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新垣結衣
『BALLAD 名もなき恋のうた』
何があってもぶれない女性でありたい
『BALLAD 名もなき恋のうた』新垣結衣 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:吉岡希鼓斗

映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで知られる山崎貴監督が、泣ける名作と絶賛された映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』を最新のVFX技術で実写化した。小国の姫君と家臣である武将との悲恋を描いた映画『BALLAD 名もなき恋のうた』は、現代から戦国時代にタイムスリップした少年の視点で描かれる感動巨編。身分違いの恋を貫こうとするヒロインの廉姫を熱演した新垣結衣に、寒さとの闘いだった撮影の裏話や、戦国時代の恋愛について話を聞いた。

■新垣はアニメの廉姫と顔がそっくり!?

Q:映画版『クレヨンしんちゃん』の実写化作品に出演というお話を、最初に聞いたときはどう感じましたか?

しんちゃんを、どんな風に映像化するのか想像できなかったので、始めはすごく気になりました。でも、台本を読ませていただいて、純粋にステキな物語だと思ったので、この映画に参加できることが本当にうれしかったです。

Q:アニメ版の廉姫と新垣さんは、お顔が似ていると思いました。

山崎監督と最初の顔合わせをしたときにも、「とにかく新垣さんは、しんちゃんの廉姫と顔がよく似ているんだよ!」って言われました(笑)。お会いする前は、監督に近寄りがたいイメージを持っていたんですけど、実際はとても気さくで楽しい方だと思いました。

Q:新垣さんから見て、廉姫はどんな女性ですか?

何があってもぶれない。でも、完全に周りをシャットアウトするのではなく、自分自身のことも冷静に見られる女性です。廉姫は恋愛に関しても、あの時代の女性にしては積極的に行動しようとするんですよね。自分の考えを全うする強さと他人を思いやる優しさがあって、わたしもそうでありたいと思いました。

■姫としての女らしい動きを猛特訓!

Q:着物姿がよくお似合いでしたけど、姫として振る舞うのに苦労したのでは?

なるべく女性らしく、たおやかな動きをするように指導してもらいながら演技をしたので、とても大変でした。姫としての立ち振る舞いが現代とは全然違うので、普段は使わない筋肉を使うんです。走るときも、下に着ている着物が見えてはいけないとか、ひじから上が見えるとはしたないとか、いろんな決まりごとがあるんですよね。それが当たり前だった女性ならではの走り方なので、腕を思い切り上げたり足を大きく広げたりするわけにはいかなくて、走るときの動きだけでもかなり練習をしました。

Q:又兵衛を演じた草なぎ剛さんとは初共演ですが、どんな印象を受けましたか?

テレビで拝見しているのと同じように穏やかな印象でした。撮影中はあまりお話しをする機会はなかったのですが、どんなときも自然体なところがすてきだと思いました。

■おにぎりもガチガチになるほどの寒さにビックリ!

Q:本作は極寒の中で撮影されたそうですね。かなり過酷なロケだったとか……?

現場が山奥だったので、本当に寒くてつらかったです。どこにいても寒いので、安心できないんですよ。ちゃんと火をたいて暖を取る場所はあるんですけど、唇が青くなるくらい気温が低かったので、寒過ぎて手の先が一瞬しか温まらなくて。でも、廉姫は着物を何枚も着ていたのでまだましなんですけど、男の人たちはみんなわらじですし、家臣たちははだし。申し訳ないと思いながらも、やっぱり寒かったです(笑)。

Q:戦に向かう又兵衛たちのために、城の外でおにぎりを握るシーンが印象的でした。

おにぎりを握るのは久しぶりだったんですけど、寒さのせいで握った瞬間にガチガチになってしまってビックリしました。おにぎりを握るために使う水は、スタッフの方がお湯にしてくださったんですけど、そのお湯もおわんに入れた途端に水になってしまって、本当に大変でした。

■戦国時代の恋愛に対して思うこととは?

Q:山崎監督は、女子の心拍数も上がるような合戦シーンを目指したそうですが、新垣さんも心拍数が上がってしまいましたか?

上がりましたね(笑)。実は、ハラハラドキドキするのが苦手で。でも、この映画はすごく観やすいし、味方が敵を倒すと「よし!」と叫びたくなる。本当に女性でも楽しめる合戦シーンでした。

Q:自由に恋愛することができない戦国時代の姫を演じて、恋愛観に変化はありましたか?

あんまり変わっていないですね。身分の違いで思いを伝え合うこともできない廉姫と又兵衛を、現代からタイムスリップしてきた真一の目線で見てしまう自分がいて。もしもわたしがあの時代にいって二人に会ったとしたら、真一と同じように「身分の違いなんて乗り越えちゃえ!」って思うでしょうね。

Q:では、これから映画を観る方にどんなことを伝えたいですか?

何かを乗り越えるために、人それぞれいろいろなことを考えると思うんですけど、それがすぐ行動に移せる人って少ないと思うんですよね。だから、戦国時代に強く生きて、身分の違いや困難を乗り越えていく廉姫と又兵衛の姿から、勇気を受け取ってもらえるんじゃないかと思います。

完成披露会見での「姫を演じられる数少ない女優の一人」という山崎監督の言葉通り、凛(りん)としたたたずまいと女らしさを持つ新垣。撮影で特訓しただけに物腰も話し方も優雅で、吸い込まれるような瞳が印象的だった。そんな新垣が、かれんな中に強さを秘めた姫を演じ切った『BALLAD 名もなき恋のうた』は、大人も涙したアニメ映画が原案とあって、幅広い層が楽しめる新感覚の時代劇だ。ケータイもメールもなかった時代の切ない恋の行方を、その目で見届けてほしい。

『BALLAD 名もなき恋のうた』は9月5日より全国公開

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