シネマトゥデイ

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私的映画宣言 サード・シーズン11月

筆者の近況報告

前田 かおり

仕事部屋がホントに雑然としてるわたし。先日、ある監督の取材で「佐藤可士和の超整理術」を勧められたので読んでいるが、「捨てることは“とりあえず”との闘い」など……、分かっちゃいるけどさぁー。お片付けは難しいっす。

高山 亜紀

夏休みをとり損ない、気付けば冬休み映画の試写続き。毎日、雪やアイスリンクを見てたら、お歳暮は? 年賀状は? と気分は早くも冬ごもり気分。体内時計も変だけど、体内カレンダーもかなりおかしなことになってます。

山懸 みどり

「アントラージュ」「アグリー・ベティ」に続き、ひそかに愛するテレビシリーズ「ラスベガス」が遂に日本上陸。うれしい反面、さびしいような……。もう、わたしだけのジョシュ・デュアメルじゃなくなるのね。くすん。

斉藤 博昭

ここ1か月ほど、珍しく日本の若手俳優の取材が続いたのですが、塩谷瞬、松山ケンイチの“映画で思いを伝えたい”姿勢に感動させられました。うわさの「×××様」みたいな若手ばっかじゃない日本映画界に一筋の光明を見つけた気分。

小林 真里

初めまして! 新参者ですが、よろしくお願い致します。ブレット・イーストン・エリス原作「インフォーマーズ」の映画化が決定し、今から興奮中。最近の音楽生活は、Shout Out LoudsやMonoを愛聴してます。

バイオハザードIII


(C) 2007 Sony Pictures Entertainment (J) Inc. All Rights Reserved.

同名ゲームを原案に女優のミラ・ジョヴォヴィッチが主演する人気サバイバル・アクションのシリーズ第3弾。ウィルスによる未知の人災が進み、荒れ果てた砂漠のラスベガスに舞台を移した本作では、アンブレラ社の陰謀に勇敢に立ち向かう女戦士アリスの過酷な運命が描かれる。今回はゲーム版の主要キャラクター、クレア・レッドフォードと宿敵タイラントが登場。シリーズ最大のスケールで放たれる驚がくのラストバトルから目が離せない。

【出演】ミラ・ジョヴォヴィッチ 、オデッド・フェール 、アリ・ラーター
【監督】ラッセル・マルケイ

前田かおり

5点ゾンビもの、ホラー作品が大の苦手だが、回を追うごとに慣れたのか、おかげで3部作の中では一番怖くないというのが正直な感想。ま、砂漠の中でもどこからかゴギブリのようにわいて出てくるゾンビ集団やゾンビガラスの群れは気色悪く、荒涼とした風景といい監督の工夫も感じる。だが、ミラふんする主人公が超絶に強い! キレイな蹴りは爽快(そうかい)だが、あんまり強くてハラハラドキドキもしない。根っからのファンはOKなのかもだが、ホラー嫌いがあえて言う、もし第4弾を作るなら恐怖百倍でヨロシク!

高山亜紀

7点来日時は見る影もなくどすこい体型だったミラ嬢。映画の中では、ほれぼれするプロポーションである。冒頭からお約束の全裸。その後も随所で全裸。『マッドマックス』風衣装もおなじみ真紅ドレスも似合うミラ嬢だが全裸が最高の衣装だ。さすが代表作、力の入れ方が違う。ゾンビ色が少々薄れた感もあるけれど、コンパクトな作りで見やすくてよろしいか、と。気になるのはアリスと別れた人々のその後。もしやまだまだ続編作る気か?

山縣みどり

7点アリス in ゾンビランドに終わりなし。ラッキーにも生き残った人間の中には『マッドマックス』的狂気に陥るヤツらもいて、冒頭から大変。殺しちゃえ! 犬もカラスもゾンビ化した未来に絶望するかというと不思議に悲壮感はゼロ。ゲームが原作だからね。自らデザインしたトレンド感たっぷりの衣装を身につけたミラはアクションも上達したし、オデッド・フェールもB級的ないい見せ場がある。監督、オタク心が分かってるね。

斉藤博昭

10点ゾンビには夜が似合う……という固定観念をあざ笑うように覆す、白昼、いきなりのアンデッドのアップ。さらに砂漠でのアンデッドの群をふかんするショット。これだけでも大スクリーンで観る価値アリ。さらに本シリーズにB級テイストを期待してきた人は、アンデッドたちの死の場面や、お勉強(!)場面、そしてラストシーンに悶絶するはず。ヒッチコックの『鳥』などのパロディー場面も、ここまで真剣に映像化してくれれば、オリジナルへの愛が感じられるってもの!

