シネマトゥデイ

土屋アンナ
『サイレントヒル』
『サイレントヒル』土屋アンナ単独インタビュー

取材・文・写真:FLIXムービーサイト

娘を救うために、奇妙な場所に迷い込んだ母親を襲う恐怖の数々……。一見すると恐ろしい映画に思えるが、ある少女の悲しい過去が暴かれたとき、その恐怖は悲しみに変わっていく。そんな、ホラー映画が7月8日から公開される『サイレントヒル』だ。この映画のイメージソングを、若い女性にカリスマ的な人気を誇っている土屋アンナが歌った。曲の名前は「Lovin' you」。作品からインスピレーションを得て、作詞も手掛けた土屋に、曲に込めた想い、そして、「土屋アンナ」という1人のアーティストとしての想いを語ってもらった。

■ホラーというよりも、悲しさに心が打たれる映画

Q:作品をご覧になった感想をお願いします。

感想は、まず「怖い」。もうすっごい怖くって……でも、なんか観ていくうちに、怖いだけでなく、悲しくなってきちゃって、本当に心がズドンと打たれたみたいでした。

Q:ホラー映画は、よくご覧になるんですか?

弱いなあ。でも、観ちゃう人(笑)。怖い怖いって言いながら観ちゃう。

Q:じゃあ、結構楽しんで観るんですね。どういうシチュエーションで観られますか?

結構、友達とかと観るのが多いかもしれない。家族と観ると怖いから途中でやめちゃうんですよ。だけど友達とだったら、友達も観ているし、観なきゃいけないって……。普通のホラー映画って、本当に怖いだけでドキドキして疲れて終わっちゃうことが多いですよね。それが、この映画に関してはどちらかというと、ホラーというより女の子の悲しさの方が観ていてつらくなってきてしまって……怖いというか、悲しい子だな、かわいそうな子だなって感じで観ちゃいました。

■冷たさや暗さの中にある、美しさを伝えたい!

Q:この映画のイメージソングのお話が来たときの感想を教えてください。

ぶっちゃけ、ロックとホラーって合うと思うんですよ。わたしの歌っている曲は深い歌が多いから。闇とか、暗さとか、冷たさとかが曲の中に入っているんで、イメージソングのお話を聞いたときは、「いいんじゃないの」って思いました。わたしは、曲に込めた冷たさや暗さの中にも、ちゃんと美しさがあるってことを、伝えたいんです。この映画もそうだったから、自分がやりたいって思ったんです。

Q:作品を観て浮かんだイメージもありましたか?

そうですね。でも、ベースはやはり自分の音楽でありたいから、自分の音楽のこうでありたいというところは崩していないんですけども、ピッタリ重なっちゃったので影響された部分もあるし、自分のやりたいようにしたところもあります。

Q:CD、すごく良かったです。

いいですよね! 本当に深くてドラマティックな激しさがあるから。題名と同じように「愛を求める」映画の内容にピッタリ沿っているだけでなく、また違った部分もあって。自分が普段何を思っているか、何を訴えたいかを伝える歌詞にはなっているかな。愛情を求めるために美しくなろうと努力する。努力している美しさっていうのはいったいなんだろう。美しければみんな愛してくれるのか。そうではない。美しくなろうとすることではなく、自分自身でいることが一番なのではないのかっていう……。

Q:深いですね。

深い、深い! みんなきれいになりたい。でも、きれいになって疲れたときに悲しくなると思う。やっぱり美しければ愛されちゃうの? この映画に出てくる女の子はシチュエーションが違うけれど、「わたしはこうなの、こうなの」って言っていても美しくなければ、みんなは愛してくれない。でも、たとえ彼女が美しくて、愛されていても絶対寂しい思いをすると思うんですよ。

■うそがなくて、人間くさい。それがロック!

