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真木よう子
『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
バリバリ働いているときって、自分が一番輝いていると思う
『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』真木よう子 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:高野広美

人気漫画家・うすた京介の「週刊少年ジャンプ」で連載中の同名コミックを『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE』のFLASHクリエーター、FROGMANが長編アニメーション化した『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』。あの“ふえ科”のメンバーが、パラレルワールドに迷い込む劇場版オリジナル・ストーリーで話題を集める本作に、人気女優の真木よう子が声優として参加。ミステリアスな王女役にトライした感想などを聞いた。

■原作ファンでもクスクス笑ってしまう!

Q:もともと、原作コミックのファンだったそうですね。

友だちに勧められて、うすたさんの「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!マサルさん」を読み、うすたさんのファンになりました。それから、いろいろなうすたさんの作品を読んでいて、「ピューと吹く!ジャガー」と出会い、一番大好きなコミックになりました。かなりハマッてしまい、一時ずっと枕元に置いてあったほどです。読みながらセリフを覚えてしまうほど何度も読んでいました。

Q:好き過ぎて、今回のアフレコで仕事として接してしまうことに抵抗はなかったですか?

なかったです。コミックに登場するキャラクターのオファーだったら、本当に大好きなので原作の世界観を壊してしまうんじゃないかと不安になって、アフレコをすることはなかったかもしれませんけれど、本作のアルト王女は映画用のオリジナルキャラクターだったので、素直にやりたいと思いました。オリジナルのキャラクターなら、全部自分で作れますからね(笑)。

Q:原作があると、それにとらわれてしまう不安はありますよね。

そうですね。俳優という仕事をやっているとわかるのですが、原作がある題材の場合は、慎重にならざるを得ないですね。例えば、ある原作コミックがアニメーションとして映画化されたような場合に、本当に残念な結果になっている場合があるじゃないですか(笑)。わたし自身がコミックの大ファンなので、原作の世界観を壊されてしまったときの、ファンが残念に思ってしまうという恐怖感は、本当によくわかっているつもりなんです。

Q:今回はほぼFROGMANさんが手掛けているので、見事な融合と言えますよね!

すごいですよね! 完成した作品を観て、すごいと思いました。がっかりしないどころか、原作の大ファンのわたしでもクスクス笑ってしまいましたし、面白かったです。今回の仕事をきっかけにFROGMANさんの作品も観ましたが、もともと、うすたさんの世界観と違和感がないんですよね。ただ、FROGMANさんの作品は、ほとんどキャラクターが動かないので、どう感情を出せばいいのかわからなくて、アフレコ自体は大変でした(笑)。

■初心を思い出させてくれた現場

Q:そのFROGMANさんですが、お会いしたときの印象はいかがでしたか?

わたしが思っていた以上にいい人でした(笑)。「蛙男商会」って、一部のファンの間ではすごい人気だって聞かされていて、資料もたくさんいただいて読んでいましたが、今どきのアニメ界のトップを走っているクリエーターだから、軽い感じの人なのかと想像していたんです(笑)。でも、実際はとても優しい方で、わかりやすく指導していただきました。「ここはオードリー・ヘプバーンのように」とか言われて、楽しかったですね(笑)。

Q:原作者のうすた京介さんの印象はいかがでしたか?

以前、対談でお会いしたことがあったのですが、あまりにもかっこ良くてびっくりしたんです。それまで漫画家の方とお会いしたことがなかったので、こんなにかっこいい人がコミックを描いているんだって思いました(笑)。わたしがいままで抱いていたイメージは、すごいかっこいい人が絵を描いていても、実際に会ったらオジサンだったみたいなイメージだったんで(笑)、普通にかっこ良くてびっくりしました。

Q:ところで、アフレコを経験して、女優業にフィードバックできることはありましたか?

アフレコの仕事を経て思ったのは、セリフで気持ちやメッセージを伝えることの大切さを改めて実感したということです。もともとわたしは舞台出身なので、セリフで気持ちを伝える仕事だったんですけれど、最近はそれを忘れていたような気がしました。映像の仕事だとどうしても表情などにリアルを求め過ぎていて、逆にセリフだけでわかりやすい喜怒哀楽を表現することが大事だということを思い出させてくれた現場でした。

Q:確かに「SP(エスピー) 警視庁警備部警護課第四係」などは表情の演技が重要でしたからね。

そうですね(笑)。ある意味で、『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』は、わたしにとって原点回帰の機会だったのかもしれません。最近の「ミチコとハッチン」も本当にアニメーションが好きで、好奇心で純粋にアフレコをやってみたかったのですが、「ミチコとハッチン」と『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』で声優をやっていくうちに、セリフの重要さがわかっていった感じですね。

■いろいろな経験ができて充実した一年

Q:2008年は、テレビCM、映画、テレビドラマ、声優など充実した一年でしたね。

一番大変でしたけど、一番充実していたのは、「週刊真木よう子」の現場だったと思います。あれほど集中して仕事をして、バリバリ働いていたときって、今振り返ってみると、自分が一番輝いた時期だったとも思いますね。わたしは追い込まれたら力を発揮するタイプなんです(笑)。いろいろな経験をさせていただいたのがわたしにとって大きくて、初めてのことも多かったので、自分の幅が広がっていたらいいと思っています。

Q:声優としてアニメーションの世界に触れると、その趣味も変わったりしますか?

声優としてではないんですが、今は「うちの3姉妹」にハマッています。3姉妹を生んだお母さんが、ブログを書いて人気が出たブログマンガみたいなもので、いわゆる普通のコミックではないんです。でも、日々の出来事が書いてあって、3姉妹がとてもかわいいんです。癒されるんですよね。実際に子どもってあんな感じなんでしょうね。

Q:以前、脚本を書いてみたいとも言われていましたが、絵本作家などに興味はありますか?

脚本は書ければいいと、ばく然と思っている程度なんです。何かしら物語を書いてみたいと思うんです。絵本作家や漫画家も、ちょっとだけ考えたことがあるんです(笑)。小学生のころの夢は、漫画家だったんです。これだけ大好きなので、自分でも描けないかなって思ったことが過去に何度もありましたけれど、絵がうまくないのであきらめました(笑)。もし今後、機会があれば挑戦してみたいと思います。

Q:最後に真木さんから、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』は、原作のファンの皆さんはもちろんですけれど、それ以外の原作を知らない人たちにも楽しんでもらえる作品になっていると思います。「週刊少年ジャンプ」の世代だけでなく、もう少し上の世代の方々、20代後半、30代、40代の方々でも、きっと楽しめると思います。クスクス笑える不思議な作品になっているので、ぜひ劇場に足を運んでください。

「デビュー当時は夢と希望にあふれていて、10代のパワーでまっしぐらに突っ走ってきた」という真木。彼女にとって『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』のアフレコは初挑戦による負担や不安も大きかったそうだが、逆に、気持ちが落ち着いてゆとりが出たからこその意欲的なチャレンジだったともいえる。マイペースに歩みながら、次はどんな仕事でどんな真木を見せてくれるのか。2009年も彼女のサプライズに期待したい!

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』は1月1日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行上映。10日よりTOHOシネマズ系にて全国公開

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