シネマトゥデイ

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ノラ・ジョーンズ
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
この映画はわたしを大きく変えたわ。自身が持てるようになった
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』ノラ・ジョーンズ 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ

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2007年度カンヌ国際映画祭にてオープニングを飾った話題作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』。『恋する惑星』『2046』のウォン・カーウァイ監督最新作であり、超豪華オールスター・キャストで描く、ブルーベリーのように甘酸っぱいラブストーリーだが、何といっても注目は、映画初出演にして初主演となった、グラミー賞8冠を獲得した世界の歌姫ノラ・ジョーンズ。そんな彼女に映画のことやアーティストとしての気持ちの変化などについて話を聞いた。

■スクリーンに映る自分の顔が気になる!

Q:映画初主演を決めた最大の理由はなんですか?

彼(ウォン・カーウァイ)に会って演技をしないかと言われ、楽しそうだけど不安だと答えたら、映画に出てみないかと聞かれたの。「君ならできる」って言われて、それまで面識もなかったのに、すぐに信頼関係が生まれたの。不思議なんだけど、ものすごく軽いノリでお互いにあっさりと決めたのよ。

Q:ウォン・カーウァイ監督の『花様年華(かようねんか)』をご覧になったとき、とても感動されたそうですが、具体的にどんなところが素晴らしいと思われましたか?

彼から会いたいと電話をもらった後、彼のことを何も知らなかったから作品を観たの。『花様年華(かようねんか)』はとってもステキだったわ。

Q:映画初主演となりますが、演じられた感想は? またウォン監督はあなたのことを「本物の女優になるな」とおっしゃっていましたが、スクリーンに映っているご自身を観た感想は?

参ったわ。スクリーンが大きいから! わたしの顔がそんなに大きくなるとは思ってなかったし、ずっとそばかすばかり気になっていたわ。メークさんができるだけ隠してくれたけれど(笑)。 面白かったけど、ちょっと変な気分になったわね。出演を決意したのは、ウォン・カーウァイ監督は映画がどんなことになろうと、これまでの人生で見たことがないくらいきれいにわたしを撮ってくれるだろうと信じていたからよ。彼はそういう点を気にかけて、きれいに映画を撮る監督だから。彼はいつだって人をとてもきれいに撮るし、衣装やメークにもとても気を使っているの。だからわたしは彼を信頼して、照れずに演じたわ。

■ジュードとのキスシーンにスタッフが興奮

Q:ジュード・ロウとのキスシーンがとても印象的でした。撮影時のエピソードを教えてください。

撮影していたときから、特別なものになるとわかっていたわ。アングルやわたしの髪へのこだわりがあったから。すべてが入念に準備されたの。色もそう。スクリーンで観たときは、本当に美しくてスイートだと思ったわ。テーブルの上で眠っている人にキスするなんて、すごく変よね。とてもスイートで、ハリウッドっぽい激しいキスじゃなかったから、真実味があったと思う。でも変なアングルだったから、首がすごく痛かったの。それに顔にベタベタするクリームを塗られていたから気持ち悪かったわ。あのキスシーンはジュードの最後の撮影シーンで、撮影自体も終わりに近づいているってわかっていたから、みんなセンチメンタルになっていたわ。スタッフはみんな、「これがキスよ!」っていう感じで、興奮していたわ。

Q:ジュード・ロウとの共演はいかがでしたか?

ジュードはとても優しかったわ。ジュードと共演したときは、まだ最初のころだったから、すごく怖かった。ジュードはわたしにすごく優しくて、とても自信にあふれていたのよ。多分、彼はわたしが少しナーバスになっているのに気づいて、わたしの緊張をほぐしてくれようとしたみたい。

Q:ジュードのほかにも、レイチェル・ワイズ、デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマンなど、名だたる俳優と共演されていかがでしたか?

ナタリーは同年代の女の子だから、すぐに仲良くなれたわ。ナタリーは経験豊富な、素晴らしい女優よ。彼女とすごく仲良くなれたから、撮影も楽しかったわ。レイチェルやデヴィッドとのシーンを撮影するメンフィスに行くころには、演技することに対して自信がついていたから、2人が心地良くいられるように頑張ったわ。彼らは、すごく親切にしてくれたの。もちろん、素晴らしい俳優たちよ。

Q:監督と一緒に役柄を作り上げていかれたそうですが、どんなアイデアを出されたのですか? ご自身のアイデアが生かされ、気に入っているシーンなどはありますか?

彼は、どんなときでもすごく優しくて、演技指導するときも、それはもう優しくて穏やかだったわ。直接的に指示を出したりはせず、上手にコミュニケーションを取りながら伝えてくれるの。「ノラ、こんな風に考えてご覧」ってね。彼が監督する方法は興味深かったけど、とにかくわたしにすごく優しかった。映画という大きな世界に放り込まれて、右も左もわからなかったけど、最後の方になってやっと余裕が出てきたの。セリフも違和感があったら変えてみてもいいかなとか、いろいろわかるようになったわ。でもそんなにたくさんは変えていないのよ。

■映画出演を経て得たもの

Q:映画出演を経て、アーティストとして刺激を受けたことはありますか?

撮影中、この映画のための曲を書いたわ。影響っていたら、そのくらいよ。この映画はわたしを大きく変えたけれど、映画が曲の作り方や、作る曲を変えたとは思わないわね。音楽が変わることはないと思うけど、パフォーマーとしての部分は変わったと思う。わたしはどっちかというとステージの上であがってしまうミュージシャンで、ビヨンセやマライア・キャリーやマドンナのようにはできなかった。だからミュージックビデオのときや、ステージでの見せ方とかには自信が持てるようになったことは確かね。

Q:ヒロインは旅に出ることによって、新しい恋を踏み出す勇気をもらいました。何が彼女に勇気を与えたのでしょうか?

長い旅をすることじゃないかしら。わたしは近道が好きだけど、うまくはいかないと思う。ほとんどの場合、長い道のりが必要なんだと思うわ。近道を取ることもできるけど、誤った選択のせいで後になって大変なことになるのがほとんどじゃないかしら。わたしが彼女を好きなところは、か弱く見えるのに、本当はとても強いところ。彼女は頑固で、タフで、何かから逃げるためじゃなくて、何かを探すために旅に出る。そんな旅に出られるのは、とても強い人だからだよ。

Q:最後に、この作品で注目してほしいポイントを教えてください。

わたしとジュードのキスシーンは、ほんの一瞬のシンプルな行為だけど、あの簡潔な一瞬が多くのことを語っていると思うわ。

髪を切り、映画の中とは違った表情を見せてくれたノラ。アーティストしてだけではなく、女優としても、1人の女性としても、多くの可能性を秘めたキラキラした笑顔がとても印象的だった。彼女の魅力が、ブルーベリーパイとアイスクリームのように溶け合った本作は、五感をフルに使って味わうことをおすすめしたい。

映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』は3月22日より日比谷スカラ座ほか東宝洋画系にて全国公開

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