シネマトゥデイ

大沢たかお
『子ぎつねヘレン』
『子ぎつねヘレン』大沢たかお単独インタビュー

取材・文・写真:FLIXムービーサイト

『世界の中心で、愛をさけぶ』『解夏』と数々の話題作に出演してきた大沢たかお。いま日本の映画界で最も注目を集めている彼が、観る者の気持ちを暖かく包む物語『子ぎつねヘレン』に主演。荒けずりな性格とは裏腹に、傷ついた動物を見ると放って置けない獣医をナチュラルに好演した。子どもから大人までが楽しめる本作で、さらに演技の幅を広げた大沢たかおが映画について、自分自身についてたっぷりと語ってくれた。

■憎み切れない人たち、憎み切れない動物たちのすてきな映画

Q:出演を決めたのは?

「子ぎつねヘレン」というタイトルを聞いた時、最初、僕向きの映画ではない気がしました。でも、脚本を読んで、すばらしい作品になるだろうなと思ったんです。僕は、いつも、なにかひとつ毒のある役を探しているんですが、この作品に関しては、昔からファンタジーが好きだったし、お父さんでもお母さんでも子どもたちでもみんなが楽しめるものをやってみたいなあと前から思っていたので出演を決めました。

Q:北海道ロケはいかがでしたか?

素晴らしかったです。網走という土地にすごく助けられました。人や土地、自然や、空気とか、海とか食べ物とか……。

Q:完成した作品をご覧になって、いかがでしたか?

作品としてすごくかわいいなあと思ったし、楽しい気持ちで観ることができました。

Q:コミカルな演技もありましたね。

あのシーンはやりすぎだって、あとあと言われました(笑)。まあこの作品は、憎み切れない人たち、憎み切れない動物たちの物語なんで、それぞれがすてきであればいいなあと思いながら演じました。

Q:矢島役のキャラクターは?

直球な感じがいいですね。僕との共通点は……あんまりないかな。でも動物が、好きなところは同じですね。彼の原動力は動物がすごく好きってことですからね。子供の目線から見て、あんな大人がいたら素敵だろうな、と思うような大人を演じました。

Q:動物と、子どもに囲まれた撮影はいかがでしたか?

楽しかったです。動物と子どもに囲まれる撮影なんて一生することないだろうと思っていたけど、それが一気に訪れたんでね。子どもは素直でかわいいし、動物はかわいいし、あるがままにそこにいるということに助けられました。彼らがみんなすてきに映像に残ればいいなと思いました。実際に、動物と自然に囲まれていたせいか、笑顔の絶えない現場だったので、そのやさしさやあったかさが映像にあふれていると思います。

■子どものころは、よく冒険していた。男ならみんなそうじゃない?

Q:ご自身の中で父性本能を発揮された経験はありましたか?

ん~、ない……(笑)でも、かわいいですよね、子どもはやっぱり。

Q:ヘレン役のキツネとは仲良くなれましたか?

野生動物ですからね、よく噛みつかれました。いっぱい引っ掻かれたし。まあ、仲良く……仲悪かったですね(笑)。でも動物がもともと好きなので、いやじゃなかったです。すごくかわいかったですよ。

Q:動物は飼われたことあるんですか?

飼ってました。リスに、犬に魚に……。今は、実家にワンちゃんが一匹いますね。

Q:松雪さん演じる律子はとても自由奔放な女性でしたが、彼女のような女性をどう思いますか?

いいんじゃないですかね。まあちょっと勝手過ぎますけどね、あれは(笑)。おれが彼女の恋人で、同じ状況になったら矢島と同じ行動に出るかもしれないですね。

Q:この作品は、太一くんという少年の冒険物語でもあります。大沢さんは、子どものころどんな子だったんですか?

エネルギーいっぱいな子どもでした。走り回ったり……。

Q:太一のように、捨てられた動物を拾ったことはありました?

ありますよ。野良犬。あれは小学校1年くらいのとき、野良犬がいたんですよね。勝手に名前付けてミルクをあげたり、すごく頭のいい子で家までついてきてね、クラスの教室まで入ってきたりしてましたね。でも、もちろん親に反対されて、最後は野良犬の世界に戻っていきました。

Q:太一がこの映画で経験したような、子どものころの冒険談はありますか?

