シネマトゥデイ

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ここに来るまで、自分自身いろいろ変化してきました。普通成年期に、仕事の充実を図るのなら、自分の生活を犠牲にした選択をしなければなりません。それは表面上、男女両方平等ですが、一般に女性だと家族を抱えて自分のやりたいようにできないものです。女性にとって、家庭と仕事を両立ることは、パートナーの協力が必須です。-スーザン・サランドン-女性として、女優として、さまざまな変化をしながら成長するスーザン・サランドン
日々の生活の中で自分の気持ちを抑えたり、我慢したりせずに、自分の意思をストレートに発言することは、わりと難しいものである。それは、夫婦の仲でさえも言えることではないだろうか? 配偶者に尽くすため、自分を押し殺した生活が、はたして本当の意味での結婚の形なのであろうか? 対等の立場で、お互いに刺激しながら高め合い、さらなる充実した幸せというものができないものであろうか? 結婚やハリウッドの古い慣習にとらわれず、知的かつ洗練された演技力で独自の地位を築き上げてきた女優スーザン・サランドン。その彼女が公私共に最良のパートナーであるティム・ロビンスを得て、子どもを授かり、キャリア・アップさせた生き様を、ロング・インタビューを通して紹介させていただく。
映画『ハリウッドランド』に関して!
Q: あなたはこれまでご自身のプライベート生活を重要視し、自分を見失わなずに仕事を続けられてきましたが、その秘訣は何でしょうか?
 
(スーザン・サランドン)もちろん、ここに来るまで、自分自身いろいろ変化してきました。普通、成年期に、仕事の充実を図るのなら、自分の生活を犠牲にした選択をしなければなりません。それは表面上、男女両方平等ですが、一般に女性だと家族(子ども、夫)を抱えて自分のやりたいようにできないものです。それが女優として、多数の映画に出演し続け有名な配給会社が、やっと俳優として評価してくれて、全面でバックアップしてくれた時に、これまで抱えていた問題が、ようやく自分の意志で思うようにできるようになります。ただ女性にとって、家庭と仕事を両立ることは、パートナーの協力が必須です。
 
Q:あなた自身は、俳優のルールみたいなものに厳密に従うことはあったのですか?
 
(スーザン・サランドン)ルールと言うより、実際シングル・マザーで、家族のうち2人が俳優であると非常に困難でした。私が撮影時中は、どこのセットにも自分の子どもを連れて行きました。

子どもが幼少のころは、夏休みに大作映画などの仕事を集中させて、子どもの学校の授業があるときは、できるだけ家に居られるように試みたんです。

子どもが産まれて、すぐは、その当時あった映画のオファーはそっちのけで、断然子どもに集中していましたからね。ずっと夏に撮ってきた作品の中で、唯一、夏に撮らなかった映画が『デッドマン・ウォーキング』でした。もっともこれも、監督(ティム・ロビンス=良きパートナー)と一緒に住んでいるから、特別という訳ではありませんね(笑)。

そのとき、この映画に結局、娘(エヴァ・アムリ)も出演することになって、彼女は学校に行くために、ニューヨークと撮影の行われた南部の州を往復していたんです。

撮影の現場というものは、共同して物を製作すると言う意味で、実に子どもの教育にふさわしい環境でした。クラフト・サービス(ドーナッツ・コーヒー等を軽く食事ができる)なんかもありますからね(笑)。

Q:ほとんどの俳優が、妥協して辞めてしまおうかと思ったことがあるように、あなたにもそういう時期があったのでしょうか? またそれとは逆に、どの映画に出演したことによって、あなたが一生俳優でやろうと決断されたのでしょうか?
 
(スーザン・サランドン)まだ自分のキャリアが浅かったころ、出演したい映画に、なかなかキャスティングされず、やっと役を頂いても、その役柄に興味が湧かなかったこともありました。それでも常に、役柄ごとに信憑性をもたせるように演じ続けてきました。
 
はじめの7~8年間は、ずっとこんな感じだったと思います。現在、私の娘もこれと同じ状態で、小さな役でも、大役でも、ステージでも、ただひたすら働くことが大事です。その中で、自分しか持たない能力を、演じることによって理解し始めて、それが徐々に自信につながっていきます。
 
この期間は、あくまで勉強の過程であって、失敗も当然で、この映画が自分のキャリアを決めてしまうと言うような考え方は、全く馬鹿げていると思います。この考えは、私がイギリスに住んでいた時もそうでした。そして、ようやく必死だった20代を終えて30代を迎え、これまでの持っていた自分の価値観と見解が、円熟して政治観や世界観に移り変わりました。
 
それと同時期に子どもが産まれたんです。特に映画に対して幻滅をしていた訳ではないのですが、これといって必死になって出演する事もない理由だったんです。この状況下に変化をもたらしたのが、映画『さよならゲーム』で、イタリアに住んでいた私は、ケビン・コスナーとの脚本の読み合わせのため、カルフォルニアに向かったんです。
 
この映画の脚本は、非常に良質のものだったんですが、唯一難点を挙げると、男ばかりの作品であることでした。しかし、それが逆に、スタッフ、俳優全員が私を敬うように扱ってくれ、その上、出演者全員がお互いの演技をさらに引き立たせる環境を作り上げてくれたんです。これは、ある意味チームプレイに徹する映画の核心にあたるもので、私を目覚めさせてくれるきっかけになった作品だったと思います。
 
Q:映画『テルマ&ルイーズ』が、これほど多くの人に受け入られると思いましたか?
 
