シネマトゥデイ

カン・ドンウォン&ハ・ジウォン
『デュエリスト』
『デュエリスト』カン・ドンウォン&ハ・ジウォン 単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:FLIXムービーサイト

TVドラマ「バリでの出来事」や『恋する神父』などへの出演で人気を得て、今や韓国一多忙な女優となったハ・ジウォン。そして『オオカミの誘惑』の好青年役で一気にトップスターの座についたカン・ドンウォンが『デュエリスト』で共演。朝鮮王朝時代を舞台に、男より男らしい女刑事ナムスンと、宿敵の刺客"悲しい目"の許されざる恋の絵巻が花開く。これまでの韓国映画の常識を打ち破る華麗なアクションを演じ切った主役の2人がそろって来日。この作品への熱い思いを存分に語ってもらった。

■言葉より体で感じる物語

Q:『デュエリスト』では2人とも極端にせりふが少ないように感じましたが、そのことに対するストレスなどはなかったのでしょうか。

ハ ・ジウォン(以下、ハ):わたしはカン・ドンウォンさんに比べるとせりふは多かったのですが、ほかの映画に比べるとせりふは少なかったですね。でも戦いながら話すわけにもいかないので(笑)。話さない分カメラや照明、それに俳優の体の動きによって観客はせりふを感じることができるのだと監督はおっしゃっていました。わたし自身は話さないことに対してあまりもどかしさは感じなかったのですが、カン・ドンウォンさんは少しそのように感じていたようです。

Q:では、せりふではなく体で表現することのメリットとデメリットについて聞かせてください。例えばせりふを覚えなくていいとか……。

カン・ドンウォン(以下、カン):それいいね(笑)! メリットというのはまずせりふに対してプレッシャーを感じなくていいことかな。僕はこれが3作目の映画出演になるので、自分にしてみればせりふのプレッシャーがないということはいいことだったと思います。デメリットはちょっともどかしかったということ。でもメリットがせりふを覚えなくてよかったというだけじゃあんまりだから、何かほかにない?(笑いながら隣のハ・ジウォンを見る)

ハ:監督は「すべてをせりふによって表現するよりも体の動きによって、それがあたかもせりふのように聞こえるようにする。そうすればそれは世界共通の感覚となり、字幕がなくても全世界の人が感じることができる」とおっしゃっていました。わたしたちの戦いのシーンなども、世界中の誰が観ても分かるということがこの映画のメリットだと思います。わたしは「せりふが少なくて苦労した」とは言えませんが、せりふが方言だったので大変でしたね。

Q:大スターのアン・ソンギさんとの共演はいかがでしたか?

カン:たくさんのことを学びました。例えば暖炉でソーセージを焼くこととか、ストーブでおもちを焼くこととか、いろいろと学ぶことができました(笑)。彼は常に人生において余裕を持って生活されている方なので、共演できて本当によかったと思います。

ハ:わたしはアン・ソンギさんと一緒のシーンが多かったのですが、わたしが演じたナムスンはアンさん演じるアン刑事を無視したり、友人のように接したりすることが多かったんです。彼はわたしよりずっと年長の方なので、撮影をする際はわたしがそのようなプレッシャーを感じないよう、自然に演技できるよう気を配ってくださいました。おかげで撮影中は本当に友人のように接することができましたし、一緒に食事をするときなどはまるで父親のようにおいしい食べ物についていろいろ説明してくださったりと、本当に優しくしてくださいました。

■2人のダンスはプロ顔負け!?

Q:今回ハ ・ジウォンさんは男性と同じぐらいの運動量をこなしたということですが、その秘訣(ひけつ)は何でしょうか?

カン:(にこにこ笑いながら力こぶを作ってみせる)

ハ:体力があったので監督がわたしをキャスティングしたという話もあったのですが、わたしはもともとスポーツが好きなんです。ただ今回はアクションシーンも多かったので肉体的につらいものがありました。漢方薬を飲んだり、うなぎを食べたりして、撮影に入る前には“禅武道”というお坊さんたちが修行のためにする武道もやりました。とても大変でしたが、実際撮影に入るとつらい姿勢をとったりするときにとても役に立ったんです。

Q:カン・ドンウォンさんは一生懸命ダンスの練習をされたということですが、ハ ・ジウォンさんにダンスを教えてもらったりしたのでしょうか?

