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実在の人物編 イギリス俳優編 西部劇&アウトロー編
今月の特集 実在の人物から西部劇のアンチヒーローまで-ギャング映画徹底解剖
『ジェシー・ジェームズの暗殺』や『アメリカン・ギャングスター』など、伝説のアンチヒーローを描いた話題作の公開が続いている。オスカーをにぎわせる演技派たちが好んで演じる実在の人物から、クセ者俳優ウォッチングが楽しいフィクション、そしていまだ色あせることのない西部劇のアンチヒーローまで、ワルの魅力を徹底紹介!
文/前田かおり
実在の人物編
実在の人物編の筆頭は、『アンタッチャブル』でアル・カポネにふんしたロバート・デ・ニーロ。この成り切りぶりはスゴいっ! もともと彼の役作りは徹底していることで有名だが、カポネのはげ頭になるべく、自分の髪の毛をゴッソリ抜いて役作り。この作品はカポネ逮捕に体を張った財務局捜査官エリオット・ネスらの活躍を描いた物語で、ネスにふんしたケヴィン・コスナーやカポネ一派との銃撃戦の「階段落ち」シーンで男を上げたアンディ・ガルシア、ネスとの男の友情と渋い演技で泣かせたショーン・コネリーなど、正義の男たちにスポットが当たる。ジョルジオ・アルマーニの衣装もクールに決まってた。でも、それもこれも悪役カポネのデ・ニーロがいればこそ引き立つってもん。彼がバットでドジを踏んだ手下をボコボコにたたきのめして撲殺するシーンなんて、真っ白なテーブルクロスに鮮血が広がって……。一度観たら忘れられない、名バイオレンスシーン! デ・ニーロに負けず劣らず、暗黒街が似合う役者といえば、アル・パチーノ。何せデ・ニーロとは、ギャング映画の金字塔『ゴッドファーザー』仲間。そして彼の主演作『スカーフェイス』は、アル・カポネをモデルにしたハワード・ホークス監督の『暗黒街の顔役』のリメイクで、 狂気ムキ出しのギャングを演じている。ラストシーンは壮絶! またジョニー・デップが実在のFBI捜査官を演じた『フェイク』ではうだつの上がらないマフィアのオヤジ役。デップが潜入捜査官とは知らずに組織に引き入れ、息子のように世話をする気のいいやつ。パチーノは悪賢いボス役にもハマるが、上納金を収めるのにも四苦八苦するという生活感どよよよーんの負け犬キャラも妙になじみ、それが涙を誘った。
 
実在キャラがお好きなスターといえば、ウォーレン・ベイティもその一人だ。若き男女のギャング、ボニー&クライドをクールに描いた『俺たちに明日はない』で、87発の弾丸を浴びるラストシーンは今でも語り草。そして、『バグジー』では愛する女のためにラスベガスを作った太っ腹なギャング、ベンジャミン・シーゲルを演じた。余談だが、これで共演したアネット・ベニングと結婚。さんざ浮名を流した伊達男もついに年貢を納めて、今や二人の間には4人の子ども。キャラ通り、愛した女とはとことんってこと……やるな!
『アンタッチャブル』ロバート・デ・ニーロ
『アンタッチャブル』
ロバート・デ・ニーロ
PARAMOUNT / THE KOBAL COLLECTION
『スカーフェイス』アル・パチーノ
『スカーフェイス』
アル・パチーノ
UNIVERSAL / THE KOBAL COLLECTION
『俺たちに明日はない』ロバート・レッドフォード
『俺たちに明日はない』
ウォーレン・ベイティ
WARNER BROS / THE KOBAL COLLECTION
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フィクション&イギリス俳優編
ギャング映画じゃ、ひとクセもふたクセもあるような俳優が光る。例えば、クエンティン・タランティーノ監督の『レザボアドッグス』はクセ者役者の宝庫。宝石強盗のため集められた6人の男たちの中でも、目立ちまくってたのがスティーヴ・ブシェミだ。それぞれホワイト、オレンジだのと色で呼ばれる中、Mr.ピンクの彼は「ピンクじゃなくて、パープルが良かった」など、どうでもいいような話で不満タラタラ。老練なギャングのハーヴェイ・カイテルや、実は潜入捜査官だったティム・ロスに比べると、思いっ切りダメキャラ。だが、空気の読めないすっとこどっこいなところが彼の持ち味で、ファンにとってはそんなブシェミがいとおしい。
 
