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今週のクローズアップ / ヒース・レジャー 追悼特集

2008年1月22日。映画界は、ひとりの才能あふれる若い俳優を失いました。彼の名前は、ヒース・レジャー。繊細で優しい彼は、役者としても、ひとりの人間としても、多くのひとに愛されていました。今回のクローズ・アップは、そんなヒースの追悼特集をお送りします。

『パトリオット』

 ヒース・レジャーが初めてハリウッドに本格進出した作品が、この映画『パトリオット』でした。本作でヒースは、メル・ギブソンが演じる、戦いを嫌う元勇者の父親に反発し、愛国心に燃える長男ガブリエルを熱演。主役のメルを食ってしまうほどの名演で、脚光を浴びました。

 そのハンサムな風ぼうから、テレビドラマ「ロアー」というアドベンチャーもののファンタジードラマで主役を演じていたヒース。ローマの戦士という役柄は、人気を集めましたが、ヒースはその現実に満足していませんでした。そして、初めてつかんだ映画出演がこの『パトリオット』。出演直後のインタビューで、ヒースは喜びを語っていました。「正直、これまでの数年はつらかったんだ。これでいいのかって毎日自分に聞いていたよ。でもこの映画に出演して、自分の顔が写ったポスターを見たとき生まれて初めてプレッシャーを感じて、そして最高の恐怖を味わえたんだ」。このときヒースは、21歳。ついにスターへの第一歩を踏み出した作品だったのです。

 

<映画『パトリオット』より>
(c)Getty Images

『ブロークバック・マウンテン』

 ヒースが世界中から注目を浴びることになった作品が、映画『ブロークバック・マウンテン』。1960年代、同性愛など許されることのなかった保守的な南部を舞台に2人のカウボーイの愛を描いた本作で、ヒースは寡黙で同性への愛に苦しむ主人公を繊細(せんさい)に表現。相手役のジェイク・ギレンホールとのリアルなラブシーンも話題になり、賛否両論を呼びました。


 この作品で、ヒースはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、さらには共演したミシェル・ウィリアムズとも恋人同士に……。2005年には、最愛の娘マチルダも誕生。MTVムービー・アワードでベストキス賞を一緒に受賞したジェイクは、マチルダのゴッドファーザー(後見人のような人)になるほどの親友となりました。


 同性愛という難しい役柄への挑戦でしたが、『ブロークバック・マウンテン』は、名声、最愛の女性、最愛の娘、そして最高の親友……と、ヒースに人生で最高の幸福をもたらした作品となったのです。それからたった3年後に、彼に悲劇が訪れるなんて、誰が想像できたでしょうか……。

 

<2006年のアカデミー賞授賞式で……人生最良のとき>
(c)  WireImage

『アイム・ノット・ゼア』

 トッド・ヘインズ監督が、7年もの月日をかけて製作した映画『アイム・ノット・ゼア』。6人の役者が、6人のボブ・ディランを演じる本作で、ヒースは若かりしボブの象徴“ロビー”を演じました。ナイーブなボブ・ディランが、最愛の女性に出会い、子どもに恵まれ、それでも勝ち取っていく名声とともに、次第にその愛が壊れていく……ミシェルと破局してしまった彼の私生活を鏡に映したような切ない役柄を演じています。


 本作でボブ・ディランを演じた紅一点のケイト・ブランシェットはアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、インディペンデント・スピリット・アワードでは、監督やキャストに贈られる、新設されたロバート・アルトマン賞を受賞しました。でも、そのときすでにヒースはこの世にはいませんでした。それでも二度と会えないわけではないのです。スクリーンの中で輝き続けるヒースに、私たちはいつだって出会うことができるのですから……。

<映画『アイム・ノット・ゼア』より>
(C) 2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos - Jonathan Wenk

ヒース・レジャーへ
 将来有望な若手俳優として期待を寄せられていたヒースは、2008年1月22日、天国に旅立ちました。
彼の才能、そして人柄はたくさんの人々に愛されていました。

 映画界からヒースに届けられた、追悼の言葉をご紹介します。


「悲しい出来事だよ。わたしは、彼をとても尊敬していたんだ。彼は繊細(せんさい)で、熱心で、大胆な俳優だった。悲劇としか思えない……」
映画『キャンディ』で共演したジェフリー・ラッシュ


「彼はとってもスイートで、頭が良くて、そして素晴らしい才能の持ち主だったわ。それからたくさんの友だちに囲まれていた。本当に悲しくて、ショックよ。彼に電話したら留守番電話から彼の声が聞こえたの。だからメッセージを残したのよ。彼ほど誠実で特別な人はいなかった……」
ヘレナ・クリステンセン


「ヒースは、途方もなく才能があり、すごく謙虚な男だった。僕はただ、彼が大好きなんだ。ずっと忘れないよ……」
~『アイム・ノット・ゼア』トッド・ヘインズ監督


「僕はヒースをとても愛していたんだ。彼は僕の大好きな俳優だったからね。とても悲しいよ……」
ジョン・トラヴォルタ


「わたしは、彼に大きな希望、期待を抱いていたんだ。でも彼は旅立ってしまった。
彼のように若くして命を失うということは、悲劇的な喪失だよ……」
~『パトリオット』で共演したメル・ギブソン


「わたしのハートは壊れてしまったわ。彼は素晴らしいアーティストであり、ラブリーな人だったわ」
シャーリーズ・セロン


「何ていう悲劇……、ご家族の気持ちを思うと心が痛みます」
~ヒースと同じオーストラリア出身のニコール・キッドマン


<Rest in peace Heath Ledger……>
(c)  Getty Images

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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