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木村佳乃&中越典子
『おろち』
外見的な美しさだけにとらわれ過ぎてはだめ
『おろち』木村佳乃&中越典子 単独インタビュー

取材・文: 平野敦子 写真:田中紀子

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ホラー漫画の草分け的存在である漫画界の鬼才、楳図かずお原作の『おろち』が映画化された。29歳を過ぎると、その美しさが崩壊し始めるという宿命を背負った美人姉妹がたどる業の深さが、傍観者である“おろち”の目を通して語られる。美し過ぎるがゆえに悲劇に向かって転がり落ちて行く姉妹役に挑んだのは、実際に輝くような美ぼうを持つ木村佳乃と中越典子。この美人女優二人が美への思いや、吹き替えなしの暴行シーンに至るまで語ってくれた。

■あまりにフランクで引いちゃう?

Q:お互いの第一印象について聞かせてください。

木村:最初に会ったのは、おはらいのときだよね(笑)。「すごく頑張り屋さんでいい子だよ」と聞いていたので、初めて会ったときにはすでに「典子ちゃんよろしく!」みたいな感じになっていました。わたしが初対面じゃないような対応をしてしまったので、多少引いたと思います(笑)。

中越:いやいや、引いてないです(笑)! 何だか木村さんには風の印象があるんですよね。風が似合うというか、寒くて鼻が赤くなっていたんですけど、その寒そうな顔がとてもきれいで「あぁ、この人がお姉さんかぁ……」と思って。実は昔、友だちに木村さんに似ていると言われたことがあったので、お会いするのを楽しみにしていたんです。本当にすごくフランクな感じで、「おぉ、そんな感じでいいんですか!? よろしくお願いします!」って思いました(笑)。

■いたずら好きのおちゃめな木村

Q:お互いに姉妹役を演じられていかがでしたか?

木村:やはり女優という仕事をやっていると、男性の方と組むことが非常に多いので、女優さんとびっちり一緒にいることは珍しいですね。やはり女性同士だとお互いにわかり合えるしうれしいんです。男性の中に放り込まれるより、気持ちが楽ですよね。

中越:本当にびっくりするぐらいに、お姉さんはいたずらっ子なんです! 控え室のわたしの名前がいつの間にかイタズラされているんですよ。中越典子が、中の上にもう一つ四角が足されて串焼きの串という字になっていて、“クシゴシノリコ”になっていたんです。もう木村さんしかいないでしょう……という感じで(笑)。

Q:お互いの印象というのは撮影が進むにつれて変わりましたか?

木村:とてもガッツのある方だと思いました。後半暴行シーンが多くなってくるんですが、本番になると本気のところもかなりあるんです。髪の毛を引っ張るシーンなどは絶対痛いと思うんですよ。でも、嫌な顔一つ見せずに「もっとやってください、もっとやってください」って言うんです(笑)。

中越:木村さんは太陽のような方ですね。光り輝いていて、パーンという感じ! 極限までいけばしゅんとなることもあるんだけれど、そうならない限り常に元気で、周りに気を遣ってくださる方だったから、見習わなきゃと思いました。

■木村のSぶりに中越マゾ宣言!

Q:暴行シーンもかなりすごかったですね。

木村:わたし自身は暴力にすごく拒絶感があるし、暴力では何も解決しないと思います。ただわたしが演じた一草(かずさ)というキャラクターは、暴力シーンがないと表現できない部分もあるんです。弱いからつい手が出てしまう。後は、妹の理沙に対する甘えですよね。殴っても殴っても理沙が近くに来てくれるという。でも心はやはり痛かったですね。

中越:わたしは逆に楽しかったかな……。姉さんがたくさんが暴力を振るうので、わたしは受け身なんですよ。受け身はやはりやってもらう方だから楽しいですね。暴力を調節したり、コントロールしたり、「本当に当たってしまったらどうしよう?」と心配したりする必要がないので、神経を使う量というのも受ける側の方が少ないと思うんです。姉さんはいじめるのが上手ですよ。わたしマゾなのかも(笑)!

■美しさに年齢は関係ない!

Q:この映画ではすさまじいまでの美への執念が描かれていますが、美についてどうお考えですか?

木村:やはり男性女性に限らず、誰しも美しくありたいですよね。でも心が醜いとそれは顔に出てきてしまうので、外見的な美しさだけにとらわれ過ぎて、本来見なければいけないものが見えなくならないよう気を付けなくてはいけませんよね。加齢することでシワができたり、引力の法則で体つきが落ちてきたりするのは当然のことだから、それにあらがう必要はないと思います。森光子さんや吉永小百合さんなど、すてきな先輩方がたくさんいらっしゃるので、年を取ることはまったく怖くないです。

中越:わたしもやはり美しさというのは心の中からにじみ出てくる人柄というか、そういうものが絶対に表情などに現れてくると思うんです。でも、美へのあこがれというか、追求は永遠だとも思います。それは人の体だけではなくて、景色でもそうだし、絵だってそうですよね。人によって感覚は違いますし、きれいだと思うことは人によってさまざまなので、美というのは本当に深いものなんだと思います。

■美しくなるために必要なこと

Q:では、ご自分を美しく輝かせるために何か努力していることはありますか?

木村:やはりいろいろなことに好奇心旺盛であることが大事だと思います。後は自分に正直であることと、人に思いやりを持つことですかね。

中越:感謝する気持ちを忘れないようにしようと思っていても、ふと自分のことだけを考えてしまう瞬間があって、「あぁ、何でまた感謝の気持ちを忘れているの?」と思うことがあります。すべて自分中心になってしまうと、それが悔しく感じますね。

Q:最後に、この映画の見どころを一言ずつお願いします。

木村:非常に悲劇的な物語ではあるんですが、夢物語として観ていただきたいと思います。

中越:本当に苦しい話になっているんですが、その中から物語全体に流れる美しさを受け取ってもらいたいですね。ダメージを受け続ける姉妹かもしれませんが、いろいろな人にその衝撃を受けてもらいたいと思います。

鼻歌を歌いながらゴキゲンな様子で部屋に入って来た木村と、終始笑顔を絶やさず元気いっぱいに質問に答えてくれた中越。映画の中で美ぼうの姉妹が見せた、精神的にも肉体的にも激しい究極のバトルシーンとは裏腹に、まるで女子高生のようなハイテンションなはしゃぎぶりから、この二人のお互いに対する深い信頼感ときずなが垣間見えた。木村を「姉さん」と呼んで慕う中越と、気風のいい姉御っぷりを存分に発揮してくれた木村が本気でガチンコ勝負する本作を、スクリーンで観ないのはあまりにももったいない!

『おろち』は9月20日より全国公開

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