに!でもそんなところがまた……と恋は盲目状態。えっ? もちろんその他の豪華俳優陣の熱演やよく練られた脚本もすばらしいですよ。はい。
 プルーフ・オブ・マイ・ライフ
   『恋に落ちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督と、同作品でアカデミー賞主演女優賞に輝いたグウィネス・パルトロウが再び組んだ感動作。
共演は『ア レキサンダー』のアンソニー・ホプキンスや、『デイ・アフター・トゥモロー』のジェイク・ギレンホール。人生に必ず訪れる愛しい者との永遠の別れ。そこか ら始まる再生のドラマが万人の胸を打つ。撮影の前年に父を亡くしたグウィネスの深い悲しみの演技に圧倒される。

(C) 2004 Miramax Film Corp. All Rights Reserved.
英題:PROOF 製作年:2005年 製作国:アメリカ 日本公開:2006年1月14日 (みゆき座 ほか) 上映時間: 1時間43分 配給: ギャガ・コミュニケーションズ
     
 
確定申告もままならないほど数字を処理する才能が欠如している自分ですが、くしくもほぼ同時期に公開される『博士の愛した数式』同様、数学に馴染みがなくても問題なく内容が理解できる感動作でした。本作を鑑賞中は恥ずかしながらグウィネス・パルトロウが実際に父親を亡くしていた事実を知らなかったので、彼女の鬼気迫る熱演は演技力だけによるものではなかったんだと改めて感心!! 愛する人が死ぬのはそれだけでツライのに、心だけが先に死亡してしまうのはあまりにも酷。乱暴とも思える時間軸の操作も、観る者の心を効果的に揺さぶってくれます。マッドな学者を演じさせたら右に出る者はいないアンソニー・ホプキンスも相変わらずの名演技!!
 
  淑女イメージが強く、はすっ葉な役とかやっても素っ頓狂な印象しか残せなかったグウィネスだが、こういう真面目すぎてキレるという役も意外にハマることが判明。しかも今回はメイクはすっぴんに近く(といっても相当、美人)、服も構わない(といっても、かわいく見えるスタイルの良さ)という役。こういう役に堂々と挑戦できるようになったなんて、グウィネスも母になって、かなりいいコンディションにあるんだろう。ホプキンス卿の狂人演技はもはや職人技だが、これもまた文句なく上手い、そして怖い。数学のことははっきりいって何が何やら全くわかんないけど、登場人物のキャラがたっていて皆、上手いので、ぐいぐい引き込まれることは確か。
 
  数々の賞に輝く舞台を映画化した本作。数学のことは全くわからなくとも、ミステリー仕立ての展開に引きこまれ、精紳を病んだ天才数学者とその才能を受け継いだ娘の葛藤と絆に涙。見終わった後は、何たる知的なお話!とため息。米演劇界には本当にすごい才能が集っているんだなぁと、羨望を覚える。俳優もいい。アンソニー・ホプキンスはもちろんのこと、舞台版でも同じ役を演じたグウィネス・パルトロウには本作の神経症っぽく憂うつな女がお似合い。『シルヴィア』で演じた作家もそうだけど、「人とは違うのよん」といったスノッブな感じも上手い(本来彼女に備わった資質?)。この感じにイライラする人もいるだろうけど、本作のグウィネスには胸を打つものがある。
 ホテル・ルワンダ
   アフリカのルワンダで内紛による大量虐殺の危機から人々を救った、実在のホテルマンの勇気と良心を描いた感動ドラマ。
主演はスティーヴン・ソ ダーバーグ監督作品の常連、ドン・チードル。『父の祈りを』など脚本家として活躍するテリー・ジョージが脚本、監督、製作を手がけ、1200人もの命を守 り抜く男の勇姿をヒロイックに描き出す。日本公開は危ぶまれていたが、若者によるインターネットでの署名運動が功を奏し、公開が実現した話題作。

英題:HOTEL RWANDA 製作年:2004年 日本公開:2006年1月14日 (シアターN渋谷) 上映時間: 2時間2分 配給: メディア・スーツ /インターフィルム
     
 
バカ殿メイクで自分のホテルで迷子になる『THE 有頂天ホテル』の伊東四朗総支配人とは真逆の英雄のお話。そのホテルマンを演じるソダーバーグ組の常連ドン・チードルの悩ましい表情が、たまらなくステキです。いつの時代にもこういう義人はいるもので、昔アルバイト先に乱入してきたヨッパライから逃げた過去を持つ自分などは、毎回この手の映画を観るたびについつい自分と比較して自己嫌悪に。日本は単一民族国家で良かったなどと、観ながら思っちゃうもんなぁ。そうやって自分を安全圏に入れておかないと、この映画で描かれている“映画的現実”ですら受け止められないのかも知れないっす。それほどまでに強烈なリアルさが身に染みる良作です。
 
  実話ものの偉人話を見ると、すごいなあと感心するがつい他人事に思えてしまう。が、この主人公は本当に人間的。その場その時で自分ができる最善を尽くす。最初は家族を救いたい一心だった。それが仲間になり、その他大勢の人々を救う結果になる。心から共感できる普通人のヒーローなんである。彼を始め、ガールフレンドを救えず泣いて謝るホアキン演じるジャーナリストやニック・ノルティ演じる情だけは厚い大佐など、このドラマに登場する誰もが人間らしい。だからこそストーリーが衝撃的であり、ドキュメンタリーのように映像がくっきりと頭に残る。特に、とっても小っちゃな子の脅えた表情がショッキングで、実際、夢に見たほどショックだった。
 
  94年に起きたルワンダの大虐殺を描いているが、目を覆うばかりの殺戮シーンといった直接的な残酷描写は控えめ。あくまでも「アフリカのシンドラー」と呼ばれた一介のホテルマン、ポールに焦点を当てた物語は、押し付けがましくなく真の勇気を伝えていている。こんなときにヒーローになる人物はどんな偉人かと思うが、ポールがホテルにかくまった難民と運命を共にした決意も、本作を見れば誰だって彼のように行動できうるのだと大いに共感できる。個人的には「本当に恥ずかしい」と言いながらホテルを後にする外国人カメラマン(ホアキン・フェニックス)と、国連のオリバー大佐(ニック・ノルティ)が「援軍は来ない」とポールに告げる瞬間が忘れられない。

だれが何と言おうとこの映画を愛します宣言! ライターが偏愛してやまない1本をご紹介!

 タブロイド

 ときどき、南米から届くニュースには口をあんぐりとさせられることがある。


最近だと、女性ベビーシッターが幼児虐待し、その映像を見た近隣住民がベビーシッターに向かって集団で投石や跳び蹴りをしていた。いくら悪人とはいえ、明らかにやりすぎ。

 

そんな平和ボケした日本人からは想像も付かないような事件の裏側を、『タブロイド』はたっぷりと見せてくれる。元スポーツ紙出身で、オウム事件のエグい報道合戦も経験済みの筆者ですら、意表を突く展開に目がテン。刑務所内でのインタビュー、連続殺人犯の証言に沿ってTVレポーターが死体遺棄現場で遺体を掘り起こしちゃえば、例え重要事件の参考人になっても、裏で権力者にコンコンタクトをとれば即、無罪放免etc……。

 

これが実話をベースにしているからというから、さらにビックリ。しかも主演は、『ロミオ&ジュリエット』&『ムーラン・ルージュ』ですっかりキワモノ・キャラが定着したジョン・レグイザモ。日本で例えたら、寺島進主演で社会派サスペンスを作っちゃった感じ? 物語同様、勇気あるキャスティングにも拍手を贈りたい。

 

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