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天才子役のエトセトラ

 ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督ルイ・マルの名作『地下鉄のザジ』が、約50年ぶりにスクリーンによみがえる。9月26日に公開される本作で、伝説的な子役として主役ザジを演じたカトリーヌ・ドモンジョが一躍注目を集めたことにちなんで、今週は天才子役のエトセトラをご紹介します!
子役の典型的な成れの果て!?:マコーレー・カルキン

 世界的に一大ムーヴメントを巻き起こした『ホーム・アローン』シリーズで主演を務めたマコーレー・カルキンは、何とあのギネスブックにも認定されているという「世界一有名な子役」。そのかわいらしさはもちろん、無邪気な演技で世界中の大人も子どもも夢中にしたマコーレーは、続いて『ホーム・アローン2』『マイ・ガール』などに主演し、稼ぎまくっていったのですが、これが子役スターにつきものの大きな災いに……。彼のギャラをめぐって両親が対立し、離婚。この一件が発端となったのか、次々とトラブルに巻き込まれ、俳優行は休業。十代半ばにしてアルコール依存症など、典型的な子役がたどる悲惨な末路を迎えました。

 18歳となった1998年には女優のレイチェル・マイナーと結婚し、ミュージック・ビデオに出演するなど、少しずつではあるものの俳優業へ復帰したのですが、わずか2年で離婚。2003年には『パーティー★モンスター』で9年ぶりの映画界復活も果たしつつも、翌2004年には、薬物とマリファナ所持で逮捕……とどうにもうまくいかない様子。2005年には幼少時代から親交のあったマイケル・ジャクソンの幼児虐待裁判で証言台に立ち、マイケルの無実を証明するのに一役買ったことで、久しぶりにその名を耳にしました。
 現在は、俳優業に再び復帰したのですが、なかなか道は険しそうです……。

このポーズで世界一有名な子役に!
Barry King / WireImage / Getty Images

サラブレッドの大復活!:ドリュー・バリモア

 今や映画プロデュースも手掛けるドリュー・バリモアといえば、両親はもとより、祖父母、さらには大伯父母まで俳優という、ハリウッドきってのサラブレッド。それだけにそのキャリアは何と生後11か月からという筋金入りの子役! 7歳のときに出演した、スティーヴン・スピルバーグ監督の名作『E.T.』で主人公の妹を演じ、その愛くるしさで一躍注目の天才子役となりました。しかし、大人でも子どもでも一夜にして射止めたスターの座に忍び寄る影は恐ろしく……、9歳から飲酒、10歳でマリファナ、12歳でコカイン、14歳で自殺未遂と、想像を絶する荒れ果てた子ども時代を過ごし、リハビリを繰り返すようになりました。

 しかし20代になると落ち着いたのか、ウディ・アレン監督の『世界中がアイ・ラヴ・ユー』への出演や『エバー・アフター』での主演など、次第に再びヒット作に恵まれていきます。そして『25年目のキス』ではついに製作総指揮を務めるまでになりました。中でも出演・製作の『チャーリーズ・エンジェル』シリーズは世界中で大ヒット! もはや落ちに落ち切った過去は完全に拭い去ったと言っても過言でないでしょう。サラブレッドは生まれながらにして、芸能界を生き抜く力を備えていたのかもしれません。

 

『E.T.』の頃のドリュー、母ジャイド・バリモアとニッコリ!
Hemsey / Getty Images

悲しすぎる結末……:ブラッド・レンフロー

 身近な雰囲気がありながらも、まさしく美少年というルックスで彗星のごとく現れたブラッド・レンフローは、デビュー作となった『依頼人』で、スーザン・サランドントミー・リー・ジョーンズというハリウッドきっての実力派俳優に負けない名演技を見せ、一気にスターダムへと上り詰めました。続く『マイ・フレンド・フォーエバー』では少年同士の友情で世界中の涙をさらい、『スリーパーズ』ではブラッド・ピットの少年時代を演じるなど、ルックスだけでなく、確かな演技力でその人気を不動のものにし、着実なキャリアが実を結んでいたように思えた彼ですが……他の子役スター同様、やはりプライベートではトラブルが絶えず……。

 1998年には、悪役に挑戦した『ゴールデンボーイ』で東京国際映画祭最優秀男優賞を受賞した一方で、コカインやマリファナ所持で逮捕。その後も来日も果たした『BULLY ブリー』エイドリアン・ブロディキーラ・ナイトレイと共演した『ジャケット』など、俳優として復活の兆しが見えるものの、ヨットを盗もうとして(!)逮捕、未成年での飲酒に、飲酒&無免許運転、ヘロイン購入など次々に逮捕劇を繰り広げてしまいます。
 そしてついに最悪の末路が……。2008年1月15日、ヘロインの過剰摂取により、25歳という若さで、ブラッド・レンフローはこの世を去りました。まだまだやり直しがきく若さであっただけに、その才能を思うと、あまりに悲しすぎる結末となったのです……。

映画『BULLY ブリー』での来日時。

見事な引き際!!:『地下鉄のザジ』カトリーヌ・ドモンジョ

 作品生誕50周年を祝して、完全修復ニュープリント版で9月26日に公開される映画『地下鉄のザジ』。映像化不可能といわれたレイモン・クノーの小説を、ルイ・マル監督が見事な手腕で映画化したことで有名な本作ですが、と同時に主役のザジを一躍スターにした作品でもあります。

 田舎から大都会パリに遊びに来て、「何としても地下鉄に乗りたい!」という目的を果たすために、あれこれと悪知恵を働かせパリを堪能するオレンジのセーターを着たおかっぱの少女ザジを演じたカトリーヌ・ドモンジョは、本作によって「伝説の名子役」として今も語り継がれる存在になりました。実に子どもらしい無邪気さと天真らんまんなザジの姿に、多くの大人が心を奪われたのはもちろんですが、それだけで伝説になれるほど子役の世界は甘くありません。彼女が伝説となったその理由は、何といっても「潔さ!」といえるのではないでしょうか。

 12歳のとき、デビュー作にて主演を射止めた『地下鉄のザジ』が大ヒットしたカトリーヌ、翌年には『女は女である』になんとザジ役で出演します。その後の出演作はわずか2本。他の子役たちと違って、トラブルがあったわけでもなく、たった4作品のみの映画出演、そして19歳という若さで芸能界から引退してしまいました。
 その後は歴史家になったという彼女、まさしく潔い、見事な引き際で「伝説の子役」として語り継がれる存在となったのです。


 映画『地下鉄のザジ』は9月26日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

このイタズラな笑顔が最高にキュート!

今は亡きフランスの名優フィリップ・ノワレと。
(C) 1960 Nouvelles Editions de Films

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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