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今週のクローズアップ / 魅惑のオカルト・ホラー

悪霊、超能力、ポルターガイスト現象……ホラー映画というジャンルの中でも最も超越的で刺激的な、人類の想像力の集大成、それがオカルト・ホラー。今週末に公開される映画『アメリカン・ホーンティング』を紹介するとともに、3大オカルト映画をチェック!

『エクソシスト』(1973年 ウィリアム・フリードキン監督)

 古生物学者であるメリン神父は、イラクの古代遺跡の中から悪魔バズズの偶像を発見し、避けがたい不吉な予感を感じていた。そのころ、ワシントンで借家住まいをする女優、クリスの一人娘リーガンに不可解な異変が起きていた。何かに憑かれたようにみだらな言葉を吐き散らし、見るもおぞましい姿を見せるリーガンは、いつしか悪魔そのものの顔に一変していた……。打つ手をすべて出し尽くし、途方に暮れたクリスは、メリン神父に頼んで悪魔払いの儀式を行ってもらうことを決意する。かくして神父を悪魔の壮絶な戦いが始まった……。


 公開当時一大ブームを巻き起こした元祖オカルト映画といえば、やはりこの作品。天使のような美少女が悪魔の顔に豹変するというだけでもおぞましいのに、その上十字架を股間に何度も何度も突き立てたり、首をグルッと回転させたり、緑色のゲロをぶちまけたり……と、ダメ押しのグログロシーンが満載。極上のショックの提供者、ウィリアム・フリードキン監督には足を向けて寝られません。

 

Warner Bros./ Getty Images
エクソシスト

『家』(1976年 ダン・カーティス監督)

 夏のバカンスを過ごすために田舎の豪邸を訪れたとある一家。家主の老兄妹は、最上階に住む母親の世話を引き受けることを条件に、格安でその豪邸をひと夏貸すという。決して姿を表さない家主の母親を不審に思いながらも、一家は豪邸でのバカンスを満喫し始めるが、そんな楽しい日々にかげりが生じる。一家はそれぞれに不可解な変調をきたし、伯母に至っては体調を崩したまま不穏な死を遂げるという、思わぬ惨事に見舞われたのだ。家に立ち込める邪気の存在を確信した一家は、一刻も早くその家を立ち去ることにするが……。


 映画『エクソシスト』とは打って変わって、派手な恐怖シーンはそれほど見られないこちらの作品。しかし、物語の進行を暗示する、登場人物や家の様子に少しずつ現れる変化を見て取ってしまったときには、背筋に悪寒が走ります。ラストで「そうだったのか……!」とゾッとするような納得を与えつつ、惨劇の根本的な部分はあいまいなまま終わるのも不気味。観終えた後には心のダーク・ゾーンが拡大していること間違いなしです。でも、一番コワイのは、家の魔力に翻弄(ほんろう)される夫妻を演じたオリヴァー・リードカレン・ブラックの鬼気迫る演技のような気が……。

 

Michael Tullberg / Getty Images
キャプション:アタシ、怖かった? カレン・ブラック

『キャリー』(1976年 ブライアン・デ・パルマ監督)

 学校では容赦ないいじめを受け、家では狂信的なキリスト教信者の母親から疎まれる孤独な少女キャリーは、手を使わずに念力で物を動かせる特殊な力を持っていた。あるとき、彼女をいじめた償いをしたいと願うクラスメートの計らいによって、キャリーは学園一の人気者とプロムパーティーに出席することになる。当日、思いもよらずベストカップルに選ばれクイーンとして舞台に上がったキャリーは、今まさに幸福の絶頂にいた。しかしそのとき、キャリーの頭上にバケツいっぱいの豚の血が降り注ぐ……。血まみれで立ち尽くすキャリー。輝かしく思えたその瞬間は、悪質なイタズラが実行されるために計画されたものだったのだ。次の瞬間、会場は炎に包まれ、惨劇が幕を開けた……。


 スティーヴン・キングの小説をブライアン・デ・パルマが映画化した、傑作と名高いこの作品。オカルト映画としてのチェックポイントは超能力です。不運の果てに悲劇の最期を迎える罪の無い少女キャリーが哀れでなりません。パーティーの準備をするキャリーの幸福そうな笑顔を目に焼き付けておけばおくほど、ラストの惨劇シーンのショックは深~く忘れがたいものに……。しかし何といってもコワイのは、薄暗い家の中にヌボ~っと現れる、宗教に狂ったキャリーの母親かもしれません。そしてこの映画、最後の最後まで気が抜けないので要注意……! 若き日のジョン・トラヴォルタの好演にも注目です。

Michael Ochs Archives / Getty Images
『キャリー』

『アメリカン・ホーンティング』(2006年 コートニー・ソロモン監督)

 テネシー州レッドリバーの古い屋敷に住むジェーン(レイチェル・ハード=ウッド)は、毎晩悪夢にうなされていた。あるとき母親が屋根裏で見つけた古い手紙から、その家には忌まわしい秘密があることがわかる。その秘密とは、1818年に、当時の家主が魔女とうわさされる女性から恨まれたことに端を発する、あまりにも恐ろしい惨劇だった……。


 今週末、『エクソシスト』の系譜に連なる“美少女憑依モノ”として新たに誕生した新世代オカルト・ホラーが、ついに日本で公開されます。この映画の基になっているのは、アメリカで唯一記録として残る悪霊の仕業とされる実際に起きた殺人事件。映画『パフューム / ある人殺しの物語』でヒロインに抜擢されたレイチェル・ハード=ウッドが一人二役を演じます。『キャリー』で主人公キャリーを怪演し、オカルト界のミューズとして称えられるシシー・スペイセクの出演も見逃せません! スプラッターでスカッとするのもいいですが、この春は怪奇現象にゾクゾクしてみては?

(C) AN AMERICAN HAUTING PRODUCTION ,LTD.
アメリカン・ホーンティング

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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