シネマトゥデイ

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大沢たかお、伊東美咲
『Life 天国で君に逢えたら』
何がおこるかわかりません
何かに試されている気がするんです
『Life 天国で君に逢えたら』大沢たかお、伊東美咲ハワイ撮影現場取材

取材・文・写真:シネマトゥデイ

日本人で唯一、8年間ワールドカップに出場し続けた男がいた。彼は飯島夏樹といい、プロウインドサーファーとして世界大会を転戦し、文筆活動にも取り組んでいたが、2002年に肝細胞ガンと診断され、2005年、妻と子どもたちに見守られながら享年38歳で天に召された。飯島さんが病床でつづった「天国で君に逢えたら」「ガンに生かされて」を基に映画化した『Life 天国で君に逢えたら』のハワイでの撮影現場で、飯島夏樹を演じる大沢たかおと妻の寛子を演じる伊東美咲に話を聞いた。

■ウインドサーフィンは初心者

Q:飯島さんは実在した人物ですが演じる上でいかがでしたか?

大沢:普通の芝居とは違う恐怖感がありましたね。病気と戦ってきた彼の精神力を本当に理解できるのだろうかとか……特にテレビ局が製作した、飯島さんのドキュメンタリーがあるのですが、それを観てからさらに考えましたね。物語も悲しい話というだけではなく、楽しく明るい側面もあります。何より……実際にあった話ですしね。

伊東:わたしは、早く寛子(飯島さんの妻)さんになりたいと思いました。わたしは、結婚もしていないし、子どももいないので、そういったものを背負いながら、夫を失う気持ちというのが理解できるかどうかが不安でした。寛子さんとは、お会いしてお話ししたこともありますが、うれしかったのは、お手紙をいただいたことです。そのおかげでわたしは、少しだけ寛子さんに近付くことができたと思います。

Q:大沢さん、ウインドサーフィンは初心者だったとか……とてもそうは見えませんでしたが特訓をしたのですか?

大沢:そうですね。まったくの初心者でした。特訓ではないですが国内とサイパンでコーチを受けました。実際に撮影に入るとウインドサーフィンの操作をするだけでなく、カメラの位置なども意識しないといけないので、そこに気を遣いました。

■ハワイ流ウエディングドレス

Q:伊東さんは、ウインドサーフィンの経験がありますか?

伊東:あります。学生のころにもしました。ウインドサーフィンは風を体で感じると気持ちよくて、楽しい気持ちになりますよね。

Q:伊東さんが今日、着ていらっしゃるドレスは、シンプルでとてもかわいらしいですね。

伊東:このウエディングドレスは、ハワイアン・テイストなんです。アロハシャツの布地と一緒の素材でできているらしく、風通しがよくて、軽いし、とても気に入っています。

■ミラクルな毎日が続く

Q:ハワイでの撮影はいかがでしょうか。

大沢:撮影では、毎回ミラクルが起きています。毎日それを肌で感じています。普通、演技をするときは、だいたい作品のイメージがあって、そこに持っていこうとするのですが、今回は何が起こるか分かりませんね。僕らも何かに試されているような気がするんですよ。飯島さんが、そばで見ていてくれているような気もします。

Q:ミラクルが起きているんですか?

大沢:東京での撮影でもそうだったんですが、無風のときに、風が吹けばいいのに……と思うとすっと風が吹いたり、虹が出たり……、ハワイでは、もともと虹はよく出るんですが。海、空……自然のすべてが撮影と一体化しているような感じです。なので、スタッフも皆とてもいい状態です。それがまた、ミラクルなことを生んだりしているのだと思います。過去にあまりない現場ですね。すごく楽しいです。

Q:伊東さん、「人を看取る(みとる)」ということは、とても悲しいことですよね。

伊東:看取る(みとる)というところだけを抜き出すと、とても悲しいですね。でも、今回の役もそうですが、悲しいだけではなく、その人と過ごす時間の中には、すごくうれしいことがあったり、温かい気持ちになれたり、充実した気持ちにさせてもらったりと、悲しいという1点に集中するのではなく、いろいろな面があると思うんです。

■『Life 天国で君に逢えたら』にかかわった人々

飯島の妻、飯島寛子のコメント

大沢さんは、わたしがドキドキするくらいすごく飯島に似ているんです。まゆげ、鼻、声の調子まで似ています……というかどんどん似てきています。特に声は、うちの子どもたちに「おみやげがあるんだ」と言ったときに、本人かと思うほど似ていて、ドキッとしました。伊東さんに関しては、本当に申し訳ないと……あんなにきれいな方が、わたしを演じてくださるなんて、本当にごめんなさいと思いました。主人が亡くなって、子どもたちを抱えて、これからも生きていかねばなりませんが、大変だと考えているヒマはありませんでした。こんなわたしですから、わたしの回りの方は大変だったんでしょうね。この映画で、みなさんにハワイの自然とそして、“家族との永遠の愛”を共有することができればいいと思っています。

ウインドサーフィン指導担当の岩崎真さんのコメント

この映画を撮り始めてから、常にミラクルなことばかりが起きます。ウインドサーフィンの大会などが開催されても、日時、場所、天候、風などすべてのコンディションがその日に合わせて完ぺきにそろうわけではありません。しかし、今回の撮影では、それが毎回不思議なくらい見事にそろいます。大沢さんは、ウインドサーフィンに関しては初心者でしたが、飲み込みがよく、すばらしく上達が早いんです。こちらが教えたことに対して、自分で考えながらプラスアルファを加えてくる……なかなかできることではありません。それにとても頭がいい方だと思いました。それから僕は、飯島さんもよく知っているんですが、特に最近、大沢さんは飯島さんに似てきました。横顔とかびっくりするほど似ているんです。

新城毅彦監督のコメント

実際にあった話ですが、物語のドラマチックさは作り込まなければいけない。でも、うそは描けないというのは難しい点でもありました。当事者……つまり、ご家族は確実にこの映画を観るわけですから、ご家族の納得がいかない映画を作るわけにはいかないと思いました。この映画では、一人の人間の命が失われます。でも観ていて出てくる涙は、悲しくて落ちる涙には、したくないです。気持ちがいい、後味のいい涙になることを願っています。

取材の当日に撮ったシーンは、飯島夏樹さんの実際の結婚式でも行われたというウインドサーフィンに夏樹と寛子が2人で乗って、海の上を走るという難しいシーン。大沢たかおと伊東美咲は、補助があるでもなく、ボードにそのまま乗り込み、沖へ繰り出す。初心者だったとは思えない大沢の見事なライディングだったが、カメラは沖からしかとらえられないため、テストも含め、何テイクやり直したか数えきれないほどだ。伊東美咲のウエディングドレスは水を吸って重くなり、大沢は風とカメラの位置を計算しながら、2人乗りのウインドサーフィンを何度も沖へ出さなければならない。炎天下の中、数時間も続く撮影に、笑顔で演技をし続ける2人に、第一線で活躍し続けている役者魂の神髄を見た気がした。

『Life 天国で君に逢えたら』は8月25日より全国東宝系にて公開。

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