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玉木宏
『ただ、君を愛してる』
10代のころはコンプレックスもあったし、
身を削る恋愛もした
『ただ、君を愛してる』玉木宏 単独インタビュー

取材・文:渡邉ひかる 写真:シネマトゥデイ

市川拓司のロングセラー小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を映画化した純愛ラブストーリー『ただ、君を愛してる』。誰にも言えないコンプレックスを抱える青年・誠人と悲しい運命を背負った少女・静流(しずる)の、もどかしくも切ない純愛模様をつづった本作で、主人公・瀬川誠人を演じた玉木宏を直撃! しかも、今回は渋谷の街を駆け巡るスカイバス上での異色インタビューとなった。路上からは、彼をひと目見ようと集まった女の子たちの黄色い歓声が飛び交う中、役作りや自身の恋愛感について語ってもらった。

■物語の純愛部分が魅力

Q:脚本を初めて読んだときの感想は?

台本をいただいて、初めて原作があることを知りました。原作を読んでから台本を読むと原作の印象に影響されてしまうので、原作は「撮影が終わったころに読もう」と思いました。ただ、僕は原作の元になった映画『恋愛寫眞 Collage of Our Life』をすでに観ていたので、「あの映画のアナザーストーリーなんてありえるのだろうか?」とは思っていました。けど、台本を読んだときには、元の映画を忘れてしまうくらい、作品の世界観にどんどん引き込まれてしまって……。1本のオリジナルのラブストーリーとして純粋に楽しむことができました。

Q:やはり純愛部分に一番引かれたということでしょうか?

そうですね。何か特別な事件が起きるわけではなく、主人公2人の感情を追っているだけなのに、ものすごく抑揚のある物語になっています。きれいなセリフもたくさんあるし、自分で演じて実際にそれらのセリフを言ってみたいなと思わされました。

■土踏まずがないことが悩みだった?

Q:瀬川誠人というキャラクターをどうとらえて演じましたか?

誠人は脇腹に“かゆみ”を抱えていて、そこにつける薬が周りの人間に、におっているんじゃないかと気に病んでいる。それ以外はごく普通の、どちらかと言えば受け身なタイプの青年だと思ったので、そのコンプレックスにポイントをあてて演じました。ファンタジー要素のある物語の中で、リアリティーを持たせなくてはならない部分だと思ったんです。

Q:玉木さん自身は、他人にとってはささいなことなのに、自分にとっては重大な悩みだったというようなコンプレックスを抱えていた経験はありますか?

コンプレックスって、10代特有の感情だと思うんですよね。僕も10代のころはコンプレックスを抱えていた気がします。「もっとこうだったらいいのにな」と若いときはないものねだりをしてしまう。でも、大人になって社会に出たときは「そんなことを気にしていても仕方がない」と思えるようになりましたね。

Q:差し支えなかったら、具体的にどんなコンプレックスが……。

今となってはコンプレックスではないんですが、僕の足の裏には土踏まずがなくて……。健康サンダルのようなものを履くと痛くて仕方がなかったんです。「どうして僕には土踏まずがないんだろう?」と悩んでいましたね(笑)。

■実年齢と差のある役作り

Q:実年齢とギャップのある18歳の青年を演じるにあたって意識したことは?

撮影時は25歳だったんですが、やはり7歳の差は大きく感じましたね。自分のナチュラルな声のトーンだと低くて重すぎると思い、声のトーンを高めにして、誠人のイメージである柔らかさを出そうと意識しました。

Q:誠人はご自分と共通点のあるキャラクターですか?

似ている部分はほとんどないですね。誠人はすごく鈍感なキャラクターなんですけど、「さすがにここまで鈍感だったら問題だな」と演じていて思ってしまったくらいなので(笑)、自分とは似ていないと思います。

Q:おっしゃる通り、誠人は純粋無垢で鈍感ですが(笑)、彼は静流が自分に寄せてくれる思いに本当に気づいていなかったのでしょうか?

気づいているとは思うんです。ただ、誠人は静流と波長が合う、うれしさを出会った瞬間から感じていて、彼女を一緒にいて居心地のいい存在にしておきたいと願っている。その一方、黒木メイサちゃん演じるみゆきへの恋心が自分にとっての真実だと考えているわけですから、静流への気持ちはいつのまにか大きくなってしまったものだと僕はとらえました。でも、もう少し早く気づいてもいいですよね(笑)。

■順調な恋愛を希望

Q:誠人と静流のもどかしい純愛を、玉木さん自身はどう思いますか?

静流という女性は外見はオリジナリティーにあふれていますが、内面は自分の気持ちに対して真っ直ぐに生きている女性。その辺りは純粋に共感できました。誠人があそこまで受け身なタイプじゃなければ、2人の恋はもう少し順調に進んでいたんじゃないかとも思いますね。そんなもどかしさが物語の面白さでもあるし、もし自分だったら彼らよりは順調な恋愛を希望したいなと思いますね(笑)。

Q:静流のように、感情を素直に表に出す女の子は好きですか?

大事なことだし、好きですね。何でもさらけ出してしまうのは問題ですが(笑)、思ったことを相手に伝える勇気を持っている子は尊敬できます。

Q:そんな静流を演じた宮崎あおいさんとの共演の感想は?

今回が初共演だったのですが、役にリアリティーを持たせられる女優さんだと思いました。それは彼女の過去の作品を観ていたときに感じた印象でもあります。どの役を演じるにしても、確かなリアリティーがある。台本を初めて読んだときには静流をあおいちゃんが演じるとは決まっていなかったのですが、配役が決まり、撮影が始まってからは「静流がここにいる」と確実に思わせてくれました。

■身を削るような恋愛経験は……

Q:とても長いキスシーンの感想は?

かつてないくらいの長いキスシーンでしたね(笑)。でも、このキスシーンがないと、この映画は何も成り立たないと言っていいくらい重要なシーンだったと思います。この作品はファンタジー要素のある物語ではありますが、このシーンに必要なのはリアリティーを持たせることだと思っていたので、そこを十分意識して取り組みました。実は元の脚本ではもう少し大人びた雰囲気のシーンに想定されていたのですが、僕はあくまでも誠人と静流でありたかったし、彼らならではのキスシーンにしたかったんです。映画の中で、誠人は「今までに5回くらいキスをしたことがあるよ」なんて言っていますが、絶対にしたことがないと僕は思っています(笑)。だから、彼はキスをするときの顔の傾け方さえ分からない。そんなたどたどしさを経てキスに至る2人の関係を表現したかったんです。

Q:静流は恋愛することで文字通り身を削ったわけですが、玉木さん自身、身を削るような恋愛をしたことは?

10代のころはよくありましたけど……。突っ走ることもありましたし。けど、今はちゃんと理性が働いていますから(笑)。誰にでも一度は身を削った経験があると思いますけどね。

Q:差し支えなかったら、具体的にどんな恋愛だったか……。

それは差し支えありますね。ハハハ。こんな公の場で!(笑)

身を削った恋愛話のゲットには失敗したが、陽が落ちる直前の渋谷で、公衆の面前にもかかわらず、作品にまつわるさまざまな話を披露してくれた玉木。1作ごとに真摯(しんし)に役に取り組みながら、俳優として確実に成長している彼を、いつまでも心に残るすてきなラブストーリーの中で体感して欲しい。

玉木宏 最新情報はhttp://www.tamakihiroshi.com/まで。

『ただ、君を愛してる』は10月28日より丸の内TOEI 1ほかにて公開。

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