それはいっぱいありますよ。男だったらみんなあるんじゃないかな。なんかいっぱいあるなあ……。どっか行って帰ってこれなくなったこととかあるなあ。上野かどっかまで、遠征したら真っ暗になっちゃって、帰れなくなりましたね。自の家から3、4時間かけて歩いて行ったはいいけど夜になっちゃったんだよね。で、10円とか20円しか持ってないから、のどは渇いちゃうわ、道に迷っちゃうわで怒られた思い出があります。

Q:おひとりだったんですか?

友達がいた記憶があるんだけど誰だったか覚えてない。(笑)

■作品ごとに自分が変わる

Q:今の現代っ子をみて、自分のころと違うなっていう部分はありましたか?

いや、もう世の中にあるものが違うって言うか、環境が違うからね。携帯もあるし。パソコンも情報もあるし、違って当たり前だよね。僕が今子どもだったら、今の子どもたちみたいになってると思う。

Q:獣医役が、とても板についていましたね。

本物のきつねを使った撮影は一発勝負ですからね。だって水につけても本人にとっては、洗ってもらってるって感覚ないだろうから嫌なことですよね。彼にとっては嫌なことだから、ぶっつけ本番で全部やったんですよ。

Q:大沢さんは、あまり役作りをしないタイプですか?

準備はするけど、それが役作りっていうのかは分からない。今回はゆるりと入っていきましたね。待つ時間も長かったし、動物相手に緊張しても相手に伝わっちゃいますからね。子供だって、楽しい空気の人と仕事している方が楽しいと思ったんで、楽しく仕事していましたね。

Q:作品がきっかけでご自身が変わられることはありますか?

いつも変わってますよ。どの作品でも、毎回変わっています。

Q:待ち時間はどんな風に過ごしてたんですか?

やんちゃな犬(ロッシ役)を散歩させたりとか、オウム(カネコさん役)をからかったりとか。そのオウムがとてもさびしがり屋で、いつも誰かが相手していないと鳴き叫ぶんですよ。ストレスがたまらないように、出番がない撮影日でも現場につれてきてましたね。

■映画への愛を、仕事で返したい。

Q:鳥が、お好きなんですか?

大好きなんですよ鳥が。実は。オウム飼ってたし。

Q:オウムを飼っていたんですか?

オウム飼っていました。しゃべるオウム。すごく喋しゃべる。好物はラーメン。嫌いなものは10円玉。

Q:なぜ10円玉なんですか?!

分からないんだけど、10円見ると気が狂ったように怒るの。でもラーメン見せると顔あげて出てくる。出てきてラーメンの横までくるの。ラーメンが大好き……って、なんでおれこんなとこでオウムの自慢してんだろ。そんなキャラじゃないんですけど(笑)。

Q:大沢さんは、映画にすごく重点を置かれていますね。以前のようなドラマでの危険な大沢さんも、観たいんですが。

自分が仕事をする分には映画のほうがすごく楽しいし、人生のかけがいがあるんですよね、子どものころから銀座とか新宿とか池袋とか、上野とかに友達と映画を観に行ってたりしたから、自分のアイデンティティは映画を観ることで形成された部分が大きいんですよ。だから映画に対する愛みたいなものがすごく大きくて……、その愛を仕事で返せるんだったらそれ以上のことはないですよね。

Q:大沢さんから一言メッセージをお願いします!

すごくすてきな言葉や出来事が映画にいっぱい詰まっています。子どもに楽しんでもらいたいだけでなく、むしろ、父親も母親もすごく素敵な気持ちになれる映画なので、家族みんなで観に行ってもらいたいなと思います。またこの映画は、動物を通した人間ドラマで、ひとつひとつのメッセージが強く心に残る作品なので、家族だけでなく、友達同士でもカップルでも楽しんでください。

「映画の仕事は、人生をかけるかいがあるんです」映画への熱い思いを語ってくれた大沢たかおの目は、小さいころに見つけた夢を今でも見ているかのようにキラキラと輝いていた。女性に大人気の秘密は、大人の男が持つセクシーな雰囲気の中に見える、独特の少年らしさかもしれない。「オウムの話なんて……キャラじゃないのに」と自分で話しながら急に我に返るチャーミングな姿は、大沢たかおが隠していた新たな魅力としてうれしい発見になった。少年らしさを持ったセクシーな男、大沢たかおのこれからに期待したい。

『子ぎつねヘレン』は3月18日より、丸の内ピカデリー2ほかで公開中。

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