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今週のクローズアップ / 『団塊ボーイズ』ジョン・トラヴォルタ

週末に公開される話題の映画の中から、気になる作品をご紹介します。今週は、2月9日公開の映画『団塊ボーイズ』(ウォルト・ベッカー監督)で、旅する中年男性を演じたジョン・トラヴォルタをクローズアップします。ダンス・キングとして名をはせた若かりしころから、キワモノもチャーミングに演じ切る幅の広い俳優になるまでを振り返ってみましょう。

デビューはホラー映画 続く名演、いじめっこ

 1954年2月18日、アメリカのニュージャージー州で、イタリア系の父とアイルランド系の母との間に6人兄弟の末っ子として生まれたジョン。元女優である母親の指導を受けながら育った兄弟は、そろって俳優の道を歩むことになります。そんなトラヴォルタ一家の中でも一番の出世頭であるジョンがタップダンスを習い始めたのは5歳のとき。俳優の道を進むために高校を中退しマンハッタンへ向かった彼は、ブロードウェイで上演される舞台「グリース」に抜てきされ、いよいよ本格的に俳優の道を進み始めます。


 映画デビューは1975年。ホラー映画『魔鬼雨』(ロバート・フュースト監督)でした。そして1976年、ブライアン・デ・パルマ監督のこれまたホラー映画、『キャリー』で大きな役を射止めます。主人公の女子高生キャリーは、誰からも愛されることのない孤独ないじめられっ子。そんな彼女が、まさかのプロムクイーンに選ばれます。それが悪質なイタズラによるものだとは知らずに、喜びの絶頂で舞い上がるキャリー……。そんな彼女の頭上に、バケツいっぱいのブタの血を浴びせかけるという計画を実行する、悪代官もビックリなカップルが出てくるこの映画。ジョンは、キャリーの恐るべき力を誘発させ、惨劇を招くボタンを押したそのバカップルの片割れを熱演しました。そのトボけたバカ男子ぶりは、憎まれ役なのに何だかとてもチャーミング。トラヴォルタ22歳の名演です。

 

Michael Ochs Archives/ゲッティイメージズ
うるんだ瞳に、キュン……

ダンス・キングは女装も何のその!

 1977年、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(ジョン・バダム監督)で、ここぞとばかりにイケイケなダンスを披露したジョンは、この1作で一躍1970年代を象徴するトップスターに! 続く、ブロードウェイミュージカルを基にした映画『グリース』(ランダル・クレイザー監督)でも華麗なダンスでさらに観客をクギ付けにしました。たちまち1970年代を代表するスターとなったトラヴォルタですが、それもつかの間。その後、派手な作品に恵まれなかったトラヴォルタは、不遇のときを迎えます。しかし1994年にクエンティン・タランティーノ監督のバイオレンス・アクション映画『パルプ・フィクション』の主演を務めたことで、めでたくスターに返り咲いたのでした。


 その後、ファンタジーから社会派ドラマまで何でもこなしてきたトラヴォルタですが、2007年、彼はついに禁断の扉を開きました。アダム・シャンクマン監督のミュージカル映画『ヘアスプレー』で、彼はニッキー・ブロンスキー演じるポッチャリ主人公、トレーシーの“お母さん”にふんしたのです。どっさり肉襦袢(じゅばん)を着込んだ体に、キラキラ光るドレスを身にまとい、きれいにお化粧のほどこされたその姿は、娘思いの優しいポッチャリお母さんとして何の違和感もありません! いや、ちょっと異様かも……。とにかく、そのトラヴォル母さんのキュートなこと! 夫役のクリストファー・ウォーケンとのラブラブっぷりもお見事です。2人が愛のダンスを舞うシーンの美しさの中では、トラヴォルタが今では太っちょの中年男性だなんてことはすっかり忘れ去られてしまうはず。これぐらい自由な方向性で、今後も思わぬ角度から楽しませてくれることを期待したいものです!

 

TM & (C) MVII New Line Productions,Inc.All Rights Reserved
かわいらしいことこの上なし!

歌って踊れるヒコーキ野郎

 トラヴォルタといえば、ハリウッド一のヒコーキ野郎としても有名です。航空機マニアが高じて、息子にはジェットという名前をつけてしまったほど。また自らの操縦する飛行機が2度に渡って緊急着陸するというお騒がせな一面も。しかし、彼が飛行機への熱い思いをアピールし続けていたことがアメリカ同時多発テロ後に落ち込んだ商業飛行の宣伝に大きく貢献したとして、米国空港宇宙工学協会から表彰されました。あっぱれ!


 そんな彼には悲しい過去がありました。トラヴォルタは、1976年に出演したテレビドラマ「プラスチックの中の青春」で共演した女優、ダイアナ・ハイランドと婚約していましたが、『サタデー・ナイト・フィーバー』の撮影中にダイアナが病に倒れ、この世を去ってしまうという出来事が彼を襲ったのです。現在では、女優ケリー・プレストンと幸せな家庭を築いているトラヴォルタ。男性とのキスシーンを目撃されたり、サウナでの男性へのセクハラ疑惑が浮上したりと、ゲイ疑惑も色濃い彼ですが、ケリーとの夫婦生活は円満なよう。とある映画の役作りのために25ポンド(約11キロ)体重を落としたことのあるトラヴォルタですが、このシェイプアップがケリーとの性生活に好影響をもたらした、と自信満々に語っています。

Dimitrios Kambouris/wireimage.com
ブランジェリーナにも負けない仲睦まじさ! 妻のケリー・プレストンとトラヴォルタ

『団塊ボーイズ』

 今週公開の映画『団塊ボーイズ』で、トラヴォルタはハーレー・ダビッドソンとともにアメリカ横断の旅に出ます。閑静な住宅街に暮らすウディ(トラヴォルタ)、ダグ(ティム・アレン)、ボビー(マーティン・ローレンス)、ダドリー(ウィリアム・H・メイシー)の中年男性4人は、それなりの職を持ちながらも、人生に煮詰まっていました。そしてついにプッツンし、一念発起した4人は、すべてを捨てて自由気ままな旅へ出ます。しかし待っていたのは予想をはるかに上回るワイルドな現実だった……!


全米公開された途端、『ダイ・ハード4.0』『オーシャンズ13』といったヒット作を押さえ、2007年の全米興行収入トップ10に入り超大ヒットを記録した本作。トラヴォルタをはじめ、アメリカを代表する熟年の俳優たちが、胸の情熱を押さえ切れなくなった少年のような中年たちを熱く演じています。ジタバタしながらも、旅の終わりに確実に何かをつかんだ団塊ボーイズたちにジーンときたら、鬱屈(うっくつ)した日常にちょっとだけ変化が訪れるかも!

(C) 2006 TOUCHSTONE PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年)

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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