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麻生久美子、谷村美月
『おと・な・り』
自分以外の存在の音が聞こえるとうれしいです
『おと・な・り』麻生久美子&谷村美月 単独インタビュー

取材・文:福住佐知子 写真:高野広美

都会のアパートの隣同士に暮らし、お互いが生活している音に惹(ひ)かれ合っていく男女の恋を描いたピュアなラブストーリー映画『おと・な・り』。岡田准一演じる主人公の隣の部屋に住む、自分の夢に向かってまっすぐに進んでいくヒロイン・七緒を演じた麻生久美子と好きな人に一生懸命な女の子・茜を演じた谷村美月。等身大のラブストーリーを演じた二人に映画や恋愛について語ってもらった。

■あこがれの麻生との再共演に緊張する谷村

Q: 麻生さんは生花デザイナーの七緒を、谷村さんは明るく無邪気な茜を演じられましたが、それぞれご自身の役柄をどんな女性としてとらえられましたか?

麻生:七緒は、真面目で、夢に向かって頑張れる人なんですね。それはわたしにはあまりない部分なので、すごく尊敬しました。脚本を読んで、真面目で、おとなしくて、友だちもあまりいないタイプの女性だと思っていましたが、監督から「普通に明るい子だよ」と言われました。

谷村:茜の明るさは、自分にはない部分だと思いました。ものすごくしゃべる女の子なので、わたしがちゃんとしないと岡田さんがお芝居をしづらいだろうと客観的に思いながら、リハーサルも冷や汗をかきながら、切羽詰っていました……(笑)。

Q:お二人は『コドモのコドモ』以来、二度目の共演になりますが、今回共演された印象はいかがでしたか?

麻生:美月ちゃんは意外と大人っぽい雰囲気ですけど、しゃべるとピュアですごくかわいい!

谷村:この作品で本当に勉強になったと思うのは、麻生さんってお芝居はもちろんなんですが、現場での佇まいとか、存在感がすごくすてきなんです……。わたしもそうなりたいと思っているんですが、何年経っても無理かな……。

麻生:大丈夫、ぜったい大丈夫です。

谷村:麻生さんとご一緒するときはすごく緊張するんです。『コドモのコドモ』のとき、「先生役は麻生さんで」と聞いたとき、「ようやく来ました、このときが!」って、マネージャーさんと一緒に大喜びしていたんですよ。

麻生:え~っ、ありがとう。うれしいな(笑)。

■日常で聞こえる好きな音と嫌いな音

Q:タイトルの『おと・な・り』は「お隣」と「音鳴り」を掛け合わせていて、映画の中で日常のいろいろな音が効果的に使われていました。お二人が普段聞いていて好きな音と嫌いな音ってどんな音でしょうか?

谷村:今は上京して一人で住んでいるんですが、実家にいたころは一つの部屋に家族全員で寝ていて、わたしの寝るのがだいたい一番遅かったんですね。みんなの寝息を聞くのが好きでしたね。

麻生:家族みんなで寝るなんて、珍しいですね。いいなぁ……。

谷村:よく言われます。なかなか自立できなくて……(笑)。好きじゃないのは掃除機の音ですね。お母さんがかけるとテレビの音が聞こえなくなるんです。

麻生:わたしは、誰かが帰ってくる音が好きです。玄関が開く音とか、鍵の音とか……。自分以外の存在の音が聞こえるとうれしいです。一人暮らしをしていたときは、一人でいることに慣れていたので、今のほうが寂しがり屋ですね。ちょっといないだけでも寂しい……。好きじゃない音って、工事現場の音とか……。でもそんなに嫌いじゃないかな。嫌いな音はあんまりないです。

Q:カメラマン・野島聡役の岡田准一さんはどんな方でしたか?

麻生:すごく面白い方でしたね。気を使う方なので、周りをよく見ていて、その場の雰囲気をなごませようと、いろいろ話題を提供してくれました。

谷村:わたしがぶつぶつ一人でセリフを言っているといつの間にか自然に合わせてくださったり、自分で段取りをつけていたときも付き合ってくださったりしました。「いいよ、いいよ」とおっしゃって……。本当に優しい方でした。

Q:岡田さんが撮影された、ご自分の写真をご覧なった感想は?

麻生:うまいです、写真。普段、撮影とかで撮られている顔とは違う表情を撮ってくれたので、ちょっとうれしかったです。

谷村:“素”を撮ってくださっていましたね。でも、岡田さんにカメラを向けられるのって恥ずかしいです(笑)。

■好きな人への接し方

Q:谷村さんが演じられた茜は、「わたしは、好きな人が趣味」と公言し、相手の立場を考えてずっと部屋の中にいました。お二人は好きな人に対してどのように接しますか? 甘えることはできますか?

谷村:わたし、甘えられない人です。ダメですね。あまり素直になれないし、かわいくない人だと……(苦笑)。まず、自分のことを直さないといけないんじゃないかと思いながら、今は自分のことでいっぱい、いっぱいなんです。でも、お料理は頑張っています。麻生さんはお上手なんですよね?

麻生:わたしも10代のころはぜんぜんダメでしたよ(笑)。わたしは好きな人に対しては……話を聞いてあげたいし、聞いて欲しいし、両方ですね。甘えたり、甘えられたりがいいですね。

Q:美しい風景がたくさん出てきました。最後に、心に残っている場面や好きなシーンやこの映画の見どころを教えてください。

谷村:わたしは部屋の中のシーンがほとんどでしたが、ロケをした長い橋のある場所が印象に残っています。あの場所に行って勇気をもらえた気がします。

麻生:わたしはやっぱりお花屋さんですね。まだ咲いているのに花を見切って捨てたりしないといけなくてけっこうつらかったです。わたし自身も物ごとをあまり見切れるタイプじゃないので……。この作品は音を描いている映画でもあるので、普段自分が耳にしている音を改めて聞いてみると幸せな気分になる……そういう映画だと思います。

今や日本映画には欠かせない女優・麻生久美子と、フレッシュでキュートな魅力の持ち主・谷村美月のツーショットは、新緑の季節のさわやかな風がスタジオに吹き込んできたようだった。二人とも楽しそうに映画について語り、笑顔の耐えないインタビューとなった。そんな二人が等身大のラブストーリーを演じた本作からは、人生の厳しさ、ひたむきな愛の強さなど日常の大切さが伝わってくる。

『おと・な・り』は恵比寿ガーデンシネマほかにて先行公開中、5月30日より全国公開

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