カン:ダンスは先生に習いましたよ(笑)!

ハ:(笑)

Q:どちらの上達が早かったのでしょうか?

カン:やはり女性ですからハ ・ジウォンさんのほうが基本的な姿勢などは上手でしたよ。

ハ:そんなことないですよ。最初はそうだったかもしれないけれど、後になったら先生がカン・ドンウォンさんに「ダンスコンクールに出なさい」と言ったぐらいですから!

Q:では、2人ともダンスが上手だったということですね。

カン:はい(笑)!

Q:男まさりのナムスンが恋をしてだんだん女性らしくなっていくのですが、どのようにして感情を込めていったのでしょうか。

ハ:もっと女性らしく変わることもできたのですが、わたしも監督も一致した意見は、やはりナムスンは最後までナムスンらしくあるべきだという考えだったんですね。ですから、最後のほうで2人が一緒にお酒を飲むシーンがありましたよね。あのとき彼女はちょっとおしとやかになったかな……という気もしますが、急に大声をあげたりおかしな表情をしたりします。だから心はとても女性らしくなっていても、“悲しい目”の前では堂々と男らしくしていたい、そのようなフリだけでもしていたいというのがナムスンにはあったのです。彼女は最後までナムスンらしさを失わなかったと思います。

Q:カン・ドンウォンさんは彼女を見ていて「きれいになったな」と感じたりしなかったのでしょうか。

ハ:彼はわたしがおしとやかになると笑うんですよ! 大声を出したり変な顔をしたりするときは真剣な顔をしているのに、ちょっと女性っぽいしぐさをするとすぐに笑うんです。

カン:僕はナムスンが妓生(キーセン : 芸者)の格好をしておしとやかにしている姿もよかったのですが、やんちゃでイタズラっぽい表情のほうがずっと好きでした。

Q:そちらのほうが素のハ・ジウォンさんに近いということでしょうか?

ハ:いいえ、違いますよ~(と必死で否定する)。ね、そうよねっ(と半ば脅すように(?)カンに同意を求める)!

■韓流ブームには巻き込まれない!

Q:日本は韓流ブームが続いていて、ペ・ヨンジュンさんら“韓流スター”がもてはやされています。これから韓国映画界を担っていく世代のお2人はそのことについてどう思われますか?

カン:僕は特に"韓流ブーム"に固執はしません。自分自身もそのブームに乗らなければというような気持ちはないです。映画が評価されれば日本だけでなく、アジアや世界でも通用する俳優になれるのではないでしょうか。映画さえ認められれば、俳優も認められるのではないかと思っています。今後、日本で活動することがあったとしても、特に戦略的にどうこうするというのではなく、今まで韓国でやってきたとおりにやりたいと思っています。

ハ:正直言うとわたしは“韓流ブーム”についてはよく分からないんです。でもペ・ヨンジュンさんをはじめ“韓流スター”の方々のおかげで日本の人々が韓国に興味を持ってくださるようになったのはよいことだと思います。わたし自身はよい映画やよいドラマに出演することによって、わたしを好きになってもらえるような俳優でありたいと思っています。

カン:これだけははっきりと言っておきたいのですが、僕はブームに巻き込まれて埋もれてしまうということは絶対にしたくありません!

韓国の若手トップスター2人は映画の中で演じた恋人同士というよりも、まるで仲がよい姉弟のようだった。ハキハキと明るく受け答えする、しっかり者で太陽のようなハ ・ジウォン。そして実はシャイなのだが彼女の答えにちゃちゃを入れたり、真顔で冗談を言ったりしつつも自分の立ち位置をしっかりと見つめているカン・ドンウォン。このような世代がこれからの韓国映画界を背負っていくのかと思うと頼もしい。

『デュエリスト』は4月22日より丸の内プラゼールほかにて公開。

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