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『JUNO/ジュノ』エレン・ペイジ 単独インタビュー

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『JUNO/ジュノ』エレン・ペイジ 単独インタビュー

ティーンエイジャーのころって、

ホルモン分泌のせいでクレイジーになるのよね

取材・文:シネマトゥデイ 写真:秋山泰彦

昨年アメリカの小さな映画館で上映されたとある作品が、瞬く間にスマッシュヒットを記録。ついには主演のエレン・ペイジがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、見事アカデミー賞脚本賞を受賞するという大快挙を挙げた。サントラ盤はビルボード1位を飾り、まるで社会現象となった映画、それが『JUNO/ジュノ』だ。ちょっと変わった16歳の女の子が、興味本位にした一度限りのセックスで妊娠。悩みながらも出産する姿をユーモラスに描いた本作で、世界中が恋をしたキュートな主人公ジュノを熱演したエレンに話を聞いた。

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最高の脚本にぶっとんだ!

エレン・ペイジ

Q:脚本賞を獲得した本作ですが、最初に脚本を読んだときの感想は?

初めて脚本を読んだときは、もうぶっ飛んじゃった! 脚本家のディアブロ・コディが、賞を獲ったのは当然と思えるほど、めちゃくちゃ良くできていて、わたしが今まで読んだ脚本で一番素晴らしいものだった。セリフの一つ一つがおかしくて、ユーモアがあったわ。だから、どうしてもジュノを演じてみたくなったの。

Q:オーディションはあったんですか?

2、3回オーディション受けたんだけど、ジェイソン・ライトマン監督とはすぐに打ち解けて、仲良しになれたの。それから、ボーイフレンド役のマイケル・セラと一緒にスクリーンテストを受けて、そのまま決まったって感じよ。

Q:ここまでの大ヒットとなるって予想していました?

そんな予想、一度もしなかった! もちろん脚本を読んだときも、ぶっ飛んじゃうほど、素晴らしかったし、一緒に映画を作った人たちも大好きだったし、本当に特別な作品だったわ。でも、こんなに小さな映画がここまでヒットするなんて、全然予想していなかった。

Q:アカデミー賞にもノミネートされましたが、いかがでした?

クレイジーな体験だった! すべてが現実に起こっていることに思えなくて……。一緒にノミネートされた人たちも、尊敬している女優さんばかりで、何だか自分がちっぽけに感じられたわ(笑)。

役作りの秘訣(ひけつ)は妊娠スーツ?

エレン・ペイジ

Q:ジュノという役柄はどのように作り上げていったんですか?

脚本を読んだ瞬間に、すぐに入り込めることは明らかだったから、そんなに苦労はしなかったの。いつも役作りをするときは、新しい性格、新しいハートを作って、そこに入ってくの。そうすると、不思議にすんなり役柄とリンクすることができるの。ジュノも、一度リンクすることができれば、彼女を取り巻くすべての人や、状況に、溶け込むことができたわ。それに妊娠スーツを着ることで、妊婦になったジュノへの感情移入も簡単にできたしね。

Q:妊娠スーツの着心地は?

ん~役者としては、役作りの助けにもなるからすごく良かったけど、着心地はそんなに良くなかったわ。すごく暑くて、汗だくになっちゃうから(笑)。撮影が終わって、あれを脱ぐ瞬間が気持ち良かった!

思ったことは何でも口にしちゃう

エレン・ペイジ

Q:ジュノとあなたとの共通点ってどんなところですか?

正直になり過ぎちゃうとこかな(笑)。わたしも彼女と一緒で、思ったことは何でも口にしちゃうから。

Q:ジュノはとっても変わった高校生でしたが、あなた自身はどんな高校生だったんですか?

わたしが高校生だったときは、とにかく忙しかった! もう仕事を始めていたから、両立が大変だったの。サッカーをしたり、友だちと遊んだり、バランスの取れたティーンエイジャーだったわ。でもやっぱりジュノと一緒で、上がったり下がったり、いろいろ悩んでいたわ。ティーンエイジャーのころって、クレイジーなホルモン分泌のせいで、ちょっとおかしくなっちゃうのよね。

Q:出産のシーンはとてもリアルでした

出産はしたことないけど、超痛いってことだけは予想がついたわ(笑)。だから、撮影の前、ママにわたしが生まれたときのことを聞いたの。ママも「痛いよ」って言っていたわ(笑)。

Q:あなた自身は、何歳くらいで赤ちゃんを産みたいと思いますか?

明日じゃないことは確か(笑)。そうだな~、あと数年はないかな。数年したら、いつでもいいかも!

ギターの腕前は元彼のお陰!

エレン・ペイジ

Q:ポーリー役のマイケルとは、息がぴったりでしたね。

マイケルは最高! めちゃくちゃおかしいし、才能にあふれていて、すごくスイートな男の子なの。最高の男の子で、今も超仲良しなのよ。

Q:ポーリーのような彼氏をどう思います?

わたしも、ああいうタイプの男の子が好きなのよね。かわいくない? 女の子は、みーんなマイケルにハマっちゃうんだから! わたしは、繊細(せんさい)で面白くて、ほかの男の子とはちょっと違うタイプの子が好きなの。

Q:デュエットもとってもかわいかったです。

ありがとう! 本当はあのシーン、監督に「2人でちゃんと練習しときなさい」って言われてたんだけど、実はあんまり練習してなかったの。だから、ほとんどぶっつけ本番なのよ(笑)。でも逆にその方が、うまくいったりするでしょ?

Q:ギターは前から、弾いていたんですか?

16歳のときからギターは弾いていたの。そのころに付き合っていた初めての彼氏がミュージシャンだったのよ。ギターを弾いている姿がすごいホットで、わたしも弾くようになったの。

自分自身をしっかり持つことが大切

Q:もしもあなたがジュノの友だちだったら、彼女に何てアドバイスしますか?

そうだな、16歳の女の子が妊娠ってだけで、周りの大人はすごく良い、悪いって彼女の決断をジャッジしがちでしょ? わたしはそういうのっておかしいと思う。だって、彼女が決めることなんだから。だからもし、ジュノと同じ状況で、彼女と同じ決断を下した友だちがいたら、わたしは徹底的にサポートしてあげると思うな。そういうときに一番大切なのは、友情だと思うから。

Q:『JUNO/ジュノ』に出演して、あなたが学んだことは何ですか?

人と違うことを恐れたり、人の意見に流されたりしちゃダメってこと。日本もそうかもしれないけど、最近はみんなと同じじゃなきゃだめって女の子が増えているの。何かがはやればみんながそれに続く……みたいなね。だから『JUNO/ジュノ』を観て、自分自身をしっかり持つことの大切さに気付いてほしいな。


「16歳のときから、身長ほっとんど変わってないんだよね~(笑)」と言って、テヘへと笑うエレンには、いい子! という言葉がぴったりだ。本人が言う通り、「とにかく正直」なところはジュノにそっくり。彼女が持っていたもともとの要素が、ジュノというキャラクターに色濃く反映されているのがすぐにわかった。エレンが演じたからこそ、ジュノはここまで愛らしく、憎めないキャラクターになったのだろう。毒舌を吐いたり、生意気なことを言ったりしながらも、少しずつ成長していくジュノを描いた本作をぜひ楽しんでもらいたい。

『JUNO/ジュノ』は6月14日よりシャンテシネほかにて全国公開

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