小林真里

6点『猿の惑星』状態のラスベガスの砂漠で、どう猛なカラスの大群やアンデッド(ゾンビ)、そして憎きアンブレラ社に包囲されながら人類の未来を背負って戦い続けるアリスさん。超人的な力に目覚め、マチューテを振り回し目まぐるしいアクションをさく裂! させるのだが、もう一つカタルシスが足りなかったのも事実。女相棒も魅力のこのシリーズ、今回は「HEROES」で人気沸騰のアリ・ラーターを抜てきするも、印象的な活躍が見られなかったのが惜しい。代わりにラストで最強パートナーを手に入れたアリスだが、これが次回作を決定付ける強力な布石となるのか?

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ボーン・アルティメイタム


(C) 2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

記憶を失った元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーンが活躍する大ヒット・シリーズの第3作。今作では、ついにボーンが自らの忌まわしい過去と対峙(たいじ)し、彼の“自分探しの旅”に衝撃の結末が訪れる。主人公のボーンを演じるのは、前2作に引き続きマット・デイモン。監督は前作『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスが務めている。息をもつかせぬスリリングな展開と、3つの都市を舞台に繰り広げられる迫力のアクション・シーンが堪能できる。

【出演】マット・デイモン 、ジョーン・アレン 、ジュリア・スタイルズ
【監督】ポール・グリーングラス

前田かおり

9点真相を探るために世界を股にかけて飛び回るボーン。そんな彼を地の果てまでありとあらゆる手を使って追うCIAのネチッこさと、そんなに国の金を潤沢に使えるとは素晴らしい、などと妙な感心しつつ、改めて感じる本作のスケールの大きさ。その中で今回の見ものは、ロンドンとモロッコでのスリリングな追跡劇。鋼のように鍛えた体を武器に、追っ手を振り切るボーンことマットがイカす。公開中の『グッド・シェパード』といい、俳優としての成長が目覚しいと思う。

高山亜紀

8点とにかく逃げ回り、欧州旅行気分が楽しめた第1作。敵地に乗り込み始め、スリル満点だった第2作。そして、すべての謎が解けちゃう本作。そんな面白さをすべてミックスした本作はシリーズいいとこ取りの最高傑作。アクションシーンがスマートじゃなく、ゴツゴツした生身のぶつかり合いで、暴力シーンも生々しい。3作目から観た人の方が単純な復しゅう劇として楽しめるかも。前作を見ていると敵側が意外にダメでしょんぼり。

山縣みどり

9点シリーズ毎に精悍(せいかん)になるマットに今回は渋さも加わった。記憶がほぼ戻りつつあり、あれこれ悩む必要も無いから、余裕? グリーングラス監督のアクション演出はシャープでかっちょいいが、複雑な物語が秒刻みで進むので、うかうかしてられないのが現実。かなり気忙しい。今回ヒロインに昇格したのはジュリア・スタイルズで、ボーンとの過去をにおわせるシーンで見せた切ない表情が素晴しい。ブスだけど、いい女優としみじみ。

斉藤博昭

9点ヨーロッパ → アフリカ → ニューヨークという逃避行のまだるっこしさも、各都市でのバトルのしつこさも気にならないのは、アクション演出がさえわたっているから。超短カットのつなぎ合わせで、不要な動きを省略しつつ、何が起こっているのか観客にビシビシ体感させてくる。カーチェイスや屋根飛び移りもいいけど、特に密室での乱打バトルに映像の離れ業が活きているのだ。いい意味で暑苦しいほど苦悩をにじませるマットの演技も、3作目にして慣れた分、男もほれるカッコよさに昇華!

