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檀れい
『母べえ』
吉永小百合さんと共演できて幸せでした
『母べえ』檀れい 単独インタビュー

取材・文:南樹里 写真:田中紀子

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名匠・山田洋次の手掛けた時代劇三部作の最終章『武士の一分(いちぶん)』では、映画初出演ながら木村拓哉ふんする武士の妻・加世を粛々と演じて多数の映画賞を受賞した檀れい。家族の物語『母べえ』では、控え目ではあるが、兄である父べえのいなくなった野上家を支える妹役、久子を好演している。映画出演3作目にして、2度目の山田組を経験した檀に話を聞いた。

■一流の現場を経験して

Q:劇団は宝塚、映画は山田組。一流の現場を経験されてのお気持ちは?

宝塚にしても、山田組にしても「良いものを作りたい」「お客様に喜んでもらいたい」という気持ちが良い現場を築くのだと思います。そして、それが“一流”につながるのだと思います。どんなに厳しい状況であっても、「良いものを作りたい!」との高い意識に囲まれると、自分も「より頑張らなくてはいけない!」という気持ちになります。だから宝塚にも、山田監督の山田組にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

Q:撮影中、印象に残ったことは何ですか?

『母べえ』の時代設定は、ちょうど“モボモガの時代”(モダンボーイ、モダンガールの略)。モダンガールを演じるために、まず、髪の毛をバッサリと短く切りました。実は、撮影に入ってキャラクターが少し変わったんです。というのは、現場で演じてみたときのバランスと役の生かし方を考えて、モダンガールを強く意識するのではなく、シンプルにした方が良いということになったんです。それで、当初の予定とは違うんですが、次の日からはメークなしで演じることになりました。

■大事に演じたラブシーン

Q:どのようにして役作りされたのですか?

久子の役は、まずは野上家における久子のあり方から作りました。久子は、野上家においては当たり前のようにいる存在じゃないとダメかなと思ったからです。ですから、近所のお姉さんでもなく、たまに来るような遠い親戚の人でもなく。足しげく通い、自由に出入りできる親戚のお姉ちゃん。ちゃぶ台に向かってご飯を食べていてもおかしくない、そういう自然な存在になるように内面的な役作りをしていきました。

Q:久子さんが、浅野忠信さんふんする山ちゃんに告白するシーンが印象的でした。監督から何か指示などありましたか?

すごく印象的だったのは、本読みの段階から「山ちゃんとの月夜のシーンは“ラブシーン”なんだよ」って山田監督に言われたことです。ラブシーンといっても、抱き合ったりするシーンではないんです。けれども、若い男女のラブシーンなので「大事に演じたいな」と思いました。それに、久子自身にとっても大事であり、久子のあり方にとっては肝になるシーンでしたから、余計大切に演じました。久子を演じていくうえで本当に大事なシーンでした。

Q:久子さんが山ちゃんに惹(ひ)かれた理由はどう考えましたか。ひと目ぼれ、それとも母べえに対する献身的な姿でしょうか?

ひと目ぼれではなかったと思います。昭和のあの時代、あのような状況の中で、父べえがいなくなり、そして周りからどんどん男手がいなくなってゆく……。一家を支えていかなければならない母べえはとても大変だったと思うんです。その中で久子も、いろいろなことを助けていたと思うんです。でも、やはり男性の存在を必要としていました。そこで現れた山ちゃんは、本当にありがたい存在だったと思います。山ちゃんの人柄の素晴らしさ。自分たちが本当に苦しいときに頼りになる人の存在って大きいと思うんですね。そういうところから、どんどん山ちゃんに好意を抱いていったのだと思います。

■吉永小百合と共演した感想

Q:日本映画界を代表する女優・吉永小百合さんとの共演は緊張されたのでは? 現場で学ばれたことなどを教えてください。

吉永さんと一緒にお仕事ができるのは、わたしにとって刺激的な経験でした。緊張したといっても、それはとてもいい緊張感でした。本当に貴重な体験をさせていただいたと思います。吉永さんは、お仕事を一つ一つ丁寧になさる方なので、それをはたで見ていられることは、幸せなことでした。映画の中で生まれて、映画の中で生きているような人。そのような方が、丁寧に演じていく姿は、とても新鮮に感じました。

Q:精神的につらいときにモチベーションを保つ方法はありますか? 美容法や健康法についてもうかがいたいのですが。

モチベーションについては、特にこれ、という方法はないですね。ケース・バイ・ケースです。美容や健康についてですけれど、仕事中のわたしはすごく集中しますし、役に入り込んでしまうタイプなんです。ですから、オフのときにどれだけ自分をゆるめられるかを一番大事にしています。精神的に不安定ですと良い演技ができなくなりますし、お肌の状態もどんどん悪くなってしまうので気を付けています。撮影中は特に精神面の安定が大切になります。ですから、なるべく早く家に帰るように心がけています。

■今後の女優業について

Q:女優という仕事の魅力を、どのように感じていますか?

違う人間の人生を一瞬だけでも演じられる、体験できることに楽しさを感じます。普通では体験できないことが、体験できることがわたしにとってはとても魅力的に思えるんです。それが女優として面白いところです。もちろん精神的につらいこともあります。

Q:今後のキャリアについて。また、今後演じてみたい役柄はありますか?

女優として、映画も続けていきたいと思っています楽しいキュートな役もやってみたいんです(笑)。例えば「奥さまは魔女」のサマンサのような役柄をやってみたいと思っています。

Q:最後に、ファンの方や映画をご覧になる方へのメッセージをお願いします。

この映画には皆さんの知らない昔の日本の姿や、戦場ではない場所で戦っていた人々の姿が描き出されていて、違った形の戦争映画に仕上がっていると思います。皆さんの心のままにメッセージを受け取ってもらえたらうれしいです。

かれんな“和製ヴィヴィアン・リー”のようであり、正統派の映画女優という雰囲気を持っている壇。質問の一つ一つに優雅、かつ丁寧に述べる姿に「お嫁さんにしたい」とたたえられる魅力のゆえんが表れていた。メークなしの美しい素顔を見られる久子役で、より多くの男性陣を魅了することだろう。特に山ちゃんとの月夜のラブシーンは、いじらしさにキュンとするので必見だ。

『母べえ』は1月26日より全国公開

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