シネマトゥデイ

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リンジー・ローハン、デミ・ムーア、シャロン・ストーン
『ボビー』
セレブのステイタスを、ポジティブなことに使うことが大事
『ボビー』リンジー・ローハン、シャロン・ストーン、デミ・ムーア インタビュー

取材・文:前田かおり

“ボビー”の愛称で親しまれ、アメリカの希望と呼ばれたロバート・F・ケネディ上院議員の暗殺事件を題材にした『ボビー』。俳優エミリオ・エステヴェスが監督・脚本を手がけたこの作品はアンソニー・ホプキンスをはじめとする豪華キャスト22人による群像劇ということでも話題を集めている。なかでも、今やヤングセレブの代表格のリンジー・ローハンと本作で久々に復帰したデミ・ムーア、そしてシャロン・ストーンが劇中で顔合わせ。ハリウッド新旧の性悪女対決といってもいい共演を遂げた3人それぞれに撮影秘話を語ってもらった。

■セレブリティのステイタスの使い道

Q:ロバート・F・ケネディこと、ボビーの事件のときはもちろん生まれてもいないし、事件のことも知らなかったと思いますが、出演を決めた理由は?

リンジー・ローハン:確かに演じるまではあの時代に対して、今の知識の半分もなかったわ。でも、監督のエミリオがたっぷりと説明してくれたの。わたしは、ベトナム戦争に徴兵されるかもしれない恋人と結婚するという女性を演じているのだけど、この役を通して、わたしと同じジェネレーションの人に戦争が起こす悲劇や今、この時代の政治について考えて欲しいと思ったの。

Q:実際に演じてみてどうでした?

リンジー・ローハン:13歳になるわたしの妹が撮影現場に来たのだけど、彼女は「ボビーって、誰?」という感じで、何も知らなかった。そんな妹が、家に戻るころには彼について話をしていた。この映画はとても大切なことを考えさせるのよ。わたしは自分がこれまでに得たセレブリティのステイタスを、今回のように、ポジティブな意味のあることに使うことが大事だと思っているわ。

■元カレが監督

Q:デミへ。監督のエミリオとは20年前に婚約していましたよね。今回の映画では夫婦役として、共演もしていますが、どんなオファーがあったのですか?

デミ・ムーア:エミリオとは別れたとはいえ、話をする仲だったの。で、5年ほど前に彼から「君にある脚本を送るから読んで欲しいんだ。感想を聞かせて欲しい」と言われていたの。実際、送られてきた脚本を読んだら、彼がとても情熱を込めた作品だと分かった。

Q:(現在の夫の)アシュトン・カッチャーも出演していますね。

デミ・ムーア:ええ。彼は彼で脚本を読んでいたの。ある夜、わたしがエミリオと電話しながらオフィスを歩き回っていたら、エミリオが「アシュトンは出てくれるかな?」というから、「彼と話す?」と受話器をアシュトンに渡した。それから2人は夜中の2時までしゃべってたみたい(笑)。

■出演者のギャラが一律2000ドル程度

Q:エミリオは「出演者の一人あたりのギャラは一律、2000ドルぐらい。ほとんどタダ働きしてもらったようなものだ」と言っていますが……。

デミ・ムーア:ええ。でも、みんなエミリオの情熱が伝わってきたから出演した。お金のためじゃないわ。

シャロン・ストーン:そうね。わたしもエミリオがいかに熱心なのかを感じたわ。それにわたしが演じるのは、ボビーが暗殺されたロサンゼルスのアンバサダーホテルの内にある美容室の美容師。夫はホテルの支配人という役柄で、劇中、多くの人たちと関わるの。とてもやり甲斐のあるキャラクターだと思ったわ。デミとの共演シーンも深みを持って書かれている。2人の女が本音で話すシーンなんて聞きたくないって思いがちだけど、本当は興味あることなのよ。

Q:デミへ、あなたは今回の映画ではかつては人気歌手だったのに、今はホテルのショーで歌う歌手として落ちぶれてしまったという役柄で、歌声も披露していますね。

デミ・ムーア:ええ、実際に歌ったけれど、そのせいでこの役柄を受けることを悩んだこともあったわ。でも、エミリオが女優としてのわたしを信じてくれていた。歌うことはもちろんだけど、わたしがキャラクターに命を吹き込めるって、だからやり通すことができた。それに、エミリオが今回クリエートしてくれたようなリッチで複雑なキャラクターって、なかなか出会うことがないのよ。

■女に年齢は関係なし!

Q:確かに、ハリウッドでは一定年齢を過ぎると、あまり登場してくれなくなりますね。

デミ・ムーア:ただ、だからってわたしたち自身が20歳、30歳を過ぎたら、女として価値がなくなるなんて思うべきじゃないわ。年を重ねることが大事なの。人間はいくつになっても語るべき面白いストーリーは持ってると信じるべきだわ。ティーン・エージャーや20歳のとき、わたしたちは素晴らしいストーリーをいくつも持っていたでしょう。だから、30歳、40歳、50歳になれば、もっとたくさんあるはずなのよ。

Q:リンジーへ。ロバート・アルトマン監督の『今宵フィッツジェラルド劇場で』(日本3月3日より公開)でもそうですが、とても真面目でアーティスティックな作品のアンサンブルキャストの一人として参加することに興味を持っているの?

リンジー・ローハン:素晴らしい俳優たちと共演できるのは、すてきなことだし、映画にかけるパッションをみんなでシェアできることもすてきだわ。

■尊敬するシャロン様

Q:リンジー、劇中、あなたとシャロンとの共演シーンはとても印象的です。特に、あなたがシャロン演じるダイアンの美容室で、彼女に恋人のことで相談するシーンは感動的な場面になっていますが。

リンジー・ローハン:わたしはシャロンを女優としても人としても尊敬してきたの。だから、演技の前はとてもナーバスになっていたわ。でも、彼女と手を握り合うシーンでは何もしなくても自然と涙が出てきていた。

Q:リンジー、あなたは将来もセレブリティのステイタスを良い目的のために使いたいと言っていたけど、シャロンとの共演で何かインスピレーションを与えられた?

リンジー・ローハン:そうね。

シャロン・ストーン:あなた今、いくつだっけ?

リンジー・ローハン:20歳です。

シャロン・ストーン:子どものころから、この世界にいてずっと公の目にさらされて、青春を送ってきた彼女が人間的なメッセージのある作品に参加した。これは素晴らしいことよ。わたしなんて20歳のときは何していたかしら、まるっきり常識もなかった(笑)。でも、セレブリティやパワーを持つ人は自分が取る行動が他人に影響を与えるんだと自覚すべき。リンジーはそのパワーを使おうとしている。彼女の強いボイスを使ってね。こんな彼女をわたしは誇らしく思うわ(笑)。

劇中の役どころと同じく、姐御なオーラーで威圧しまくってたシャロン、そして昔の彼の監督作に現在の夫〈それも15歳も年下〉と余裕で出演のデミ。私生活では何かとお騒がせをしてはパパラッチに追い回されているリンジーが、この取材の日ばかりは、借りてきた猫のようにおとなしかった。さすがにかつてのコジップ女優たちには勝てないか……。そんなハリウッド女優のパワーランクを垣間見た、とても興味深い取材だった。

『ボビー』はTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開中。

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