小林真里

7点シリーズ最終章にして最高傑作! 世界を股にかけた臨場感あふれるスーパーアクションとスペクタクルの連続(とそれに拍車をかける心拍数高まる音楽)にアドレナリン過剰分泌! そして、瞬時の判断が命運を分けるクールで熱いクレバーな知能戦もスリリングでエキサイティング! 脱ジミー大西(意味不明)マット・デイモンの加速する超人ぶりも頼もしいが、ジョーン・アレンふんするスマートで冷静沈着ながらも人間味あるキャラクターがドラマに深みを与える。次はジュリア・スタイルズ主演のスピンオフが観たい!(←ウソ)

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マイティ・ハート/愛と絆


(C) 2007 Paramount Vantage. All Rights Reserved.

2002年にパキスタンで取材中にテロリストに誘拐、殺害された実在のジャーナリスト、ダニエル・パールの妻が著した手記を映画化した社会派ドラマ。事件の真相、夫への愛をつづった原作に感銘を受けたブラッド・ピットが製作を務め、妊娠しながらも懸命に夫を捜す妻をアンジェリーナ・ジョリーが熱演する。監督は、『グアンタナモ、僕達が見た真実』のマイケル・ウィンターボトム。その衝撃と感動のドラマは第60回カンヌ国際映画祭で絶賛され、大きな話題を呼んだ。

【出演】アンジェリーナ・ジョリー、ダン・ファターマン 、アーチー・パンジャビ
【監督・脚本】マイケル・ウィンターボトム

前田かおり

6点事件モノをドキュメンタリータッチに撮るマイケル・ウィンターボトムの畳み掛けるような演出力はさすが。あっという間にスクリーンに引き付けられた。特に日本人ジャーナリストが犠牲になった事件もあっただけに、結末が分かっていても祈るような気持ちで見入った。主演のアンジェリーナは夫の安否を気遣う身重の妻を抑えた演技で見せてはいたが、個人的には親善大使やら慈善活動に熱心な彼女の私生活が透けて見えて、素直に感動できず。すみません、ヒネクレてるもんで。

高山亜紀

7点アンジー映画を期待していったら、あまりに社会派で事実に忠実、むしろウィンターボトム映画なので驚いた。彼女は主役だが、あくまでも登場人物の1人。その分、周囲の男たちの活躍がきちんと描かれ、妊婦だから動けないジョリーの焦燥感が際立ってよい。とはいえ、脇キャストが地味すぎて、アンジーの存在感が浮いてないか。さらにアンジーがモデル本人を意識するあまり、フレンチなまりの英語にとらわれすぎた印象があったのも残念。

山縣みどり

7点ブランジェリーナ(ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー)作品としてゴシッピーな興味で見た女子はシリアスな政治問題にびっくりかも。ダニエル・パール氏誘拐事件には特別興味はなかったが、事件解決に尽力した人々の必死の努力をサスペンスフルに描くウィンターボトム監督の演出に釣られ、思わず原作に手が伸びた。事件の経過を克明に記したマリアンヌさんと寝室で「ダニー、ダニー」とさざめ泣くアンジーの演技がマッチしないが、そこは映画的メロってことで納得。

斉藤博昭

6点実話の映画化で、物語もドラマチックなんだけど、ドキュメントタッチの映像&展開に、ヒロインの苦闘がうまくマッチしていないのが残念。どうせならアンジーのスター性を有効活用した、ハリウッド的サスペンスにした方が感動は増したかも。とは言いつつ、現地ロケしたパキスタンの空気感を伝え、アルカイダにも言及して現実を突きつけ、ブラピを含めた製作側の意図は評価したい。それにしてもウィンターボトム監督って出産シーンがお好き。ここは冷や汗出るほどリアル。

小林真里

7点デビュー当時から独自の視点で描く深い愛の形に固執し続け、最近は社会派ドラマにも心血を注ぐウィンターボトムにとって、この2つのテーマが融合した本作は、まさに適任だったといえよう。誘拐された夫を待つ気丈な身重妻アンジェリーナ・ジョリーの迫真の演技も印象的だが、この映画は彼女一人の映画ではなく、2人の愛と、それぞれの勇気ある戦いを力強くドラマチックに描いている点が勝因であり、そこに強く心を打たれた。近年のウィンターボトム監督作では、ベスト。『キングダム/見えざる敵』とセットでどうぞ。

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筆者プロフィール

今 祥枝斉藤 博昭前田 かおり
中山 治美鴇田 崇相馬 学
高山 亜紀小林 真里山縣 みどり
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