強烈な印象といえば、忘れちゃいけないのが『ギャング・オブ・ニューヨーク』のダニエル・デイ=ルイス。サーカスの猛獣使いか!? とツッコミたくなるようなヒゲとコスプレで極悪ギャングを演じ、主演レオナルド・ディカプリオを尻目にオスカーにノミネートされた。そういえば、レオ様は同じマーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』でジャック・ニコルソンふんするマフィアのボスに圧倒されている。不運っちゃ、不運だが、ニヤリと笑っただけでも人をビビらせるだけの存在感あるニコルソン。ガウンはおって、美女をはべらせてる姿も似合う貫禄は、若造には、まだまだマネできない。
 
ギャング映画には男たちの粋な姿を観るのも楽しみだが、イチ押ししたいのは『ギャングスター・ナンバー1』のポール・ベタニー。1960年代のスウィンギング・ロンドンを舞台に組織のボスにあこがれた彼がトップの座を狙っていくのだが、191センチの長身でモッズ・スーツを着こなした姿は何度観てもほれぼれ~っ。デヴィッド・シューリスふんするボスにあこがれていたのが、やがて嫉妬(しっと)が狂気に変わり、残虐非道な手段に出る。薄いまゆ毛にブルーの瞳という端正な顔立ちでキレまくるベタニー。ゾクゾクするほどすてきだぁ~。ちなみに、『キス★キス★バン★バン★』では、引退を決意したステラン・スカルスガルドふんする先輩ギャンクの命を狙う後輩を寡黙に演じてたベタニー。黒いタートルネックのセータにコートが最高にイカす。おしゃれ自慢ってところでは、6代目007役で大ブレイクのダニエル・クレイグが『レイヤー・ケーキ』でスーツにレザー・ジャケットなど着道楽なギャング役。鍛えた裸も披露してくれて、キャー、すてき! クールでダンディーなギャングを探すならイギリス映画はお見逃しなく。
『レザボア・ドッグス』ハーヴェイ・カイテル
『レザボア・ドッグス』
ハーヴェイ・カイテル
LIVE ENTERTAINMENT / THE KOBAL COLLECTION
『ギャングスター・ナンバー1』ポール・ベタニー
『ギャングスター・ナンバー1』
ポール・ベタニー
FILM 4/PAGODA / THE KOBAL COLLECTION / MOUNTAIN, PETER
『レイヤー・ケーキ』ダニエル・クレイグ
『レイヤー・ケーキ』
ダニエル・クレイグ
SONY PICTURES / THE KOBAL COLLECTION / SMITH, DANIEL
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西部劇&アウトロー編
『ジェシー・ジェームズの暗殺』で主演したブラッド・ピットに限らず、悪名高きアウトローでありながら、伝説のヒーローに魅力を感じる役者は多い。実はコリン・ファレルも『アメリカン・アウトロー』で若き日のジェシー・ジェームズに挑戦。もっとも、彼が演じたジェシーはおちゃめなヒーローで、しかもハッピーエンドで終わる。んー、プラビ版ジェシーとはずいぶん異なる。そのジェシーと双璧と言っていいほど、アメリカで人気のアウトローはビリー・ザ・キット。彼を描いた作品も数多くあるが、中でも知られているのはエミリオ・エステヴェスがビリーを演じた『ヤングガン』シリーズ。公開当時、若手青春スターとして鳴らしていたチャーリー・シーンやキーファー・サザーラーンドら、私生活でも一緒にヤンチャしてた一派がビリーの仲間にふんして、爽快(そうかい)な青春群像劇を作っている。さらに、アウトローものの傑作として列記したいのは、ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッドという実在の強盗コンビの『明日に向って撃て』。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演で、列車強盗に成功した後の逃亡生活をユーモラスと哀愁を織り交ぜて描いている。名曲「雨にぬれても」をBGMにした自転車のシーンや、ストップモーションのラストシーンは製作されて40年近くたった今も新鮮だ。また、変わりどころでオーストラリアのジェシーと言われたアウトロー、ネッド・ケリーとその仲間たちの物語『ケリー・ザ・ギャング』も注目。先日惜しくも亡くなったヒース・レジャーにオーランド・ブルーム、ナオミ・ワッツらオージー俳優による西部劇。彼らの活躍を思うと、いろんな意味で、とても貴重な作品となってしまった……合掌!
『アメリカン・アウトロー』コリン・ファレル
『アメリカン・アウトロー』
コリン・ファレル
MORGAN CREEK / THE KOBAL COLLECTION / REDIN, VAN
『明日に向って撃て!』ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード
『明日に向って撃て!』
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード
WARNER BROS / THE KOBAL COLLECTION
『ケリー・ザ・ギャング』ヒース・レジャー、オーランド・ブルーム
『ケリー・ザ・ギャング』
ヒース・レジャー、オーランド・ブルーム
AUSTRALIAN FILM COMMISSION/WORKING TITLE / THE KOBAL COLLECTION / JONES, CAROLYN
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