Q:ロックの魅力は何ですか。

魅力は……人間くさいんですよ。えーっと、ほかの音楽を否定するわけではないんだけど、人間を見ていると、"いい人"でいる人っていっぱいいると思う。自分の嫌なところを常に出している人ってすごく難しいし、逆に少ない。でも、ロックはまさにそれ。良いところも見せるけど、嫌なところもいっぱいあるのよ! 全部を見てよっていうのがロック。うそがなく、決まりごともなく、人間らしい。ジャンル分けはしたくないけど、それが、ロックというジャンルなんだろうな。

Q:土屋さんには女性のファンがすごく多いですよね。最近の若い女性って、このモデルさんが好きだから、この格好をまねるって人が多いじゃないですか。そういう若い女性たちを見ていて感じることはありますか?

まねしてくれているのってすごくうれしいんですよ。いいと思うから同じように、まねしてくれていると思う。でも、それだけでは良くないと思って。うちらは、「こういう洋服あるんだよ。こういうメークがあるんだよ」ってただメッセージを伝えているお仕事なんで、それを吸収して自分で遊んで欲しいな。

Q:アーティストとして、曲を作られる上でも、女の子に向けたメッセージを込めている部分ってありますか。

うん、わたしがいろんなタイプの女の子になっている曲がいっぱいあります。わたしっていう人間は本当にロックな感じもあるし、癒し系のところもあるし、優しいところも、きついところもある。1曲1曲違う女の子をやっているんだけど、でも、土屋アンナ。それをみんなに観てもらいたくて……。

■母親として、死ぬまで子どもを守っていきたい

Q:『サイレントヒル』にはとても強いお母さんが出てくるんですが、土屋さんも、お子さんがいらっしゃいますよね。母親の視点になってご覧になった部分はありましたか?

ありますね。やっぱり自分の子だったらどうしようとか。自分の子が同じような目にあっていたら、絶対必死で助けますね。

Q:すごく怖いところにお母さん1人で立ち向かって行っちゃって……。

初めは怖そうにしていても、どんどん入って行っちゃって。慣れてんじゃないのかってくらい(笑)。でもきっとね、恐怖心よりも、そんなのどうでもよくなっちゃって、それより娘とか息子を……って感じで、何も見えなくなってくるんでしょうね。そういう気持ち、すごくよく分かりますね。

Q:土屋さんご自身も、『下妻物語』のように強い女性像を演じられる機会が多いですよね。弱い部分もあるけど、強い部分もある。ああいう、強い女性像には引かれますか?

引かれますね。母親としても、強い女性でありたいし。やっぱり自分が、自分の親を見たとき、カッコいい親でいて欲しいとか思いますしね。わたしが子どものころは、自分がどんなミスをしようが、何があっても親が救ってくれるっていう安心感があったから、わたしの子どもにもそう思ってもらいたいんです。産んだときの強さってあるから、死ぬまで子どもを守っていくのが親の役目だと思う。そして、その強さは、子どもが成長するにつれて強くなっていくと思うんです。

■ホラー映画が苦手でも大丈夫!

Q:『サイレントヒル』はホラーの苦手な人が観にいくのは気後れすると思うんです。ホラーが苦手な土屋さんでも楽しめた、おすすめのメッセージをお願いします。

最初の出だしとか「わー、怖い!」っていうのがあるけど、ちゃんと目をつぶらずに観ていくと、本当に怖いのは一瞬。でも、ストーリーは、完璧に美しい。でも、「怖がらず」って言っても、怖いところは怖いもんね(笑)。まあ、それはビビってくださいというところなんですけどもね(笑)。それよりもこの映画は何を伝えたいのかをきちんと観て欲しいです。

インタビューが終わったとき、その場にいたスタッフ全員が、「土屋アンナ」という人間に引き込まれていた。それはきっと、土屋アンナの口から紡ぎだされる言葉のひとつひとつが彼女自身を物語っていて、その言葉が強い意志を持っていたからではないだろうか。ロック、美しさ、悲しみ、母親としての強さ、土屋アンナを形成するいくつもの要素が重なり合って、魅力的な女性が作られた。そんな気がしてならない。パンクな風ぼうで、一見するとちょっと怖そうなお姉ちゃんというイメージも持たれかねないが、今回のインタビューで、彼女の強さ、内に秘めた美しさを垣間見た気がした。「他人と違っても大丈夫」。そんなメッセージが込められた「Lovin' you」を聞いて、『サイレントヒル』の中にある愛を感じて欲しい。

『サイレントヒル』は7月8日より全国にて公開。

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