シネマトゥデイ

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松山ケンイチ
『L change the WorLd』
Lの恥ずかしい裏まで全部見せてしまった……Lごめん
『L change the WorLd』松山ケンイチ 単独インタビュー

取材・文:南樹里 写真:秋山泰彦

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大人気コミックを基に実写で映画化し“デスノート現象”を巻き起こした映画『デスノート』シリーズ。主人公・夜神月(ライト)を窮地(きゅうち)に追い込んだ天才探偵L(エル)を原作さながらに見事に演じ切ったのは若手演技派俳優の松山ケンイチだ。原作ファンからも絶大な支持を得た結果として誕生したともいえる、スピンオフ・ムービー『L change the WorLd』主演の松山が、L最期の23日間を演じた思いの丈を語った。

■外に出ることで生まれた新しいL

Q:前2作『DEATH NOTE デスノート 前編』、『DEATH NOTE デスノート the Last name』を超えるスケールの作品になっていましたね。

はい、すごくエンターテインメントになったと思います。前2作はサスペンスでしたし、室内で捜査していたLが『L change the WorLd』では外に出て行きますから。今回は自分の演じたLが中心になるので、変化球だけでは済まなかったです。自分なりに理解してきたLらしさから、新しい面をどうみせていくか考えつつ演じました。

Q:Lが外に出ていくことで異文化コミュニケーション風なコミカルさも生まれましたね。

脚本を読んだときから、エンターテインメントにするならば、やっぱり笑えないとつまらないと思っていました。それは僕が普段映画を観ていても感じていることなんです。Lというキャラクターは、どちらにでも振ることができるので、そういう部分はちゃんと表現していきたいと思いました。

Q:同じ役柄を長いスパンで演じるのはキャリアの中でも初めてですよね。再演することで、役をより掘り下げることはできましたか?

ある意味、掘り下げられたと思います。ただ、本作では、Lの見せている部分がこれまでと違うので、もう1回初めから作り直さなければいけない感じでもありました。撮影の始まる2か月前から中田(秀夫)監督とプロデューサーと3人で話し合いをしまして、その過程で役作りをさせてもらいました。

Q:Lonely(孤独)なLがLove(愛)に触れ、Lovely(愛らしい)な姿も見せますね。

ラブリーですか(照笑)。『L change the WorLd』は『DEATH NOTE デスノート the Last name』で夜神総一郎にお礼をいう場面が到着点なんです。Lは前2作や原作では、していないことが多かったんです。言葉にしても、人とのコミュニケーションという感覚すら持っていなくて言いっ放しでした。でも逆に言うと本心を隠したいのかな、とも思っていました。お菓子やトリッキーなしぐさをするのはカモフラージュかと。変わっていた部分を元に戻すように、人が人として当然しているようなことをするようになっていくんです。

Q:まさしく“誰も見たことのないLの姿”でした。

そうですね、人間としての成長も見えていたと思います。言葉や表情に気持ちが出てくるタイプではないのでリアクションも少ない。相変わらず“変わり者”であることに変わりはないですけど(笑)。それまで完全武装していたLが真希ちゃんやBOYといった子どもたちに翻弄(ほんろう)されることで、ポロッと……感情や人間性といった彼の本質を見せるんです。

■Lの裏まで全部見せる!

Q:本作でもアイデアを出されましたか?

ちょいちょいあります。けれど脚本の中でLらしくないジタバタする部分が出ていましたから、新たに大きなことはないです。シーンごとの決められた動きの中で、少し遊んでいたぐらいです。僕としては役へのこだわりとして、まだ、あせっている様子を顔に出したくない、と思っていました。例えば、真希ちゃんがLの元に来て「この注射器は何なの?」って尋ねる場面。あの時点でLには追っ手が迫って来ていることがわかっているんです。だから逃げるとき、車にコーヒーを持っていくか、いかないか、っていう動きをしているんです。短時間で描かれるので観ても、そこまでわかるのか!? っていうマニアックな部分ではあります。

Q:3作演じてきたL役とも、ついにお別れです。松山さんが彼に対して投げかけたい言葉は何ですか?

「最後に、こんな恥ずかしい姿をさらけ出してごめんなさい」って言いたいです。Lとしてはカッコイイままでいたかったと思うんです。例えば、猫のように死ぬ瞬間は誰にも見られずヒッソリと、って感じに。でも今回は彼の裏を全部見せてしまっている感じがします。完成作を観て、普通なら見せないような姿を見せてしまっていることを、僕も恥ずかしいなと思ったぐらいです。

Q:「多くを与えてくれたL役に恩返しをしたい!」とおっしゃっていましたが、どうでしょう?

Lでできることをすべてやった! と思っています。前2作のときとは違うLの姿が描かれます。L自身が自分をどう救えるか? 自分を救えない人間は世界を救えない。自分を救うことで、世界にも希望が持てるようになるのだと思います。何より希望を持つこと。それが一番大事なことだと思います。

■松山ケンイチがメイドカフェで……

Q:本作の撮影が行われたメイドカフェへプライベートで行かれたそうですが、いかがでしたか? 松山さんだ! とメイドさんに気付かれたのでは?

まったく気付かれていません。友人が東京に遊びに来て「行ってみたい」と言われたので行ってみました。撮影時は「ニャーニャー」言う出し物をやっていたので、普段もやっているのかと思っていたのですが、何もやっていなくて普通の喫茶店でした(笑)。注文したのはオムライスなんですけど、プラス500円でケチャップを使って文字を書いてくれるみたいだったんで、「“好き”って書いて」って言ったら、友人に「ふざけんな!」と諭されまして(苦笑)。結果、“熱いにゃー”って書いてもらいました(笑)。

Q:松山さんにとってお兄さん的存在でもあり、飲み友だちでもある、本作の佐藤貴博プロデューサーに“佐藤プロデューサーが知る松山ケンイチ”を教えていただきました。「酔っ払って、女子に説教をたれるのは、やめた方がいいよ」とおっしゃっていました。

後2年ぐらいたってから、女子と話しをした方がいいですね(笑)。

Q:Lのビジュアル・プロジェクト(=写真集)「L file No.15」の企画で、松山さんがフォトグラファーの蜷川実花さんに声を掛けたことについて、佐藤プロデューサーが「松山くん、素晴らしい!」とおっしゃっていました。

僕も一番いい仕事をしたなあ~と思いますね。あとは、佐藤プロデューサーが『人のセックスを笑うな』の試写会に来てくださったときに、「大ファン」だという永作博美さんを紹介できたことです。恩返しできました!

瞳をキラキラさせて、快弁をふるってくれた松山。Lの裏側を見せた、とうなだれた松山は自身も本インタビューで裏側を垣間見せてくれたようだ。そういった行いは非常に勇気がいるものだと思うが、一回り大きく成長した証なのかもしれない。ますます目の離せない存在である。いかに愛着のある役柄なのかを思い知らされると同時に、その情熱はきっちりとスクリーンに焼きついていると確信した。Lの最期の姿をぜひ劇場で見届けてほしい!

映画『L change the WorLd』は2月9日より丸の内プラゼ−ルほかにて全国公開

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