(スーザン・サランドン)いいえ、私は女性版のカウボーイ映画を製作するぐらいに思ってたくらいです。ただ出演することで楽しめる映画になると思っていたんです。
 
監督のリドリー・スコットは、この映画まで、特に女性中心の映画を撮っていなかったので、製作中でも、彼と映画のテーマについて話を交わしたことがありませんでした。
 
映画の反響は、悪いイメージで描かれていた白人の男性からも支持があったりして、誰もが驚いていました。ヒットの理由は、たぶん女性に暴力という選択肢を与えたこと、映画『明日に向かって撃て』や『突然炎のごとく』のような衝撃的な結末だったからだと思います。
Q: あなたが脚本を読んで次回作を決める際、出演を決定する基準として何が重要なのでしょうか? またその基準は、経験によって変わったりもしたのでしょうか?
 
(スーザン・サランドン)基本的に撮影時の脚本は、妥協を繰り返して、改稿されていることが多いため、最初に読んだ時に、乗り気にならなければ、まず選択しないけど……。
 
うーん、それでも若かったころは、何かを学ぼうとしていたため、特に脚本を選ばす出演し、その過程でわずかのお金が出ればいいくらいの思っていたんです。それとは逆に、子どもがいると、脚本以外にも、いつ、どこで撮影するのかということまで重要になってきたりします。
 
Q:私生活でもパートナーであるティム・ロビンスが監督した『デッドマン・ウォーキング』の評判のよさには驚かれたのでは?
 
(スーザン・サランドン)確かにこれまで、タイトルにDeadが付いている作品で、ヒットしたケースはなかったわね(笑)。誰もこの原作の映画化を試みず、私が本を入手後すぐに、実在するシスター・ヘレンにお会いしたんです。
 
そのとき、彼女はすでに『テルマー&ルイーズ』をご覧になっていて、実はジーナ・デービス(テルマ役)と勘違いしてたらしく、一目私を見たときには、表情がほころんでいました。(彼女が適役だと思っていたため) この作品は、ティムの脚色も素晴らしかったと思っています。
 
製作前の私達は、きっと映画館では公開できずに、直接ビデオのリリースなっても、それでも作品という形で残ればいいと思って製作しました。配役では、ショーン・ペン以外の俳優が思い浮かばず、彼と共にティムは脚本を何度か書き直しました。この映画は、私が抱いていた死刑に対する疑問点をより強固にさせたものでした。まさかこの作品が、大衆に受け入れられる作品だとは全く思いませんでした。結局、興行で100億稼ぎ、2度以上見ている人も結構いるそうです。
 
Q:シアター経験のあるニューヨークの俳優が、映画にチャレンジしてみたいとしたら、どのようなアドバイスを与えますか?
 
(スーザン・サランドン)この俳優という職業は、正しいやり方や間違ったやり方なんてありません。私は、ソープ(昼のメロドラマ)で多くを学んできたんですが、それは、非常にいい訓練になります。あくまで、それがそのまま自分の演技として確立しなければの話ですがね。(笑)同じソープをずっとやり続けるのも嫌でしょう?(笑)それでも、ここニューヨークでは、犯罪ドラマがいつもキャスティングされているし、そしてその配役は、むしろ主演より興味深い配役が多かったりします。
 
私がL.A.行った時にショックだったのは、殺風景な場所にあるスタジオのイメージが強く、その上、スーツ(上役)に覚えてもらうためにはテーブルの上で、服を脱ぐくらいの覚悟がいるものと感じた事もありました。もちろん、そんなことは、やっていないけれどね!(笑)
 
ニューヨークだとなんでもコンタクトがしやすいのは事実です。ずっと活動しやすい場所でやり続けることも大事で、熱意だけで無鉄砲に映画に関わろうとしても駄目です。それより、自分にふさわしい過程を見つけ出すことが肝心だからです。


現在60歳を超え、同じ女優仲間にも一目置かれる存在である彼女、そんな存在でありながら、常に飾らない性格と親しみやすさが今回のインタビューでもにじみ出ていた。それと映画『さよならゲーム』や『ぼくの美しい人だから』などで見せた、円熟したセックス・アピールが、単なる美人女優と違う色気がある。すべてを通して、本当の女性の魅力を垣間見た気がした。
細木プロフィール
海外での映画製作を決意をする。渡米し、フィルム・スクールに通った後、テレビ東京ニューヨ−ク支社の番組モーニング・サテライトでアシスタントして働く。しかし夢を追い続ける今は、ニューヨークに住み続け、批評家をしながら映画製作をする。
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