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椎名桔平&長谷川京子
『レイン・フォール/雨の牙』
言葉の壁を越えたコミュニケーションが生まれた
『レイン・フォール/雨の牙』椎名桔平&長谷川京子 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子

東京を舞台に繰り広げられる本格サスペンス・アクション映画『レイン・フォール/雨の牙』。日本映画でありながら、原作は第2のジェームズ・エルロイとして注目されるバリー・アイスラーの全米ベストセラー小説。監督は映画『トウキョウソナタ』の脚本家、マックス・マニックスが務め、あのゲイリー・オールドマンも出演。国境を越えた国際的プロジェクトとして話題を集める本作で、日系アメリカ人の暗殺者、ジョン・レインを演じた椎名桔平と、陰謀に巻き込まれるピアニストを演じた長谷川京子に話を聞いた。

■海外スタッフとの間に生まれたきずな

Q:オーストラリア出身のマックス監督のほか、初の海外スタッフとの撮影はいかがでしたか?

椎名:すごく楽しかったですね。日本的な撮影の仕方とか雰囲気の中でやってきましたから、言葉も考え方も違うしノリも違う。意思の疎通が日本人同士とは違う分、お互いに気を遣いながら思いやる意識がとてもあった現場でした。

長谷川:自分が今まで作り上げてきた価値観とはまったく違う方法で撮ってくださったので、本当に楽しかったです。現場でも言葉でやり取りができない代わりに、思いやることが大切になってきて。それと同時に、相手を感覚で察するという気持ちが生まれて、すごく感覚が研ぎ澄まされました。

椎名:みんなが本気でいい作品にしようと頑張っていたから、それが海外スタッフとの信頼関係になるし、言葉とかは関係ないんですよね。こちらが表情とか芝居で表現することで、それを言葉として彼らは理解してくれるんです。“映画語”じゃないけど、撮影中は映画ならではのコミュニケーションがあった気がします。

■殺し屋とお嬢様、対照的なキャラクターを熱演!

Q:クールな暗殺者のレインと、お嬢様育ちでちょっと天然なみどり。お二人のコンビネーションが絶妙でしたが、ご自身の中に役柄と重なるところはありますか?

椎名:自分のことを把握してないのでよくわからないんだけど、クールな人物を演じているときはその役のようなキャラクターでいることが多いし、天然な人物を演じるときは気楽でいたりしますしね。僕だって天然な役をやることはあるんですよ(笑)。

長谷川:自分のことって考えれば考えるほどよくわからないですよね。でも、意識してなくても作品に出ている部分って、やっぱり自分だって思うし。

椎名:うん、そうだね。

長谷川:でも、自分では天然っていう部分を意識していませんけど……っていうところが、多分天然なんだろうなー、とか(笑)。

Q:逃走中、レインから「プレゼントをあげる」と言われて喜ぶみどりの表情が印象的でした。

長谷川:男性からプレゼントって言われたらうれしいですよね! もらったのは拳銃だったけど(笑)。

椎名:何かほかにないのか、みたいなね(笑)!

■ゲイリーとの共演はエキサイティング!

Q:レインを追い詰めるCIAアジア支局長を演じたゲイリーも、迫真の演技を披露していますね。

椎名:ゲイリーは大スターだから、楽しみどころじゃないぐらい楽しみでしたね! 彼が現場にやって来て、「日本に遊びに来ましたよ」という感じではなく、本気で一緒に芝居したんです。僕がゲイリーを殴るシーンがあるんですけど、彼の真骨頂のような迫真の演技や一生懸命にやっている姿を見て、幸せな時間だ~って思いましたね。

長谷川:わたしはゲイリーと直接絡むシーンがなかったんですけど、スタジオへ見学に行っちゃいました。彼は本番直前から演技に入ったときの表情がとても自然なんですよね。役のために作るのではなく、ご自身の素直な感情のまま役に入っていく方なんだなって思いました。

Q:そんなゲイリーがモニターで監視するお二人の逃走シーンは、秋葉原でゲリラ的に撮影したそうですが?

椎名:いろんな場所で撮影しましたけど、マックス監督がリアルな東京を撮りたいと言って選んだのが、新宿でも銀座でもなく秋葉原(笑)。外国人から見ると秋葉原が東京を象徴する街なんですね。ゲリラ的といっても許可は取っているんでしょうけど、あの人ごみを全部エキストラでやったら大変なことになっちゃいますもんね。

Q:人ごみでの撮影だけに、かなり目立ってしまったんじゃないですか?

椎名:スタッフは、なるべく僕たちに目立たないでくれって言うんですよ。すぐに撮れる状態で身を隠していてくれって(笑)。けど、帽子もかぶれないし隠れる場所もないし。だから二人とも人に背中を向けてうつむいたりしてね。誰かが撮影に気付いて映像に写るとNGになっちゃうから、本番直前まで身を潜めて、カメラが回ったら二人ともコソっと立ち位置に入って。そんなことをよくやっていましたね。

■カルチャーショックを受けた現場での撮影

Q:撮影は『M:i:III』を手掛けたジャック・ワーレハムですが、日本のカメラマンと違うと感じた部分はありましたか?

椎名:そこから撮るの? そのアングルで長回しするの? って驚きましたね。二人の足元を上から撮っているんだけど、何だか不思議な感じがしたし、日本じゃ絶対に使わないアングルだから、そこが面白いと思いました。でも、後で観るとあのアングルがいいんだよね。

長谷川:すっごく斬新! ああいうアングル、あんまりないですよね。横たわった二人の足元からずっと撮っていって、後はほとんど二人の顔のアップで終わるんですけど、日本人のスタッフならこの角度で女優さんを絶対撮らないだろうって思いました。女の人を撮る場合、絶対NGなアングルってあると思うんですけど、そこから撮っちゃうんですよね(笑)。でも、完成した作品を観ると迫力があって、画に説得力がありました。

Q:脚本はマックス監督が英語で書いたセリフを日本語に訳したそうですが、ニュアンスの違いなど戸惑うことも多かったのでは?

椎名:マックス監督の考えは英語なので、それをどうやって日本語で表現するのか苦労しました。でも、言葉は違っても感じることは一緒なんだって思いましたね。レインとみどりがお互いの夢や過去を話すシーンがあって、とてもしっとりした会話をしているんですけど、芝居が終わった後にマックス監督もカメラマンのジャックも、すごく良かったって言ってくれて。ああいった日本的な情緒感とか日本語の細かいニュアンスは彼らにはわからないと思うんだけど、良いシーンかそうじゃないかはちゃんとわかるんですよね。

■ハリウッドでも日本でもない独特のアクション映画

Q:最後に、これから映画を観る方にメッセージをお願いします

長谷川:今までの日本のアクション映画とは、スピード感やスケール感がまったく違う作品です。監督が細かい部分にまでこだわった映像の迫力に注目してほしいです。

椎名:とても斬新で、これまでにないアクション映画になっていると思います。後は、ゲイリーが本気でやってるぞ! っていうね。彼が日本の見慣れた俳優さんと共演しているという、ハリウッドでもない日本でもない作品になっていると思うので、その面白さをぜひ味わってもらいたですね。

ゲイリーも名を連ねる国際的プロジェクトとあって、撮影前からとても楽しみだったという二人。海外スタッフとの初コラボレーションで、かなり刺激を受けたようだ。椎名演じるレインの格闘アクション、長谷川の華麗なピアノの演奏シーンなど、見どころは満載だ。日本映画の枠を超えたカメラワークや俳優陣の共演をその目で直に味わってほしい。

『レイン・フォール/雨の牙』は4月25日より丸の内ルーブルほかにて全国公開

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