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成海璃子
『神童』
自分でもかなり気は強い方だし、
負けず嫌いだと思います
『神童』成海璃子 単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:秋山泰彦

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5歳から子役として活躍し、テレビドラマ「瑠璃の島」や「1リットルの涙」などの演技で高い評価を受ける成海璃子。若手女優の中で最も注目を集める彼女の映画初主演作は、さそうあきら原作の同名のコミックを映画化した『神童』。“音楽”をとおして心を通わせる少女と青年の心温まる物語のヒロインになりきるために、撮影前の1か月間をピアノのレッスンに費やしたという彼女に、撮影での苦労話や映画初主演の感想などについて聞いた。

■負けず嫌いの成海璃子

Q:今回“神童”と呼ばれる天才ピアニストを演じることに、プレッシャーを感じましたか?

それは特になかったですね。わたしが演じた“うた”という女の子は周りからは「神童」と呼ばれていますが、自分自身ではまったくそういう風には感じていないんです。だからそのことでプレッシャーを感じることはありませんでした。

Q:撮影前に1か月間、ピアノの猛特訓をされたそうですが、練習は大変でしたか?

大変でした! 最後の方にオーケストラと一緒にピアノを演奏する長いコンサートシーンがあるのですが、ピアノを弾く手元を映し出すカットがとても多かったので、とにかくそのシーンのために必死に練習をしました。わたしは、5歳から小学校4年生ぐらいまでピアノを習っていたのですが、映画のために毎日練習しました。

Q:“うた”は、かなり気が強いようですが、ご自身も気は強いですか?

わたしは“うた”のように男の子とケンカをしたりはしませんが、自分でもかなり気は強い方だし、負けず嫌いだと思います。

Q:一緒のシーンが多かった松山ケンイチさんと共演された感想を聞かせてください。

松山さんは芝居に対してすごくまじめな方だと思います。現場がとても楽しかったので、その雰囲気が自然ににじみ出て、“ワオ”と“うた”のいい関係が表現できたのかな……と思います。

■『神童』は自分にとって大切な作品

Q:映画初主演の感想を聞かせていただけますか?

映画に“初めて”主演をするということはこれから先、もう二度とないわけですよね。だから、やはり自分の中でとても大切な作品になったと感じています。

Q:“音”がとても重要なポントになっていますね。

原作を読んですごく面白いと思いました。この映画では“音”というものがとても重要で、今まで自分は何年もピアノを習っていたのに、全然その“音”というものを知らなかったんだと感じました。ピアノを弾く人によっても音が違うし、もちろんその日の気分によっても出る音が違ったりするので、そういうことにも初めて気付いて面白いと思いました。また気が向いたらピアノのレッスンを再開するかもしれませんね。自分の部屋にピアノはあるのですが、忙しくてなかなか弾けないんです(笑)。

Q:お芝居とピアノではどちらが難しかったですか?

いやぁ~、分からないですね(真剣に悩む表情)。どちらも奥が深いし難しくて、本当に分からないです。

Q:“うた”とご自分の共通点はありますか?

役と自分を重ねて考えることがないので、分からないです。活字だけ覚えても全然セリフが頭に入らないので、わたしはまずは全体的な流れをつかむために台本を読むんです。それで現場に行ったときには、すでに“うた”になっているという感じです。頭で考えてというより、現場では常に役になりきっているように心掛けています。

■カラオケで椎名林檎の曲を熱唱

Q:この映画の中ではふんだんにクラシック音楽が使われていますが、普段はクラシック音楽を聴かれますか?

あまり聴かないですね。コンサートの演奏シーンでわたしが弾いていたモーツアルトの「ピアノ協奏曲第20番ニ短調 k.466」という曲があるのですが、練習中に、何時間もその曲を聴いていたので、今でも忘れることができないんですよ。だからいまだにその曲が流れてくると「出た~!」と思ってしまうんです(笑)。

Q:普段はどのような音楽を聴かれているのでしょうか?

邦楽だったらソロのころの椎名林檎さんが好きです。カラオケに行くと椎名林檎さんの曲を2時間、アルバムを全曲歌い尽くす勢いで歌っていますから(笑)。

Q:あこがれの女優さんや、将来目標にしている女優さんはどなたかいらっしゃいますか?

目指している人はいないですね。自分で目標を決めてしまうと、その人のコピーになってしまうような気がして怖いので、あえて目標は作らないようにしているんです。でもジョニー・デップさんは好きです。どの作品を観ても全然イメージが違っていて、そういう風に自分も幅の広い演技ができたらいいな……と思います。

Q:お気に入りのシーンについて教えてください。

全部好きなシーンですが、個人的には冒頭とラストのシーンが好きです。冒頭は“うた”と“ワオ”が初めて出会うシーンで、ラストは“うた”と“ワオ”が連弾をするシーンです。映像もすごくきれいですし、どちらもステキなシーンだと思います。

Q:撮影中の一番楽しかった思い出は何ですか?

泊まりがけで群馬県の高崎市で撮影をしたのですが、撮影が終わった後もみんなで一緒にごはんを食べに行ったり、怪談話をしたりして盛り上がってとにかく楽しかったです。早朝はまだ暗い内から撮影をして、丸1日撮影ということも多かったのですが、わたしは現場が大好きなので、お芝居に熱中していると、あまり疲れたとは感じませんでした。

■芝居への意欲

Q:最初に女優を目指したきっかけは何だったのでしょうか?

5歳からこの仕事を始めたのですが、そのころはテレビがとても好きだったので、テレビに出たいと母親に言いました。それからCMなどの仕事をして、その後テレビドラマに出るようになって、2年前ぐらいに「芝居って面白いな」と目覚めたんです。それからはどんどん芝居に熱中して、今では演じてみたい役が一つにしぼりきれないぐらいあるんです(笑)。わたしは自分の年齢より上の役を演じることが多いのですが、どの役もそれぞれ違っていて、毎回違う役を演じられるのがすごく楽しいですね。

Q:最後にこの映画をご覧になる方々にメッセージをお願いします。

“うた”と“ワオ”の関係は、友だちとも恋人とも言えないすごく微妙な関係なんです。その二人の間にある音楽というものを感じて欲しいし、音で通じ合っているというところをぜひ観て欲しいです!

大人びた印象の中にもどこかガラス細工のような繊細さが垣間見える成海璃子。そのアンバランスさが現在の彼女の最大の魅力なのかもしれない。とても10代の女の子とは思えない、プロ意識をきちんと持った彼女のそのしっかりとした姿勢には頭が下がる。14歳にしてすでに大物女優の風格を漂わせる彼女だが、天性の美ぼうと持ち前の気の強さで、さらにスケールの大きな女優として飛躍していくだろう。

『神童』は4月21日より渋谷シネマライズほかにて公開。

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